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糖質摂取量の目安とは 体への影響や食事例も合わせて紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/18
更新日:2022/11/30

目次

昨今では「糖質制限ダイエット」という言葉がよく聞かれ、スーパーに行くと「糖質フリー」、「糖質カット」をうたった商品が数多く並んでいます。
しかし、「糖質って何?」と聞かれてきちんと答えられる人は、実はあまり多くないかと思います。
この記事では、そもそも糖質とは何かということや、一日の糖質摂取目安量、糖質の摂り過ぎや不足で起こる体への悪影響などについて解説します。
この記事を読み、知っているようで意外と知らない糖質について、正しい知識を身につけましょう。

一日の糖質摂取量目安とは

糖質を一日にどのくらい摂取したらよいかという明確な量は定められていませんが、厚生労働省は、一日のトータル摂取カロリーの50~65%を炭水化物にすることを推奨しています。
炭水化物は糖質と食物繊維から成っており、食物繊維にはカロリーがほとんどありません。そのため、炭水化物のカロリーと糖質のカロリーはほぼイコールと考えて問題ありません。

一日に必要なカロリーは、年齢や性別、個々人の活動量などによって大きく異なります。
例えば、平均的な身体活動レベルの成人男性だと、一日に必要なカロリーは2400~3000キロカロリー、成人女性では、2000~2400キロカロリーです。
ここに50~65%という数値を当てはめると、平均的な身体活動レベルの成人男性が一日に摂るべき糖質のカロリー量は1200~1950キロカロリー、成人女性では1000~1560キロカロリーということになります。

糖質とは

糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたもののことを指します。
炭水化物は、ご飯やパン、麺類などの主食に多く含まれる成分で、その構成要素は糖質と食物繊維です。

糖質は、体内に入ると消化酵素によって素早くブドウ糖などに分解され、体内に吸収されます。
ブドウ糖は、体や脳の重要なエネルギー源です。
糖質は、ブドウ糖の供給源として非常に重要な役割を果たしているのです。

糖質と混同しやすいものとして、糖類と糖分があげられます。
それぞれの違いを解説すると、糖類とは、ブドウ糖や果糖などの単糖類、ショ糖や乳糖などの二糖類、ソルビトールなどの糖アルコールの総称です。
糖質が体内の消化酵素によって分解されるとブドウ糖などの糖類になるので、糖質が体内で分解されたものが糖類だといえます。
砂糖やオリゴ糖など、体内の分解を経ることなく、はじめから糖類として存在している食品もあります。
一方、糖分は、糖類や糖質と同義で使われることもありますが、明確な定義はなく、一般的には単に「甘いもの」という意味で使われる場合が多いようです。

一日の摂取量の目安

計算方法

一日に摂るべき糖類摂取量の目安は、以下の計算式で出すことができます。

標準体重×活動レベル×0.6÷4

※標準体重:身長(m)×身長(m)×22
なお、「活動レベル」は、以下の3種類から自分に最も近いものを選びます。
・活動レベル・軽い(25~30):座っていることが多く、活動量が少ない
・活動レベル・普通(30~35):通勤や家事などで、歩いたり立ったりといった軽い運動を日常的に行っている
・活動レベル・重い(35~):歩いたり走ったりする時間が長く、運動量が多い

例えば、身長が160㎝、活動レベルが「普通」の人の一日の糖類摂取量を計算してみましょう。
まず標準体重を計算します。
1.6×1.6×22=56.32
標準体重は約56㎏と出ましたので、これを上記の計算式に当てはめると、
56×30×0.6÷4=252
身長が160㎝で活動レベルが「普通」の場合、一日の糖類摂取量は約250キロカロリーということになります。
参考:https://vitabrid.co.jp/columns/healthcare/carbintake-2108/

