ハワイ料理とは その歴史や特徴を代表的な料理と合わせて解説
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ハワイは「行きたい海外旅行先ランキング」のトップを争う大人気の観光スポット。ハワイ諸島は19の島と環礁で構成される常夏のリゾートアイランドです。温暖な気候と風光明媚な土地柄も魅力ですが、ハワイならではのユニークな伝統料理も数多くあります。
そこでこの記事では魅力的なハワイ料理の特徴や種類、歴史などを紹介いたします。
ハワイ料理の特徴や種類について解説
ハワイは太平洋のほぼ中央に位置する南海の火山列島です。先住民は紀元前15世紀頃にタヒチやマルケサス島から渡ってきたポリネシア系の海洋民族と考えられており、ハワイの伝統料理はポリネシア料理との類似や共通点が少なくありません。
近代以降のハワイ料理は、日本を含むアジア各国や母国アメリカからの移民たちによって持ち込まれたさまざまな郷土料理の影響を受けて成立しており、地元(ローカル)料理の意味で「ロコ料理(Loco foods)」と呼ばれています。
ちなみに「ロコ」は移民の子孫にあたる住民のこと。それに対して先住民の子孫を「ハワイアン」と呼び、先住民の伝統料理を「ハワイアン料理(Hawaiian foods)」と呼びます。これはレイシズムではなく先住民の血筋と伝統文化を重視した区分です。
近年ではハワイにすむ新進気鋭の若手シェフたちが地元ハワイ産の野菜やシーフードを使ったインターナショナルなオリジナル料理として「パシフィック・リム料理(Pacific Rim Foods)」を提唱。ハワイの高級創作料理として定着しつつあります。
ハワイ料理とは
ハワイ料理とは狭義ではポリネシア系先住民に伝わる伝統料理のこと。広義では近代以降に移民たちが持ち込んで定着した「ロコ料理」や、ハワイ産の食材を用いて新たに創作された「パシフィック・リム・キュイジーヌ」も含まれます。
ハワイ料理の歴史について
ハワイ諸島は海底火山の噴火によって形成された無人島でした。1,500年ほど前に3,000キロ以上離れたマルケサス諸島からポリネシア人が到達。その500年後にはタヒチからの移住者も到達し、ハワイの先住民族として独自の歴史と文化を形成します。
1810年にカメハメハ1世がハワイ諸島を統一してハワイ王国が誕生。太平洋貿易の重要な中継地点となり、アメリカやメキシコ、日本、中国、フィリピンなど海外の国々から多くの移民が入植してサトウキビやパイナップル農園が発展しました。
やがてアメリカ移民が経済力と政治的影響力を高めるとハワイ王国はアメリカへの従属を迫られ、1898年に王国は滅亡してアメリカ合衆国領に編入されました。1959年には合衆国50番目の州となり現在に至ります。
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ハワイの伝統料理はポリネシア系先住民が残したハワイ料理と、近代の移民たちがもたらした国際色豊かなロコ料理を中心に形成されています。また、沖縄出身の日本人移民が多く、日本料理や沖縄料理の影響を受けたロコ料理が多いことも特徴です。
地域別の伝統料理を紹介
ハワイには8つの大きな島があります。観光業はオアフ島、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島の4島がメイン。食文化については島別の違いよりも世界各国から移民が持ち込んだ多様な郷土料理の融合に最大の特徴があるといえるでしょう。
ハワイの伝統料理で古いポリネシア料理に近いものとしては、タロイモの球茎を蒸し焼きにしてペースト上にすりつぶした「ポイ」があげられます。「ポイ」はポリネシア料理の主食のひとつで、ハワイの原住民も主食としています。
ほかにも「カルア・ポーク」という豚の石焼きをはじめ、豚や鶏、魚などをタロイモの葉で包んで蒸した「ラウラウ」。豚や鶏肉、イカなどをココナッツミルクで煮込んだ「ルアウ」、 生の魚をぶつ切りにした「ポケ」などがポリネシアから伝わった料理とされています。
よく使われる食材や特徴を解説
太平洋に浮かぶハワイ諸島は海産物が豊富。新鮮なマグロやカツオなどを一口大に切って塩や醤油、海藻、香味野菜などを混ぜ込んだ「ポケ(ポキ)」や、いきの良いエビをカラつきのままガーリックバターで炒めた「ガーリックシュリンプ」はハワイ料理の定番です。
日本ではシイラと呼ばれる「マヒマヒ」もハワイでは高級魚として人気の食材です。グリルやフライなどさまざまな料理で食されています。農産物では玄米や白米、サツマイモ、パイナップルやパパイヤなどのほか、伝統植物のパンノキやタロイモなども栽培されています。
国民的な飲み物やスイーツ
ハワイの飲み物でよく知られている「コンブチャ(Kombucha)」は日本語の「昆布茶」ではなく紅茶キノコのこと。甘い紅茶に酵母菌を加えて発酵させた飲み物で、日本でも1970年代に1970年代に健康飲料として大流行しました。
スイーツでは「ハウピア(Haupia)」というココナッツミルクをデンプンで固めたゼリーが定番です。見た目はミルク寒天のようなデザートで、フルーツソースやチョコレートを加えたりと、さまざまなアレンジで食されます。
おもなハワイ料理を紹介
「ポイ(Poi)」はタロイモを使ったシンプルな料理で、ハワイの伝統食として知られています。作り方は簡単で、タロイモを蒸してペースト状にすりつぶして発酵させるだけ。低脂肪で栄養価が高く、ダイエット食としても人気です。
「ミックスプレート」はひとつの大皿にさまざまな国の料理を乗せたハワイ独特の人気メニューです。100年ほど前にさとうきび畑で働いていた各国の移民たちが、それぞれの弁当のおかずを互いに分けあった名残とされています。
まとめ
ハワイ料理にはポリネシア系先住民の伝統的な「ハワイアン料理」と、近代以降に移民たちが持ち込んだ国際色豊かな「ロコ料理」、ハワイ産の食材を用いて創作された「パシフィック・リム・キュイジーヌ」に大別されます。
伝統的な「ハワイアン料理」はポリネシア料理との類似点が多く、タロイモを使った「ポイ」はダイエット食としても人気です。スイーツではココナッツミルクをデンプンで固めた「ハウピア」が定番です。
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