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岐阜県の郷土料理について解説 特産品も合わせて紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/02
更新日:2022/12/20
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目次

日本のほぼ中央に位置している岐阜県は、北部は、御嶽山、乗鞍岳、奥穂高岳などの、標高3000メートルを超える山々が連なり、南部は濃尾平野に木曽三川が流れ、豊かな自然に恵まれています。古くから「飛騨の山、美濃の水」という意味で「飛山濃水」の地と呼ばれてきました。

この記事では、自然豊かな岐阜県の農産物や、郷土料理について解説します。

岐阜県の生産高が高い農産物を紹介

岐阜県の生産高が高い農産物を紹介いたします。

岐阜県の農産物について解説

岐阜県は、海抜0mの平坦な地域から3000mを超える山岳地まであり、地形や地域の特性に応じた農業が行われ、年間を通して多種多様な作物が栽培できます。

野菜は、きくらげ、モロヘイヤ、ホウレンソウ、トマトなど、果物は柿、栗、パッションフルーツ、ブラックベリー、もも、りんご、イチゴなど、豊富に栽培されています。

特に、岐阜県のイチゴはオリジナル品種も多く栽培されています。香りが強く柔らかな果肉が特徴の「濃姫」や、ツヤのある赤色と歯ごたえのある食感の「美濃娘」、大粒で果汁たっぷりの「華がかり」の3品種が岐阜県のオリジナル品種です。また、「天下富舞」というオリジナル品種の柿の開発にも成功しています。天下富舞は平均20度以上という非常に高い糖度と、歯触りの良い食感が特徴です。

岐阜県の米生産について解説

コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれのように、全国的にも有名な品種だけではなく、ハツシモ、ひだほまれ、あさひの夢、みつひかりといった品種も作付(さくつけ)されています。

中でも、ハツシモは昭和25年に岐阜県の奨励品種となっており、栽培が拡大したことで、岐阜県内ではハツシモは作付面積が一番多い品種となっています。しかし、他の県ではほとんど生産されていないことから、「幻の米」と評されることもあるそうです。

他にも、「たかやまもち」という岐阜県が育成したオリジナル品種が、飛騨地域を中心に栽培されています。

岐阜県で有名な畜産物は?

岐阜県では、飛騨牛というブランド牛が非常に有名です。
飛騨地方は、夏は涼しく、冬は寒さが厳しく、豊かな緑と美しい水が存在し、牛を飼うのに適した条件と環境が揃っています。

岐阜県内で14か月以上肥育され非常に厳しい条件をクリアしなければ「飛騨牛」を名乗ることはできず、クリアできなかった牛は「飛騨和牛」という名で流通します。全国和牛能力共進会では肉質日本一に選ばれたこともある、全国有数のブランド牛といえます。

岐阜県の水産物について解説

山に囲まれた岐阜県には海がなく、水産物は川で獲れるものになります。

日本三大清流のひとつ長良川の鮎が有名です。1300年の歴史を誇る「鵜飼」は多くの人を魅了する観光イベントとして残っており、御料鵜飼で獲れた鮎は皇室や伊勢神宮へ奉納されています。

岐阜県の郷土料理を紹介

岐阜県の郷土料理を紹介いたします。

庶民の知恵が詰まった米粉のお菓子「からすみ」

一般的にからすみといえば、ボラの卵を漬けこんだ珍味のことをさしますが、岐阜県では米粉に砂糖や黒糖、よもぎ、くるみなどを練りこんで蒸したお菓子をからすみといいます。

切り口が「富士山」のような形をいるものが多いですが、3つになっているものもあります。桃の節句のお供えや日常のお菓子として親しまれており、味わいは「ういろう」に似たもっちりとした食感です。

江戸時代、珍味のからすみは子宝の象徴として縁起物とされていましたが、岐阜県は海から遠く、庶民にとってからすみは、簡単には手の届かない高級品でした。そこで、せめて似たものをお供えしようという考えから岐阜県のからすみが作られたそうです。

朴葉香る「朴葉味噌(ほおばみそ)」

味噌を朴葉(ほおば)にのせて、ネギなどの薬味と、きのこなどを混ぜて焼いて食べる飛騨高山の郷土料理です。
朴葉には抗菌作用があって、包むと食べ物が日持ちし、良いかおりが移ることで美味しくなります。

林業が盛んだった飛騨地域で、山仕事をする人たちが、山で朴葉をお皿の代わりしたことが始まりといわれています。その後は一般家庭にも普及し、ご飯のお供やお酒の肴になっています。

タンパク質豊富なハチの幼虫を使った 「へぼ飯」

「へぼ」と呼ばれるクロスズメバチの幼虫を使って作られる、恵那市周辺地域の郷土料理です。
クロスズメバチの巣から取れる幼虫と成虫を乾煎りしたものを、醤油、酒、みりんなどの調味料で煮て作った「へぼの佃煮」をご飯に混ぜこんで作ります。

昔は、海のないこの地域で、へぼが高タンパク・高カロリーである貴重なタンパク源として住民の健康促進やお客さんへのご馳走として振る舞われたそうです。

観桜客にも人気「五平餅」

半分ほど、つぶつぶが残る位に潰したご飯を、わらじ型や団子型、きりたんぽ型など、地域によって様々な形に成形して串に刺し、味噌や醤油などが入ったタレを塗って、炭火などで炙って作る料理です。

昔は秋の新米で五平餅を作り、神様にお供えされていました。現在では、地元の人だけでなく、観光客も気軽に食べられる郷土料理として、おもに行楽地などで販売されています。隠し味に落花生やクロスズメバチの幼虫「へぼ」を使う地域もあります。

サトイモと米を用いた「いももち」

いももちは北海道や高知県などでも郷土料理として名前があげられますが、岐阜県のいももちは、サトイモと米を使うのが特徴です。
里芋とお米を一緒に炊いて、炊きあがったものをよく潰してから丸めたものを、できたてであればそのままか、焼いてから生姜醤油などで食べます。
もち米が貴重だった時代に、粘りを付けるためにサトイモを使ったことが発祥とされているそうです。

まとめ

岐阜県は、海抜0mの平坦な地域から3000mを超える山岳地まであり、地形や地域の特性に応じた農業が行われ、年間を通して多種多様な作物が栽培されています。「濃姫」や、「美濃娘」、「華がかり」という3品種のオリジナル品種のイチゴや、「天下富舞」というオリジナル品種の柿の開発にも成功しています。海のない地域ではありますが、豊かな山と川で育まれた豊富な農産物や畜産物があり、独自に発展した様々な郷土料理も楽しむことができます。

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