Hero Image

食生活アドバイザーとはなにか 資格取得と費用についての解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/08/04
更新日:2022/11/29

目次

今、食に対する関心が高まっています。
2005年には「食育基本法」が施行され、食育(食に関する正しい知識と適切な食習慣を身につけること)は「生きる上での基本」と位置づけられました。
食をさまざまな視点から捉え、適切な食生活について助言できる人材が食生活アドバイザーです。
この記事では、食生活アドバイザーという資格に的を絞り、食生活アドバイザーとはどのような資格か、資格取得の方法について解説します。この記事を通して、食生活アドバイザーについて知ることができます。

資格の目的・概要

どんな資格か、得られる知識など

食生活アドバイザーの主催団体であるFLAネットワーク協会によると、食生活アドバイザーとは、食べることを生活に根差した広い視野でとらえ、健康的な生活を送るための助言ができる"食生活全般のスペシャリスト"のことです。
「食生活全般」とうたっていることもあり、食生活アドバイザーの資格取得に際しては、下記のように非常に広範囲の事柄を学びます。

  • 栄養素の働き
  • 病気と食事の関わり
  • 食文化と食習慣
  • 調理のコツや献立の工夫
  • 行事と料理
  • テーブルマナー
  • 食品の分類法
  • 生鮮食品・加工食品の表示、アレルギー表示、栄養表示の見方
  • 食品の衛生管理の具体的方法
  • 「食」にまつわる税金や法律
  • 食マーケット

さらに、食に関連したトピックにとどまらず、

  • 食以外の生活全般の見直し
  • 心身の健康管理
  • 情報を的確に取捨選択し、発信する方法

などの項目もあり、資格取得のための学習を通じて、健康的な生活を送るためのさまざまなヒントを得ることができます。
なお、食生活アドバイザーの資格には、2級と3級があります。
3級は消費者の立場から食生活を見直すことに主眼が置かれますが、2級では、食を提供する立場からの視点も要求されます。

資格の区分や主催団体について

食生活アドバイザーは一般社団法人FLAネットワーク協会が主催する民間資格で、1999年から始まりました。
主催団体のFLAネットワーク協会は、「食」と「生活」にかかわるさまざまな事業を展開しており、食生活アドバイザーの他に野菜スペシャリストの資格も発行しています。
参考:食と生活に関する資格なら食生活アドバイザー®|FLAネットワーク協会 (flanet.jp)

資格取得の方法

食生活アドバイザーの資格を取得するためには、検定試験に合格する必要があります。受験資格はないため、年齢や学歴を問わず誰でも受験可能です。
検定試験は毎年2回、全国14都市で実施されます。試験日は、毎年6月の最終日曜日と11月の第4日曜日です。
食生活アドバイザーの資格には2級と3級がありますが、3級を受けずに2級から挑戦することもできます。また、2級と3級の試験を1日で受けることも可能です。
3級試験は、マークシート方式で50問出題されます。一方、2級試験では、マークシート方式で42問、記述式で13問の出題です。どちらも、正答率60%以上で合格となります。
平均合格率は、3級が65%、2級が40%となっています。食生活アドバイザーの試験範囲は、以下の6分野です。

  • 栄養と健康:栄養や病気予防、ダイエットなど
  • 食文化と食習慣:食事のマナーや配膳、行事食など
  • 食品学:食品添加物や食品表示、アレルギー表示など
  • 衛生管理:食品衛生や食中毒対策、食品の安全性など
  • 食マーケット:食品販売、流通、メニュー作りなど
  • 社会生活:消費者問題、関連法規など

2級・3級ともに出題範囲は共通しています。
3級が消費者や生活者の視点を想定したレベルで出題されるのに対し、2級は食を提供する立場を想定したレベルでの出題であることが大きな違いです。
資格取得のための勉強方法としては、さまざまな対策テキストや問題集が市販されていますので、独学することが可能です。
あるいは、以下に挙げたように複数の試験対策講座がありますので、効率的に学びたい場合は受講を検討してもよいでしょう。
参考:
ユーキャン 食生活アドバイザー講座
JMAM 食生活アドバイザー2級合格対策速習コース
産業能率大学通信研修 食生活アドバイザー(R)3・2級
食生活アドバイザー合格講座

資格取得の費用

食生活アドバイザーの検定試験の受験料は、以下のとおりです(全て税込み)。

  • 3級:5,000円
  • 2級:7,500円
  • 3級・2級併願:12,500円

これ以外に、独学する場合にはテキスト代、試験対策講座を受講する場合にはさらに受講料がかかります。
参考:食生活アドバイザー 試験概要

資格取得後、どのように活かせるか

飲食業界で働く人が食生活アドバイザーの資格取得を目指す場合は、2級を取得するのがよいでしょう。前述したように、食を提供する人を対象としているのは2級であるためです。
もし調理師や管理栄養士などの資格を既に持っているのであれば、プラスアルファの資格として食生活アドバイザー2級を取得すると、さらに仕事の幅が広がるでしょう。
飲食業界で働く人であれば、仕事のさまざまな場面において食生活アドバイザー2級の知識を生かせるでしょう。
例えば、メニュー計画を立てる際、食育やダイエットに配慮したメニュー、季節にちなんだメニュー、トレンドを取り入れたメニューなど、考案する際の切り口が大きく広がります。メニュー提案の際に学んだ知識を盛り込めば、より説得力のあるプレゼンができるでしょう。また、食中毒やアレルギーなど、食を扱う人にとって必須の知識が身につくのも大きなメリットです。長く同じ業界にいると、どうしても視野が狭くなりがちです。食生活アドバイザーの資格を身につけることで、幅広い観点から食について捉え直すことができますので、新鮮な気持ちで仕事に取り組めるでしょう。

まとめ

食生活アドバイザーとは、広い観点から食生活に関する提案を行うスペシャリストのことです。一般社団法人FLAネットワーク協会が主催する民間資格で、検定試験に合格することで資格取得が可能です。食生活アドバイザーの資格には2級と3級がありますが、食に携わる人であれば2級の取得をおすすめします。飲食業界で働く人が食生活アドバイザー2級の資格を取得すれば、メニュー提案等の場面で大いにその知識を活かせるはずです。また、調理師や管理栄養士などの資格を既に持っている場合、プラスアルファの資格として食生活アドバイザー2級の資格を取得すれば、より仕事の幅が広がるでしょう。

関連記事:
お肉ソムリエとは資格の概要と活かせる職業について解説
フードコーディネーターとは なるためのステップとフードコーディネーターから転職するには
フードスタイリストなるためのステップと フードスタイリストから転職するには
クッキングアドバイザーなるためのステップとクッキングアドバイザーから転職するには

Hero Image

この記事をシェアする

Hero Image