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フィジークとは 競技概要やボディビルとの違い、食事法についても合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/26
更新日:2022/12/20
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目次

日本ではまだ知名度の低い、「フィジーク」というボディコンテストが存在します。
海外では、男女ともにフィジークのプロ選手も多く存在するほど、世界的に人気のある競技の一つです。

本記事では、フィジークとは何なのか、ボディビルとの違い、フィジークでの食事制限について、それぞれ解説いたします。
記事を通して、まだ日本では有名ではないフィジークという競技自体に対しての知識や、美しく見える肉体づくりのための食事内容などについて理解を深めていただければ幸いです。

フィジークとは?

フィジークとは、日々のトレーニングや食事などにより自身の体を作り、最も肉体を美しく見せることができるポージング、髪型、パンツなどにより、鍛えた体の美しさを競う競技です。

ただひたすら筋肉をつけ、体格をよくすればよいというわけではなく、背中が広くウエストは細い、上半身のシルエットが綺麗な逆三角形であることのような「誰もが憧れる体型」という審査基準に向けて、体を作っていくことになります。

過度な筋肉は反対に減点となってしまう点や、美しい筋肉のつき方だけではなく、筋肉を美しく見せるためのポージング、髪型やパンツのデザインまでもが審査の対象に入る点なども、フィジークならではの特徴です。

ボディビルとの違い

もっとも大きな違いとしてあげられるのが、ボディビルは全身の筋肉総量の評価となり、フィジークは上半身の筋肉バランスの評価となる点です。

前述した通り、フィジークでは過度な筋肉は減点の対象となります。

フィジークは上半身の筋肉バランスを競う競技であるため、下半身は採点の対象にならないことから、ウエストより下を鍛える選手は少ないです。
対して、ボディビルは全身の筋肉の総量を競う競技であるため、全身のあらゆる筋肉の筋肉量を最大化することを目指します。

同じボディコンテストといえども、フィジーカーとボディビルダーには、選手の見た目に大きな違いが生じます。

フィジークでの食事制限について解説

フィジーク選手の食事制限の流れとして、以下のようなプロセスを踏むことが一般的です。

  • 増量期(オフシーズン):筋肉をつけることが最優先
  • 減量期        段階的に脂肪を落とし、大会へ向けて引き締める
  • 増量期        :大会後、減量期によって落ちてしまった筋肉を取り戻す


一方、「筋肉をつけたいから極端にカロリーを取ればよい」「脂肪を落としたいから脂質を絶てばよい」ということはありません。

体のおもなエネルギー源となる三大栄養素である、タンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の3つをバランス良く摂取することが、効率よく筋肉をつけるための理想の食生活です。これを「PFCバランス」と呼びます。

筋肉量を維持したまま、健康的なトレーニングやダイエットを行うためには、自分に必要な摂取カロリーとPFCバランスを把握し、食事のコントロールを行うことが最重要ポイントであるといえます。

以下に、三大栄養素について詳しく解説いたします。

・タンパク質

タンパク質は人体の15~20%を占める要素であり、水分が60%を占める人体において、タンパク質は水分に次ぐ、人体の主成分です。筋肉をつけることとその維持において重要な要素になるため、これが欠けることで筋肉量の減少、免疫力の低下につながる、欠かすことのできない成分です。筋肉トレーニング中に使用するサプリメントで、もっとも有名なプロテインはこのタンパク質にあたり、食材では肉、魚、卵や大豆類などに多く含まれます。

・脂質

脂質は大きな特徴である”カロリーが高い”点から敬遠されがちな成分ですが、おもに体のエネルギー源となる、人体において必要不可欠な成分のひとつです。体内に蓄えられた脂肪が分解されることで、生命活動のエネルギーとなる仕組みですが、皮下脂肪による臓器の保護、体温の調節など、脂質には様々な役割があります。多く含まれる食品として、植物性の油脂類、バター、乳製品、ナッツ類があげられます。

・炭水化物

炭水化物とはおもに糖質のことを指し、タンパク質や脂質に比べて消化吸収が早く、効率よくスムーズにエネルギー源となるのが特徴です。近年、「糖質オフ」という言葉もよく聞くことから、脂質と同様、敬遠されがちですが、炭水化物が不足することで、エネルギー不足により体が疲れやすくなったり、脳の働きが低下したりとマイナスな効果があるほか、タンパク質と一緒に摂取することでタンパク質の吸収効率を上げて体を引き締めるプラス効果もあるため、摂取すべき成分のひとつであるといえます。糖質制限はダイエットの定番といえるほど有名ですが、人体はエネルギーが不足すると筋肉の主成分であるタンパク質を分解し、不足分のエネルギーを生み出そうとする働きがあるため、過度な糖質制限には注意が必要です。多く含まれる食品として、米やパンなどの穀物類、イモ類によるでんぷん質などがあげられます。

増量期とは?

