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調味料の「さしすせそ」とは 効果や入れる順番についても解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/28
更新日:2022/12/08
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目次

世の中には様々な料理のレシピがありますが、いくつもレシピを見ていると、砂糖の後に醤油を入れたり、味噌は最後に溶いたりという工程で、調味料を入れる順番に共通性があることに気づくのではないでしょうか。

この記事では、料理の基本の調味料についてや、調味料を加える順番とその理由について解説します。

料理の基本の調味料「さしすせそ」とは

料理をする上で、調味料は欠かせません。料理によっては複数の調味料を使用しますが、おもに和食で使われる基本の調味料に「さしすせそ」、「さとう」「しお」「す」「しょうゆ(昔の書き方だとせうゆ)」「みそ」があります。

この、さしすせその順番の通りに調味料を入れていくと、料理を美味しく味付けできるとされているのです。
この順番は、分子の大きさによって効率的に味付けができるようになっており、昔の人たちの知恵は科学的に理にかなっていたということになります。

さしすせそで得られる効果は?

基本調味料「さしすせそ」、それぞれの特徴や料理にどのような効果を与えてくれるのかについて解説いたします。

「さ」砂糖の効果

砂糖の分子は塩より大きく、味が染み込むまでに時間がかかります。また、砂糖には食材を柔らかくして、その後に入れる調味料の味の染み込みもよくしてくれることから、最初に入れるのがおすすめです。さらに、料理にツヤを出したり、食材の水分を保ってくれる効果もあることから、食材の乾燥も防いでくれます。

砂糖にはいくつか種類があり、上白糖やグラニュー糖、三温糖、白双糖など、結晶の大きさや風味が異なります。世界的にはグラニュー糖が主流で、上白糖は実は日本でしか使われていません。料理、お菓子、飲み物等、用途によって向いている砂糖の種類が変わります。

「し」塩の効果

塩は、砂糖と比べると分子が小さく、食材に早く染み込むことから、砂糖の後に入れるのが良いとされています。野菜や果物の変色を防いで鮮やかな色にしたり、肉や魚などの生鮮品の身を引き締める目的でも使うことができます。また、食材の水分を外に出す効果がある事から、昔から保存食を作る為に重宝されていました。

一口に塩といっても、様々な種類があり、原材料によって「海水塩」「岩塩」「湖塩」の3種類に分けられます。日本で主流になっているのは海水塩です。世界で最も採取量が多いのは岩塩ですが、日本ではほとんど採ることができません。岩塩は一般的に海水塩よりも塩味が強いので、海水塩と同じ感覚で使ってしまうとかなり塩辛くなってしまいます。湖塩は、塩湖で採取できる塩ですが、日本には塩湖が無く、世界的にも珍しい塩です。

「す」酢の効果

酢は酸味をつけるほかに、食材の生臭さを消したり、柔らかくする効果があり、風味や酸味が飛びすぎないように、味付けの最後の方に入れます。
野菜の変色防止や発色を良くする効果があり、殺菌作用もある他、健康作用も期待できる調味料です。内臓脂肪の減少を助ける・高めの血圧を下げる・胃酸の分泌を促す・便秘改善・食後の血糖値の上昇を抑えるなどの効果が期待できますが、摂りすぎると歯のエナメル質が溶けたり、消化器官の炎症につながる危険性もあるので注意が必要になります。

酢は原料によって様々な種類がありますが、その分類を知っている方は少ないでしょう。日本農林規格の分類では、醸造酢と合成酢に分けられ、醸造酢からさらに分類されて、小麦やとうもろこしなどを原料とした穀物酢、米を原料とした米酢、果物を原料としたリンゴ酢やみかん酢などがあります。他にも梅干しの製造過程で生まれる梅酢や、泡盛の製造過程でできる「もろみ粕」を原料としたもろみ酢など、原材料や生まれる過程が異なる酢が多くあります。

「せ」醤油の効果

醤油も、酢と同じく風味が飛ばないよう、味付けの後半に入れることが多いです。醤油は大豆・小麦・食塩を発酵させて作った発酵調味料で、うま味があり、食材の生臭さを消す効果もあります。

JAS規格によると、醤油は濃口醤油・淡口醤油・再仕込醤油・溜醤油・白醤油の5つに分類されます。熟成期間が長くなればなるほど、黒く濃いとろみのある醤油になり、うま味も強いです。熟成期間の短い醤油は色も薄くあっさりしているものが多く、醤油の主張を抑えて素材の味を生かすことができます。
淡口醤油は薄口醬油とも呼ばれ、塩味も薄いと勘違いされがちですが、実は塩分が高いので血圧の高い方は注意が必要です。一般的なレシピに「醤油」と書かれているものは「濃口醤油」です。

「そ」味噌の効果

味噌も、酢と醤油と同じく風味を生かすために後半に入れます。味噌は大豆と塩に麹を混ぜ、発酵させて作られる発酵調味料で、全国各地で様々な味噌が作られていますが、使う麹の種類によって米味噌󠄀・麦味噌󠄀・豆味噌󠄀の3種類に分類されます。米味噌は全国で作られていますが、麦味噌は九州、四国、中国地方、豆味噌󠄀は愛知、三重、岐阜の中京地方がおもな産地です。
よく味噌汁を作るときに「沸騰させない方がよい」といわれていますが、味噌の香りは90℃以上になると揮発してしまうため、味噌を入れた後は煮立てないようにします。

料理に加える順番について

調味料は、基本的に砂糖から順番通りに入れていきますが、料理によっては例外もあります。酢の酸味を生かしたい料理の場合は最後に入れたり、食材を柔らかく炊きたいという場合は最初に入れましょう。味噌も、八丁味噌の場合は煮込んだ方が美味しくなる等、必ずしもさしすせその順番にはならないことがあります。

まとめ

料理の基本の調味料「さしすせそ」について解説してきました。
料理によっては例外もありますが、「さしすせそ」の順番を守って調理をすると、食材の味の染み込みを良くなりおいしく味付けできます。
一口に砂糖・塩・酢・醤油・味噌といっても、様々な種類があり、料理によって適切な調味料を選ぶことで、よりおいしい料理になります。

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