ディナーの前菜解説 なぜ前菜が重要なのかとおすすめの紹介
目次
「前菜」は、コース料理等で最初に出てくる料理です。お店に入って最初に食べる料理のため、お客様に「お店の顔」として印象付けることが可能です。
この記事では前菜の重要性やおすすめの前菜レシピについて、解説いたします。記事を通して前菜について詳しく知ることができるでしょう。
居酒屋やディナーコースなどの「前菜」の重要性
前菜を提供することで、お客様の食欲を増進させることができます。一般的に、胃の運動を活発化し食欲を増進させるために、前菜には強めの塩分や酸味を効かせます。
そして前菜を味わったお客様に「もっと食べたい」と物足りなさを感じてもらうくらいが、ちょうど良いのです。前菜の量は、基本的に少量で、少し空腹を満たす程度に調整して、提供します。前菜のレシピに、お店独自のこだわりを出すこともできます。
前菜とはそもそもなにか
前菜とは、食事のはじめに提供する料理全般のことをさします。「メイン料理(主菜)の前に食べる料理」であることから、前菜と呼ばれています。 例えば、イタリアンのディナーコースの場合、生ハム・チーズ・マリネ等の食欲を刺激するようなメニューが、代表的です。
国による言葉の違い
最初に提供する料理であることは共通ですが、各国の料理で「前菜」を表す言葉は、異なります。
以下が例となります。
アメリカ:アペタイザー
主にアメリカで使われる英語では、アペタイザーと呼ばれています。
「アペタイザー」は英語で「食欲をそそるもの」という意味です。食事の前に飲むアルコール飲料(食前酒)も、アペタイザーです。
イギリス:スターター
イギリスも英語圏ではありますが、前菜は、「アペタイザー」ではなく「スターター」と呼ばれています。
フランス:オードブルもしくはアントレ
コースで提供される前菜は「オードブル」、アラカルトの場合は「アントレ」と呼ばれています。
オードブルは、日本では「軽食類の盛り合わせ」を指しますが、フレンチ料理では前菜の意味になります。
イタリア:アンティパスト
ラテン語が語源となっている「食事の前に食べるもの」という意味です。
ロシア:ザクースカ
ロシア料理やウクライナ料理で提供される前菜を指します。
燻製魚類やキャビアが、代表例です。
和食:先付
和食のコースで最初に提供される料理は、「先付(さきづけ)」と呼ばれています。「前菜」とは呼びません。
中国:前菜(チエンツアイ)
日本語の「前菜」と漢字表記は同じですが、読み方が異なります。
前菜が重要な理由
こだわりや料理のレベルを伝えられる
前菜は、最初に口にする料理のため、お客様に大きな印象を与えます。
季節の食材や地産地消の食材を使った前菜は、「今、ここでしか食べられない」という点でお客様に喜ばれます。
お店のホームページやコース料理のメニュー表に、お店のこだわりの説明を記載しておくことでも、アピールすることが可能です。
お客様によっては、前菜でお店の味のレベルを察する方も居ます。前菜は、「お店の顔」であることを心掛けておきましょう。
アレンジが効き作り置きできる
前菜は、他の料理よりもアレンジをしやすい料理です。
メイン料理の場合は、独特の味付けをしてアレンジを効かすと、お客様によっては口に合わない可能性も出てきます。期待度が高い「メイン料理」が、好みに合わないとお店の印象も下がってしまうかもしれません。一方、前菜にアレンジ要素を取り入れることで、今後のお店のレベルアップにも繋がることもあるでしょう。前菜料理に新たな食材や調理法を取り入れると、料理の幅が広がります。
結果的にお客様からの反応も良かった場合は、前菜以外の料理にも活かすことができます。また、前菜のレシピによっては、仕込みもしやすいです。
仕込みしてストックしておけば、お客様を待たせることなく前菜を提供できるでしょう。
ただし、提供時に味が落ちることのないように、作り置きした前菜の保管方法には十分注意しましょう。
メイン料理への期待を高める効果がある
お客様に前菜を気に入ってもらえれば、後に運ばれてくる料理にも一層期待を高めてもらうことができます。
メイン料理を食べた時に「やはり、前菜から美味しかったから」と納得させるような前菜が、理想と言えるでしょう。
場合によっては他店との差をつけられる
お客様の中には、前菜にも大きな期待をしている人もいます。
既製品をそのまま提供するのではなく、少しアレンジして独自のこだわりを見せるだけでも、お客様の反応は変わってくるでしょう。
おすすめの前菜レシピ
和食の前菜レシピ
・なます
千切りにした人参と大根を甘酢で味付けした料理です。
酢には、味覚や嗅覚を刺激して食欲を増進させる効果があります。
なます以外の前菜にも、酢を使うのは、食欲増進の観点から理にかなっています。
・煮物
和食の定番である煮物も、具材に味が染み込んでいるため、少量食べるだけでも食欲が増進されます。
特に、前菜として提供する煮物は、濃い出汁を使って煮るのが良いでしょう。
煮物の具材こそ、旬の食材を使うのもおすすめです。野菜や肉の定番から、ひじきや高野豆腐など幅広い食材を使うことができます。
出汁で煮るため、地味な色になりやすい煮物ですが、人参やエビ、きぬさや等を入れると見栄えが良くなります。
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洋食の前菜レシピ
・ビンチョス
食べやすいサイズに切った食材を重ねて串に刺した料理です。串で手軽に食べることができるのが特徴です。
使われる食材は、串に刺さりやすい野菜やチーズ、加工肉等、様々な食材です。
・ブルスケッタ
薄く切ってトーストしたバケットの上にオリーブオイルを少量塗り、数種類の食材を乗せるイタリア料理です。
乗せる食材は、定番なものもあれば、意外性のあるものも使われます。定番な食材は、トマト・チーズ・スモークサーモン・ベビーリーフ等です。
バケットの上に乗せる食材次第で、非常に見た目を華やかにすることもできます。
手間なく作れる一方、お客様に喜ばれやすい料理となっています。食べるときにバケットの上の食材が落ちづらいような工夫をすると尚良いでしょう。
・チーズ
塩分が強く食欲を増進しやすいチーズも、前菜には適しています。
種類の異なるチーズを、見栄えよく盛り付けるといった工夫をするのもおすすめです。
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まとめ
前菜は、単に「一番に出てくる料理」ではなく、重要な役割を果たしているのです。味・香り・見た目等、総合的に前菜を楽しむことで、食欲を増進しつつ料理を堪能することができます。お客様に提供する料理は、前菜であれ、メイン料理であれ高いクオリティを提供できるに越したことはありません。メイン料理に目が行きがちですが、前菜へのこだわりも大切です。上手にお店のこだわりを入れると、面白いでしょう。前菜から一品一品、すべての料理に満足してもらうことが、お店のリピーター獲得にも繋がります。
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