摂り過ぎで起こる体への影響

糖質の摂り過ぎは、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
糖質は体や脳にとって重要なエネルギー源です。しかし、過剰に摂取した場合は、エネルギーとして消費されずに体に脂肪として蓄積され、それが肥満につながってしまいます。
また、糖質の過剰摂取によって糖尿病を発症するプロセスは、以下に示すように少し複雑です。
一度に糖質をたくさん摂ると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが体内で分泌されます。血糖値を下げる働きをするインスリンは、細胞が血液中のブドウ糖を取り込んでエネルギーに変えるのを促進させ、余分なブドウ糖は脂肪に変えるのを促します。そのため、過剰に糖質を摂ることでインスリンの分泌量が増えると、結果的に太りやすくなってしまうのです。さらに、体に脂肪が蓄積されるとインスリンの働きが鈍るため、肥満になるとますます多くのインスリンが必要になります。インスリンを多量に分泌する状態が続くと、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかり、ついには必要量を分泌できなくなってしまうのです。そしてインスリンの量が不足することで血糖値を下げることができず、高血糖と呼ばれる状態が続きます。これが糖質の過剰摂取から糖尿病に至るプロセスです。

不足して起こる影響

反対に糖質が不足した場合も、体にはさまざまな悪影響が生じます。
脂質やたんぱく質に比べ、糖質は摂取後すぐにエネルギーに変わることが大きな特徴です。そのため、糖質が不足すると、エネルギーが足りずに疲れやすくなったり集中力が低くなったりすることがあります。さらに、極端な不足は、めまいや頭痛などを引き起こす危険性もあるため、注意する必要があるのです。
また、糖質が少なくなると体は筋肉を分解して補おうとするため、筋肉の量が減ってしまうというリスクもあります。
さらに、糖質制限の副作用として、便秘、頭痛、口臭などが起こりやすいという海外の研究データも報告されています。

糖質をコントロールするには

このように、極端な糖質制限にはさまざまなリスクが伴うため、健康的なダイエットのためには、ゆるやかに糖質を抑える「糖質コントロール」が適しています。
糖質コントロールの基本は、「3食をきちんと食べながら、糖質の摂取量を適量に減らす」ということです。白米やパン、麺類などの主食の量は控えめにし、肉、魚、卵などの高たんぱく食品を積極的に摂るようにします。
糖質をコントロールすると炭水化物を抑えることになり、結果的に炭水化物に含まれる食物繊維が不足しがちになります。食物繊維不足を防ぐためには、きのこ類や海藻類を積極的に摂るといいでしょう。
ご飯やパン、麺類などの精製された白い炭水化物は控えめにすべきですが、雑穀米や玄米、ライ麦パンなどの精製されていない茶色の炭水化物であれば糖質量を抑えやすいため、糖質コントロール中には積極的に取り入れることをおすすめします。

一日の食事例

朝食

糖質28g:具だくさんパワーサラダ、オレンジココアスムージー
起き抜けの体は、一日に備えて血糖値を上げようとします。そのため、朝こそは糖質を控え、たんぱく質と脂質を充実させることが重要です。
また、朝食を抜いて昼食を食べると血糖値が急上昇するので、朝食抜きは禁物です。
サラダチキンやゆで卵、大豆などがたっぷり入ったパワーサラダでしっかりたんぱく質を摂りましょう。

昼食

糖質38g:豚の薄切り肉とチーズのカツレツ、ごはん70g、蒸し野菜、ピーマンツナ炒め、豆腐
ごはんの量は普通量の約半分の70グラム程度に抑えますが、その分、おかずは肉と野菜をバランスよく取り入れ、しっかり食べましょう。

夕食

糖質39g:牛ステーキ、小盛りカルボナーラ、ワカメとトマトのサラダ、赤ワイン
糖質量が極めて低いステーキは、糖質コントロールには最適です。
また、カルボナーラの材料である卵や生クリーム、チーズなどは糖質が低いため、パスタの中でカルボナーラは実はおすすめなのです。
赤ワインは100ccで糖質1.5gなので、適量ならお酒も楽しめます。

まとめ

糖質とは、人の体や脳にとって欠かせない重要なエネルギー源です。
糖質を過剰に摂り過ぎることは肥満や糖尿病などのリスクを招きますが、逆に極端に糖質を抑えることも、集中力の低下やめまいなど、さまざまな不調を引き起こします。
一日に摂るべき糖質の量は、個々人の体格や活動量によって変動するので、自分の適量はどのくらいかを日頃から把握しておくとよいでしょう。
ダイエット目的で糖質を抑えたい場合には、ゆるやかで無理のない糖質コントロールがおすすめです。

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