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福井県の郷土料理について解説 特産品や伝統料理も合わせて紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/02
更新日:2022/12/20
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目次

福井県は、西側は広く日本海に面していますが、東側は山々が連なっています。「越山若水(えつざんじゃくすい)」という別名があり、「越前の緑豊かな山々と、若狭の美しい水に恵まれた土地」だといわれています。

この記事では、豊かな自然に囲まれた福井県の農産物や郷土料理について紹介します。

福井県の生産高が高い農産物の紹介

福井県で生産高が高い農作物を紹介

福井県福井市棗地区という、地名になるほどの歴史がある棗(なつめ)の産地が存在しており、ナツメの生産量が全国一位になっています。国産のナツメの9割が福井県で生産されています。

同じく六条大麦の生産高も全国一位です。六条大麦は、麦茶や押し麦に加工されていますが、最近では、本来は捨てられるはずの麦の茎を使った、麦ストローの開発をしている企業もあります。

そのほかに収穫量が全国上位なものが、らっきょうです。中でも、全国で唯一、三里浜という地域で「三年子らっきょう」という、通常より一年長く生育させる特別な栽培方法で作られるらっきょうがあります。

福井県の米生産について解説

福井県は全国でも有名な米の生産地で、農産物の生産をしている農家のうち8割ほどが米づくりをしています。
品種はコシヒカリとハナエチゼンが多くなっていますが、酒造り用の五百万石も栽培されています。

コシヒカリは、今では全国で栽培されている品種ですが、もともとは福井県農業試験場の石墨慶一郎博士らによって開発された品種です。

福井県で有名な畜産物

全国的にみると、福井県は家畜の飼育数が多いとはいえませんが、歴史のあるブランド牛や、開発されたばかりのブランド鶏も存在します。

・若狭牛
もともとは、平安時代には牛車を引く牛として知られていましたが、明治時代以降、サシが密でキメ細かく、風味が良いということで、食用として高価に取引されてきました。

・福地鶏
福井県畜産試験場で開発された、卵も肉も美味しいとされる福井県の地鶏です。平成29にたまごの出荷が始まり、平成30福地鶏の肉を使った料理の提供が開始された、新しいブランドです。福地鶏の肉は県内の飲食店でのみ取り扱っており、一般には流通していないことから、幻の地鶏とも呼ばれています。

福井県の水産物について解説

サワラ、カレイ、ズワイガニなどの漁獲量が多くなっており、ブランド水産物も有名です。

・越前ガニ
福井県の漁港に水揚げされる雄のズワイガニです。越前沖は暖流と寒流のぶつかる漁場になっており、カニのエサとなるプランクトンや小魚、甘えびが豊富に生息しています。越前海岸沿岸は、豊富なエサがあり、海水温が低く、カニにとって最適な環境です。

・ふくいサーモン
福井の海は海水温が低く、トラウトサーモンの養殖に適した環境であったことから、その環境を活かしたトラウトサーモン養殖を平成26年から始め、「ふくいサーモン」が生まれました。サーモン特有の臭みがなく、上品な脂のノリと、もっちりとした肉質が特徴です。

・若狭ぐじ
若狭湾で獲れるアマダイを「若狭ぐじ」と呼び、昔から若狭ぐじは和の最高級食材のひとつとして知られています。淡白な中にも味わいがあり、水分が多くて身肉が柔らかいですが、身離れしやすいため、刺身には不向きです。

・若狭ふぐ
日本最北の海上でのトラフグ養殖生産地である若狭湾で育てられた、最高級のトラフグです。雪どけ水のおかげで、他の地域に比べて海水温が低い期間が長く、冬場でも比較的穏やかな波の場所で養殖された若狭ふぐは、きゅっと身が締まり、旨みが蓄えられています。

福井県の郷土料理を紹介

福井県の郷土料理の中から代表的なものを以下にご紹介いたします。

魚のぬか漬け「へしこ」

へしことは、魚のぬか漬けのことで、若狭地方や越前海岸沿岸の伝統料理です。春の魚が獲れる時に作ります。
魚の内臓をとりだして塩漬けし、さらに糠漬けすることで、腐らせずに長期保存できる点がメリットです。

秋の終わり頃に取り出して、冬に食べる、貴重なタンパク源でした。イワシやイカ、フグなどでも作ることができますが、サバが使われることが最も多いです。

今では一般家庭で作られることは減りましたが、特産品やお土産物として親しまれています。

歴史深い「ぼっかけ」

福井県で100年以上前から食べられている郷土料理で、根菜や糸こんにゃく、厚揚げなど、具だくさんの熱い汁を、炊き立てのご飯にかけて食べる料理です。

「ぼっかけ」とは、「追いかける」という意味の福井の方言で、帰るお客様をわざわざ追いかけてまで食べさせた、ということから、「ぼっかけご飯」という名前になったという説があります。

神戸のソウルフードにも同じく「ぼっかけ」というものがありますが、こちらは牛すじ肉とコンニャクを出汁で甘辛く煮込んだ料理になりますので、名前は同じですが全く別物です。

福井の伝統菓子「とびつき団子」

昔はお盆のお供えとして、家庭で作られていた伝統菓子です。

表面にササゲという豆が飛びついたようにくっついていることから、この名前がついたという説と、あまりにも美味しい為に子供がとびつくように食べてしまうという説があります。

ササゲは、見た目は小豆に似ていますが、ササゲの実に元々甘みがあるので、それをいかすために、湯で煮たあとに砂糖水に浸けるという調理をします。

福井発の水ようかん「でっち羊羹」

福井県では、水ようかんを、冬に食べる風習があります。

大正・昭和の丁稚奉公の時代に、奉公に来ている丁稚が里帰りする際に持たせてもらった羊羹を、近所に配るために水で伸ばしてつくり直したため、水羊羹状になり、通常の羊羹よりも糖度が低い水羊羹でも腐らない冬に食べられるようになったという説があるそうです。

京都や岐阜、滋賀といった、近畿圏の丁稚奉公先でも羊羹を冬に食べる習慣があるので、当時の名残ともいえます。

まとめ

越前の緑豊かな山々と、若狭の美しい水に恵まれた土地である福井県では、水産物だけでなく米などの農産物も豊富に作られています。
畜産物は、水産物に比べると有名なものは少ないですが、歴史ある若狭牛や、新ブランドの福地鶏なども生み出されています。
福井県には、歴史を感じられるような、昔から親しまれている郷土料理も数多く存在しています。

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