インジェクション加工とは メリットや調理する際の注意点も合わせて解説
目次
食用の肉には様々な種類があり、国産、外国産、部位の分類だけではなく、加工肉という分類もあります。
インジェクション加工肉も加工肉のひとつです。
食べ慣れたお肉ではないので、美味しくないのではないかというイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、インジェクション加工肉は肉の繊維が細かく脂が乗っていて、好みにもよりますが、美味しく感じる人も多いです。
何よりも安価なこともメリットのひとつです。
この記事では、インジェクション加工肉について、理解が深まるよう、わかりやすく解説いたします。
インジェクション加工とは 概要を解説
インジェクションとは注入や噴射という意味を持つ単語で、肉の加工方法においては、「脂肪注入加工」を意味します。
インジェクション加工肉は、低価格で高級和牛のような味を楽しむことができる加工肉です。
赤身肉に、脂を注入してサシを入れることで、外国産の硬めの安価な肉でもA5ランク並みの肉の脂を感じることができます。
インジェクション加工の最大の特徴は、人工の霜降りを作ることができる点であるといえます。
肉質も柔らかく、美味しく感じやすいなどのメリットは多いのですが、傷みやすいのが弱点です。
自然の肉ではなく、人工的に加工した肉なので、加工の工程で細菌が入ったり、空気に触れる時間が多く、劣化が進みやすいのです。
ステーキもインジェクション加工をして作ることができるので、安価で高級肉さながらのステーキをレストランで提供することが可能です。このことから、安価が売りのレストランやステーキチェーン店などでは重宝されています。
ただ、加工肉であることを明記することを義務付けられているので、あくまでも肉の切り身とは別の扱いとなります。
その他の肉の加工方法を紹介
肉の加工方法には、インジェクション加工の他に様々な方法があります。
代表的な、テンダライズやミキシング、漬け込み、タレかけについて、簡単に紹介いたします。
「テンダライズ」を解説
テンダライズとは、針状の細かい刃などで肉の筋肉や繊維を切断する肉の加工方法のことです。
固い肉の筋などが細かく切断されることによって、非常に柔らかい肉質になることが特徴な加工方法です。処理の表記はインジェクション加工と同じく必要となります。
加工処理中は、空気に触れる機会も多いので、食中毒を起こさないように十分に加熱して食べることが重要です。
「ミキシング」について紹介
調味量を加えた肉を大きな専用機械に入れて揉みほぐす加工方法に、ミキシングというものがあります。
インジェクション加工肉と同じく、加工済みであることの表記が必要です。
「漬け込み」について解説
調味液を漬け込む方法としては、漬け込みと呼ばれる加工方法もあります。
肉の塊を調味液に漬けて味を染み込ませるのが特徴です。
漬け込みも他の加工肉と同じく表記が必要です。
また、消費者の立場からは、加工肉の外見からは、加工されたことがわかりづらいものもあります。
調味液の成分表示はよく見た上で購入した方が良いでしょう。
その他にも、肉の塊やひき肉を容器に詰めて、凍結成形し一定の厚みに切るポーションカットや肉を容器包装に入れた後に調味液を加えるタレかけなど、肉の加工処理の方法は多々あります。
インジェクション加工肉と成形肉の違いについて解説
インジェクション加工肉について解説させていただきましたが、インジェクション加工肉と、成形肉の違いは分かりづらいかもしれません。
その違いについてわかりやすく解説いたします。
インジェクション加工は、肉自体を成形し、他の物と結着する方法ではなく、肉に直接脂を注入する加工方法です。
例えば霜降りの少ない外国産のお肉に、和牛の脂を注入するなど、いわばお肉の脂身アップ法です。
柔らかい加工肉は繊維質を感じにくいため、食べやすく、甘味も感じられるため好みの人であれば、満足感を感じやすい加工肉といえるでしょう。安価で提供できるため、レストランなどで使われる機会も多いです。
対して、成形肉とは、肉に酵素添加物や植物タンパクなどを加えて人工的に結着、加工した物のことを意味します。
圧着肉、結着肉とも呼ばれ、軟化剤によりお肉を柔らかくして、加工しやすくした上で、成形されています。
成形肉に使われる肉は、くず肉や内臓の肉などそのままでは肉としては売れないものが多いのが特徴です。
成形肉はおもに、くず肉と軟化剤と結着剤により生成されます。
サイコロステーキやコンビーフに使われることが多く、安価で簡単に食べやすいものが多数です。肉の種類というよりもウインナーなどのイメージに近いかもしれません。
とくに、食品添加物が多く入っているため、成分表はよく確認して理解した上で食べましょう。
インジェクション加工肉の気をつけるべきポイントを紹介
安くて美味しいインジェクション加工肉ですが、いくつか気をつけるポイントがあります。以下にご紹介いたします。
・アレルギー
合成肉全てに関わることですが、肉を成形するために卵や牛乳を使う場合があります。
卵や牛乳など使う原材料によって、アレルギー反応を起こしてしまう危険性があり、注意が必要です。
卵や牛乳だけではなく食品添加物として、小麦や大豆成分が含まれていることもあります。
購入する際は、成分やアレルギー表示をよく確認することが大事です。
・加熱必要
インジェクション加工肉ではレアで提供することが禁じられています。
衛生環境がよかったとしても、空気に触れやすく菌が増殖しやすいので、食中毒を起こす危険性が他の肉と比べて高いです。
食中毒を引き起こす菌は一般的に75℃で1分間の加熱をすると死滅するといわれています。
加工の工程で内部に菌が入りやすいので、菌を死滅させるために、よく焼く必要があるでしょう。
・表示が必要
インジェクション加工肉に限らず、加工肉は加工肉であることがわかる表記が必要です。
レストランでビーフステーキを提供する場合も、加工肉を使用している場合は牛の成形肉や牛脂注入加工肉を利用していることを表記することが義務づけられています。違法表示がされた場合、行政から処分の対象とされます。
まとめ
インジェクションとは注入や噴射という意味の言葉を持ち、肉の加工方法でいえば「脂肪注入加工」という意味です。
赤身肉に脂を注入して、サシを入れる加工方法でA5並の脂を入れることもできます。
低価格で柔らかく甘味のあるお肉を食べることができるので、好みであれば、利点は大きいです。
注意点としては、よく成分を確認してアレルギー反応に注意することや、よく熱して食べることで食中毒に気をつけることがあげられます。
切り身の肉との違いをよく理解した上で、インジェクション加工肉を食べるのは食生活を豊かにできるひとつの方法だといえます。
また、肉だけに限りませんが、表記や成分をよく確認し理解した上で食べるということは、自分や家族を守る上でとても大切です。
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