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料理評論家になるためのステップと料理評論家から転職するには

シェアダイン編集部
作成日:2022/06/28
更新日:2022/11/10
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目次

食にまつわる仕事の一つに、料理評論家という職業があります。しかし、料理人や料理研究家は仕事内容をイメージしやすいのに対し、料理評論家というと具体的にどのような仕事かよくわからないと思う方も多いのではないでしょうか。
 この記事では、料理評論家の仕事内容や、料理評論家になるための方法などについて解説していきます。この記事を読めば、料理評論家に関する具体的なイメージをつかむことができるでしょう。

料理評論家とは

料理評論家とは、料理や飲食店の善し悪しや価値などについて批評し、論じる人をさします。明確な定義はないため、料理記者やフードジャーナリスト、レストランジャーナリストなども広義の料理評論家と言えるでしょう。
料理評論家に似た言葉として、料理研究家があります。料理研究家の仕事とは、実際に自分が料理を行い、料理法やレシピを本やテレビ、webなどを通じて広く伝えることです。料理研究家に対して料理評論家は、自分が料理するのではなく、主に食べる側から発言する立場を取ります。料理研究家が「料理の作り方を伝える人」であるのに対して、料理評論家は「料理を食べて論じる人」である点に大きな違いがあるといえます。
著名な料理評論家としては、岸朝子、山本益博、服部幸應などの名前を挙げられるでしょう。また、そこまで有名ではなくても現役で活躍している人で言えば、フードエッセイストの平野紗季子、レストランジャーナリストの犬養裕美子や、ニューヨーク在住で『英語でガイド! 外国人がいちばん食べたい和食90選』などの著書がある片山晶子などの名前も挙げられます。

料理評論家になるには

料理評論家になるために、何か決まったルートがあるわけではありません。
しかし、料理の味や見た目、その歴史などを言葉巧みに表現する仕事です。

  • 味覚を鍛える
  • 料理やその歴史に関する膨大な知識を学ぶ
  • 文章表現力を身につける
  • プレゼン能力を身につける

など、料理評論家を目指す人が体得すべきことは非常に多岐にわたります。料理評論家への道は険しく、決して誰もがなれる職業ではないと言えるでしょう。
料理評論家の経歴を調べてみると、「おいしゅうございます」の決めぜりふで知られた岸朝子は女子栄養学園(現・女子栄養大学)を卒業していますが、岸朝子以外の人は、特に料理に関する専門教育を受けてはいないようです。
料理評論家になるには、まずは出版業界に身を置き、数々の取材を通して自身の舌と筆力を鍛え、名前を売っていくのが王道だと言えます。しかし、出版業界はただでさえ狭き門。さらに、もし運よく出版社に就職できたとしても、食関係の部署に配属されるとは限りません。
そこで、今の時代に料理評論家を目指すなら、まずはwebの世界で頭角を表すのが近道だと言えるでしょう。フードエッセイストの平野紗季子を例に挙げると、彼女は小学生のころから食日記をつけ続け、大学時代に食にまつわるブログが話題になったことをきっかけに、フードエッセイストのキャリアをスタートさせました。今では、雑誌などに多数の連載を持ったり、菓子ブランドのディレクターを務めたりと、食に関するさまざまな活動を展開しています。
これから料理評論家を目指すなら、平野紗季子のように、まずはブログを運営することで自身の味覚センスや表現力を磨き、ブログをポートフォリオとして独自性を売り込んでいくことが最短の道ではないでしょうか。

料理評論家には資格が必要?

料理評論家になるために資格は必要ありませんが、学びの一環として食に関する資格を取り、多角的な視点を得ることのメリットは大きいでしょう。ここでは、料理評論家を目指す人が持っておくとプラスになるフードアナリストという資格をご紹介します。
フードアナリストとは、一般社団法人日本フードアナリスト協会が認定する民間資格です。グレードは4級から1級まであり、1級試験では高レベルのテイスティング能力が試されます。問われるのは味覚だけにとどまらず、フードアナリスト資格の受験勉強を通して、栄養学、料理の歴史、食に関する法律、マーケティングなど、あらゆる角度から食について学ぶことができます。
参考:フードアナリストとは – (一社)日本フードアナリスト協会 

料理評論家の就業先・勤務先

料理評論家の働き方としては、どこかの企業に就職するというよりは、フリーランスとして活躍するケースが多いでしょう。ひと昔前の料理評論家といえば、岸朝子や服部幸應が代表格です。1990年代のテレビ番組『料理の鉄人』に審査員として出演していた岸朝子らが、一流シェフが作った料理を評論する華やかな姿を連想する人も多いでしょう。ひと昔前の料理評論家には、どこか雲の上の存在のようなイメージがあったかもしれません。
 現在第一線で活躍している料理評論家の仕事はさらに多岐にわたります。また、仕事内容は以前と比べてもっと地に足のついたものになっていると言えるでしょう。一例を挙げると、レストランジャーナリストの犬養裕美子は、『an・an』などのファッション誌から料理専門誌まで数多くの連載を持つ一方で、地方のレストラン取材を数多くこなした経験を生かし、新潟県長岡市の「越後長岡応援団」として長岡市の食を応援するというユニークな活動も行っています。料理評論家は、取材などを通じて多くの人と出会う機会があります。取材での人脈をうまく生かせれば、幅広い分野に仕事を展開していけるでしょう。

まとめ

ここまで見てきたように、料理評論家にはその職に就くための正規ルートは存在しないため、決して誰もが簡単になれるものではありません。しかし、ブログの開設などによってセルフプロデュースが容易になった現在は、ひと昔前に比べれば料理評論家への道が多くの人に開かれるようになったとも言えます。また、料理評論家の活躍の場も、以前に比べて幅広くなっています。料理研究家を目指す人は、食に関するさまざまな情報に常にアンテナを張り、自分の表現力に日々磨きをかけていきましょう。

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