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パティシエールとは なるためのステップとパティシエールから転職するには

シェアダイン編集部
作成日:2022/06/20
更新日:2022/11/10
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目次

パティシエールという職業、パティシエとどう違うの? と感じる方も多いかもしれません。
パティシエとは「菓子製造職人」を指すフランス語の”男性形”です。この単語の”女性形”がパティシエール。つまり「女性の菓子製造職人」のことを指します。
フランス語の名詞には男性形・女性形があるためこのような使い分けになっていますが、日本では性別を問わず「パティシエ」と表現されることが一般的です。
 この記事ではそんなパティシェール・パティシエについて解説いたします。

パティシエールになるには

パティシエールを目指すには大きく分けて2つの選択肢があります。

  • 製菓学科のある大学(短大)・専門学校へ行き就職する
  • お店に未経験から入り修行・下積みをする


しかし実際には未経験からお店に入るのはかなりハードルが高く、大学(短大)・専門学校に行ったあとで就職する人がほとんどだと言えます。中でも特に一般的なのは製菓の専門学校です。
これは大学・短大では食物の栄養知識や調理知識全般について学ぶ「食物栄養学科」が多く、その授業の一環で製菓を学ぶところが多いためです。
つまり「パティシールになる」と明確な目標がある人にとっては、わざわざ学ぶ分野が幅広い食物栄養学科に行くよりも、製菓に特化した専門学校へ行くほうが近道でしょう。
また専門学校は製菓学科の大学・短大と比較しても学校数が圧倒的に多く、学校ごとに特色が大きく異なります。
例えばある専門学校では、校内にカフェやケーキショップを併設。実技で作ったお菓子を実際に販売し、製造だけでなく接客や実務の経験も同時に積むことができる環境が整っています。

また、特別講師としてプロの世界で活躍するパティシエ・パティシエールに直接習う機会があったりと、製菓に特化した学校ならではの業界とのパイプやカリキュラムがあることなどからも学びの濃さがうかがえます。

パティシエールは資格が必要?

結論から言うと、パティシエールになるために必要な資格はありません。
しかし、必須ではないとはいえ実際のパティシエールはどちらも国家資格である「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」を持っている人がほとんどです。
理由として、取得しているとパティシエールとして十分な知識や技術があることの証明になるためです。

「製菓衛生師」とは製菓衛生師法に基づき、衛生面で安全性の高い製菓・製パンができる知識の取得を目的とした資格です。
また「菓子製造技能士」とは菓子製造をする上で必要な知識や技術をそれぞれ学科と実技で問われます。

つまり「製菓衛生師」は食品管理の衛生面、「菓子製造技能士」は製菓製造における知識・技術面に特化した資格と言えるでしょう。

関連記事:
パティシエになるのに資格は必要? 専門学校や店舗修行についても合わせて解説

パティシエールの就業先・勤務先

パティシエールの主な就職先は以下の通りです。

  1. パティスリー(洋菓子店)
  2. ホテル
  3. カフェ
  4. レストラン
  5. ブライダル業界
  6. 生産工場
  7. お菓子・料理教室講師


一般的にイメージされやすい就職先としてはパティスリー、ホテル、カフェ、レストランなどが多いかと思います。
ちなみに、カフェやレストランなど専門店以外になると菓子製造だけでなくその他の業務、たとえば接客や店舗運営の実務などを兼任する可能性も高くなります。さらに規模が大きくなるほど「製造工程を分担制にしてライン化する」というところも多いため、携わることのできる業務が限られる、ということも出てくるでしょう。

また働く場所によってコンセプトや客層もまったく異なるため、自分がどういった働き方をしたいか? どういうパティシエールになりたいか? をしっかりとイメージして選ぶことが重要になってきます。

自分の理想を出来るかぎり具体的にし、すり合わせていくことが大切です。

平均的な就業年数

パティシエールの平均的な勤続年数ですが、おおよそ3~5年だといわれています。
離職率が高いと言われているパティシエールですが、これは転職も含めた離職をふまえての数字です。
またここで頭に入れておきたいのは「独立開業する人」も含まれているということ。
はじめから独立開業を目指してパティシエールになる人も多く、修行期間としてお店に就職するルートは一般的です。
しかし、独立にこだわらずひとつの企業やお店で長く働きたい人にとっては、人員の入れ替わりが多い環境でも安定して働き続けることができるか? という点も就職の際に重視したいポイントです。

転職を志すとき・その理由

パティシエールは転職も多い業界です。
その内訳は、①同業種内での転職、②異業種への転職、③独立開業に分けて考えられます。
「どういう目的で転職をするに至ったか」で異なるため、順に見ていきたいと思います。

 同業種内での転職の場合

同じパティシエールへの転職の場合に考えられるのは、「労働時間」「給与形態」などの労働条件です。パティシエールは長時間労働が基本で、朝7時に出勤し夜8時まで働き通しなど、一般的な企業に比べ労働時間が非常に長いです。
また初任給は15~18万円ほどと言われ、時間数の長さと併せて考えるとより労働条件は厳しいと言えます。そんな中で少しでも良い条件で働けるよう、同業種内でより良い職場へ転職する人は多いと言えるでしょう。

異業種への転職の場合

この場合も、さきほど挙げた労働条件の厳しさが主なきっかけであるように見受けられます。
憧れて入った業界とはいえ長時間労働や見合わない給与で生活に無理が生じ、まったくの異業種へ転職する人は多いようです。もちろん同業種内でより良い条件の転職がかなえば一番ですが、業界全体が似通った条件であるため、パティシエールという職種にこだわらず転職をする人も出てくるようです。

独立開業の場合

パティシエールを志す際に「自分のお店を持ちたい」と目標を掲げる人も多く、元々独立開業を目指していた場合。
自分のお店をいきなり持つことはほぼ不可能なので、お店やホテルでの勤務で経験を積み、準備を整えたうえで独立するというパターンです。

まとめ

パティシエールを目指す人の多くは、製菓が学べる専門学校へ行き製菓衛生師」や「菓子製造技能士」を取得。学校卒業後は洋菓子店やホテルへ就職をしそのまま勤続する。もしくは、独立開業を目指す人は勤務をしながら準備を進め、自分のお店を開業し独立する、というパターンがほとんどだと言えるでしょう。もちろん世の中にはもっといろいろな経歴を持つ方もいますが、パティシエールを目指すうえでもっとも一般的と言える形でご紹介しました。

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