フィジークにおける増量期とは、筋肉をつけることを最優先に考えて食事制限やトレーニングを行う期間をさします。
「できるだけ脂肪をつけずに筋肉を増やす」ことが理想であり、これにはバランスの良い食事とトレーニングが必須です。

増量期に入るタイミングとしては、そもそも筋肉が少なくこれからボディメイクを始める方や、すでにトレーニングを行っており、体脂肪が落ちにくくなってきたような、可能な限り減量を行った方などが該当します。

食事の内容を考える際に注目すべきポイントは以下の点です。

  • タンパク質と脂質は、筋肉量に応じて必要な分を摂取する
  • 低GI値の食材を選び、食事の回数を増やすことで血糖値の急上昇を防ぎつつ、必要な栄養素を摂取する


増量期におすすめの食材

・とり胸肉

筋肉トレーニングを行う上で、もっとも有名な食材がとり胸肉です。
理由として、筋肉の元となるたんぱく質が豊富、かつ、脂肪の元となるカロリーと脂質が低い点にあります。
また、とり胸肉には疲労の回復に効果のある抗酸化作用や、脂質の代謝、体内のエネルギーを生み出す効果を期待することができるほか、なにかとお金のかかる食事制限のなかでも比較的安価で手に入れることができる点も大きな魅力です。


・玄米、雑穀

白米やパンなどの主食は、食生活の中で欠かすことができない部分があるものです。
GI値が高い食材の代表であるため、普段の主食を玄米や雑穀類のようなGI値の低いものに置き換えることで、食事をする際の血糖値の急上昇を防ぎ、過度な糖質の吸収を防ぐことができます。
また、一度の食事量を減らし、食事の回数自体を増やすことで、さらに血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。

・ナッツ類

ピーナッツやアーモンド、クルミなどのナッツ類は、血糖値が急上昇しにくい低GI値食品であることに加え、多く含まれる不飽和脂肪酸には、体内の血圧やコレステロールを低下させるなど、体にとって良い効果を与える栄養素です。
コンビニやスーパーなど、身近な場所で手に入ることも魅力ですが、素焼きのものでないと塩分が含まれている点、ナッツ類自体のカロリーが高い点、の二点には注意が必要であるといえます。

減量期とは?

フィジークにおける減量期とは、増量期によって得た筋肉は維持しつつ、余分な脂肪や体重を落としていく期間をさします。

過度な糖質制限をしてしまうことで、体内のエネルギーが不足し、トレーニングの効率も下がってしまうことから、減量期での食事のポイントは、自身にとって必要なPFCバランスを意識した食事を摂ることです。

糖質は控えるべきではあるものの、「エネルギーを必要とするトレーニング前、筋肉が回復を図るトレーニング後など、タイミングを考えて摂取する」などの工夫が必要でしょう。

減量期におすすめの食材

・とりささみ

とり胸肉と並んで、トレーニングに適している食材として有名ですが、ささみは胸肉同様、高タンパク、低カロリーなことに加え、脂質は胸肉よりもさらに低くなります。
疲労回復効果の抗酸化作用、糖質の分解や脂質の代謝にも効果があることから、より減量期に合った食材といえるでしょう。

・蕎麦

蕎麦は高タンパク、高食物繊維でありながら低脂質という、理想的な食材のひとつです。
カロリーはそこまで低くはないため、トレーニングに必要なエネルギーは摂取しつつ、食事をするとどうしても摂取量が増えがちな脂質を抑えることができます。
当たり前ですが、トッピングに油ものをつけてしまうのでは意味がないため、食物繊維が豊富な海藻類やビタミン豊富な納豆などにとどめましょう。

・ブロッコリー

意外かもしれませんが、ブロッコリーは野菜の中でも屈指の高タンパク質食材です。
前項目であげたとり胸肉やささみ、卵などとも調理の相性が良く、脂肪燃焼や筋肉を作る働きを促すビタミンB群も豊富に含まれています。
ポイントとして、ビタミンの多くが水溶性であることから、茹でるのではなく、蒸すか、電子レンジでの加熱をすることで、栄養素を逃さず摂取することが可能です。

まとめ

フィジークとは、日々のトレーニングや食事などにより自身の体を作り、最も肉体を美しく見せることができるポージング、髪型、パンツなどにより、鍛えた体の美しさを競う競技です。
全身の筋肉総量が評価の対象となるボディビルに対し、フィジークは上半身の筋肉バランスの評価となり、髪型やパンツ、ポージングなども込みで、誰しもが憧れる自然な筋肉美を競う点が特徴といえます。
日々のトレーニングに加え、PFCバランスを意識した食事制限が必要で、「できるだけ脂肪を付けずに筋肉を増やすための増量期」「つけた筋肉をできるだけ落とさず余分な脂肪のみを落とすための減量期」の2つのポイントを抑えることが重要です。

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