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ショコラティエとは なるためのステップとショコラティエから転職するには

シェアダイン編集部
作成日:2022/06/10
更新日:2022/11/10
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目次

洋菓子作りのプロには、パティシエ、ショコラティエ、コンフィズールなど様々な職業があります。なんとなく名前は聞いたことがあるけれど、詳しく違いが分からない、という方も多い様です。今回の記事ではショコラティエについて、詳しく解説いたします。
ショコラティエとはどんな仕事をするのか、ショコラティエになるためにはどのような勉強をすればよいのか、就職先は?などショコラティエに関する疑問を解決できるでしょう。

ショコラティエとは

まず、ショコラティエとは、「ショコラ」という名前から連想できるように「チョコレート」を専門に扱う洋菓子職人です。チョコレートはすぐ溶けてしまう、カカオの産地によって味が異なる、カカオの扱い(分量)によっても味が大きく変化する繊細な食材です。そんなチョコレートの特性を良く理解し、カカオの産地や風味、分量にこだわり、かつオリジナリティを持たせたお菓子を作るのがパティシエの仕事です。

パティシエとの違い

パティシエも洋菓子を作るプロです。洋菓子職人という点ではショコラティエもパティシエも似ていますが、パティシエは洋菓子全般を扱う職人に対して、ショコラティエはチョコレートを専門に扱う、という点が異なります。
パティシエと聞くと、洋菓子の本場、フランスで修行を積んで、ケーキ、クッキー、パン、ゼリーなど様々な種類の洋菓子を作る職人のイメージがあるでしょう。お菓子の見た目も華やかで、フランスで歴史ある職業として確固たる地位も築いているため、世界中からパティシエになりたいと志す人が多い人気の職業です。
一方、ショコラティエはパティシエに比べるとチョコレート専門という狭い領域を扱っているように感じるかもしれません。しかし、原料のカカオ一つとっても奥が深く、扱いが難しいため、カカオを熟知し、風味を引き出す技術が必要です。ヨーロッパではショコラティエの存在は大きいですが、日本では比較的最近、知名度が高まったといえるでしょう。

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ショコラティエになるには

ショコラティエになるには、カカオやチョコレートについて様々なことを学ぶ必要があります。しかし、チョコレートは製菓の一部として捉えられており、チョコレートについて専門に学べる学校が日本にはほとんどありません。そのため、多くの人は、製菓専門学校に通って、製菓全般の基礎知識を学び、本場ヨーロッパに渡って修業を積みます。
そんな中、唯一、日本でもショコラ専攻が設置されているのが、「専門学校ビジョナリーアーツ東京校」です。チョコレートやカカオの知識、栄養学や洋菓子全般について学んだ後、実践として、様々な種類のチョコレートを作ります。ボンボンショコラ、ショコラケーキ、チョコレート細工、チョコレートドリンクなどバリエーション豊富なチョコレート菓子の技術を身に付け、ショコラティエとして活躍できる人材を育成しているのです。
ショコラティエのやりがいや楽しさは、自分のアイディアで世に出したチョコレート菓子がみんなに食べてもらえるところにあるでしょう。ただ、言われたものを作るだけではなく、独創的なアイディアを形にできる楽しみもあります。チョコレートに向き合い、試行錯誤を重ねた結果、新しいチョコレート菓子が生まれたり、新たな発見があったり、チョコレートの世界の奥深さを体験できるのもショコラティエならではのやりがいです。
一方、ショコラティエの大変なところは、チョコレートの魅力が世の中の人に正しく伝わっていない点です。有名な高級ショコラトリーが日本にもありますが、「入りにくく入ったことがない」という人も多いでしょう。 
ショコラティエが創意工夫して作ったチョコレートも人の目に止まらなければ、意味がありません。ヨーロッパに比べて日本での高級チョコレートの扱いはまだまだ贈答用のみ、といった意識なので、ショコラティエ自身がチョコレートの魅力を発信していく必要があります。職人だからといって、工場に籠もってチョコレートの研究、開発だけをしていてはチョコレートの世界を世の中の人に広めることはできません。職人としての技術以外にも身に付けなければならない、実践しなければならない役割があるのは、他の洋菓子職人とは異なるところかもしれませんね。

ショコラティエは資格が必要?

ショコラティエとしての特別な学歴や資格は不要です。しかし、お菓子作りのプロになるには「製菓衛生士」や「食品衛生責任者」などのお菓子作り全般に必要な資格は取得しておくと良いでしょう。
また、ショコラティエとして、プロフェッショナルな世界で活躍するためには、資格に匹敵するような実績や修業が必要不可欠です。ショコラティエの多いヨーロッパに留学し、現地のチョコレート有名店でショコラティエの見習いとして働くことで、より深く、実践的な知識や技術を身につけられます。ヨーロッパに留学しなくても日本の洋菓子店やチョコレート専門店で働き、腕を磨いていくことも可能です。何年か下積みをして、一人前になったらショコラティエとして独立できます。
ショコラティエとして独立した後も有名なコンクールで良い成績を収めることで、注目を浴び、世界でも活躍できる人材となる可能性があります。

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ショコラティエの就業先・勤務先

ショコラティエは、ショコラトリーや洋菓子店などで働いています。洋菓子店の場合は、様々な洋菓子の中のチョコレート菓子を担当します。レストランやホテルのパティスリーで活躍する人もいます。一流のホテルのパティスリーでは、世界中の優秀なパティシエやショコラティエが働いており、毎年、季節やイベントに合わせた洋菓子やチョコレート菓子を考え、作るといった刺激のある職場となっています。

平均的な就業年数

専門学校を卒業した後、見習いとして、数年勤務することが多いです。実力を付けて、そのまま同じ洋菓子店で働く人もいれば、別の洋菓子店やホテルに就職する人もいます。勤続年数は、お店の居心地や人間関係、自分のキャリアアップ環境などによっても異なるため、一概には言えませんが、一つのお店に数年〜10数年勤務する人が多いでしょう。
環境を変えるために、別の勤務先に就職する人もいれば、独立して自分のお店を持つ人もいます。

転職を志すとき・どんな理由?

見習いとして働いていたお店を辞めて、別のお店に転職したいと思うには様々な理由があります。見習い時期は給料が低く、フルタイム勤務でも16〜18万円程度と言われています。通常なら見習い期間が終わっているはずなのに、同じお店にいることでいつまでも見習い扱いをされたり、給料が上がらなかったり、と不満があれば転職する可能性は高くなります。
また、お店の環境が良くても、自分のキャリアアップのために、転職する人もいます。街の洋菓子店ではなく、ホテルやレストラン、ショコラトリーといったより専門性がいかせる職場を選ぶ場合です。

まとめ

近年、日本でもチョコレートのイベントが開かれ、とても人気があります。世界中のショコラティエの作品を見て、買うことができるため、ショコラティエの認知度も上がり、ショコラティエを目指す人も増えてきました。有名な高級チョコレート専門店も東京には増えています。
パティシエ同様、ショコラティエの世界で活躍するのは簡単なことではありませんが、今後も需要があり、日本では大きく発展する分野(職業)になることでしょう。

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