ギリシャ料理は、同じヨーロッパでもフランス料理やイタリア料理、スペイン料理などと比べると、日本ではあまり一般的ではないかもしれません。しかし、世界的には、ギリシャはヨーロッパでも有数のグルメな国として知られています。
ヨーロッパ最南端に位置するギリシャは、エーゲ海に浮かぶ美しい島々や数々の神話でよく知られています。パルテノン神殿などの世界遺産やオリンピック発祥の地としても有名です。
この記事では、ギリシャ料理の歴史や代表的な食べ物などをご紹介いたします。

ギリシャ料理の特徴や種類

美食大国であるギリシャの料理は、イタリア・スペイン・トルコ料理などと同じ地中海料理です。
地中海料理は、栄養バランスがよく、健康的なことが特徴。
ギリシャ料理はエーゲ海の周辺で採れるオリーブオイルや魚介類を使った料理や、オリーブの果実をそのまま使用したもの、日本では夏野菜として食べられるナスやズッキーニなどを使ったものなど、種類が豊富です。
特に、オリーブオイルはギリシャ料理には欠かせないもので、国民1人あたりのオリーブ消費量は、世界一といわれています。

ギリシャ料理とは

ギリシャ料理は、フランス料理・中華料理と並び「世界三大料理」と呼ばれるトルコ料理とよく似ているといわれています。トルコ料理との違いは、ヨーロッパのフレーバーがあるところで、ギリシャ料理は、ヨーロッパとアジアの料理が融合したものとイメージすると分かりやすいでしょう。

ギリシャ料理の歴史

ギリシャは古くから食文化が豊かな国として知られています。地中海に面した温暖なギリシャの風土はオリーブの育成に適しているので、昔からオリーブの栽培が盛んで、オリーブの実から採れるオイルをふんだんに使った料理が多く生まれました。
ほかには、魚介類・野菜・穀物、そしてヨーグルトやチーズなどが古くから食べられています。また、ギリシャでは、これらの食材をバランスよく食べることで、非常に健康的な食文化が発達してきました。
「地中海料理」と呼ばれるギリシャ料理は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。

地域別の伝統料理を紹介

ギリシャ北部のマケドニアやエーゲ海諸島では、首都アテネ周辺とは違うローカルメニューが多くあります。
パプリカの産地として知られるマケドニアは、パプリカのペースト「アイバル」の生産が盛んです。
エーゲ海諸島では、新鮮な魚介類を使用した海鮮料理が有名です。

ギリシャ料理でよく使われる食材や特徴

ギリシャ料理でよく使われている食材として、オリーブオイルや魚介類、ハーブ、チーズなどがあげられます。
ギリシャ料理は、肉料理が比較的少ないのですが、肉料理によく使われるのは日本でもお馴染みの豚肉のほか、子羊やウサギの肉も食べられます。また、デザートにはナッツやハチミツを使ったものが多いのが特徴です。

ギリシャ料理の飲み物やスイーツ

ギリシャは、ワインの起源とされる国のひとつで、ワインの歴史は紀元前2000年だとする説もあります。ギリシャワインの特徴は、芳香や酸味が豊富で飲みやすいことです。なかでも人気があるのは、「ウーゾ」というリキュールで、神の酒とも呼ばれ、オリーブオイルや塩で味付けされることが多く、ギリシャ料理によく合います。
ギリシャでは、コーヒーもよく飲まれます。沸騰させて作るギリシャコーヒーは、ほかのコーヒーに比べてもポリフェノールと抗酸化物質が豊富でカフェインが少ないため、とてもヘルシーです。毎日ギリシャコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて健康だとされる調査結果もあるほどです。
暑い季節には、「フレッド・カプチーノ」と呼ばれるアイスカプチーノが人気。冷たいエスプレッソと、ふんわり泡立てたミルクのコンビネーションが絶妙です。「フラッペ」と呼ばれるアイスコーヒーもよく飲まれています。
ギリシャといえば、ギリシャヨーグルトが有名ですが、ほかにも乳製品や卵を使用していないスイーツが多くあります。パイ生地にくるみやピスタチオなどを挟んで焼いた「バクラヴァ」や、白ごまと蜂蜜に砂糖やナッツ類を加え、平らに伸ばした「パステリ」と呼ばれるスイーツが人気です。乳製品や卵を使用していないので、ギリシャではスイーツもヘルシーです。

おもなギリシャ料理紹介

ギリシャには「タベルナ」と呼ばれる食堂があり、庶民的な料理を気軽に楽しむことができます。このタベルナでは「メゼ」と呼ばれる小皿料理が前菜として出てくるのが恒例です。
ギリシャ料理の代表といえば、ギリシャのおふくろの味ともいえる家庭料理「ムサカ」。一見、グラタンのようですが、野菜の風味やシナモンの味が効いた素朴な味わいです。トマトソースで煮込んだラムの挽肉に、オリーブオイルで炒めたナスやジャガイモなどの野菜を交互に重ねオーブンで焼いた料理で、パンとの相性も抜群です。
ギリシャには美味しいサラダが多いのも特徴。魚の卵にオリーブオイルとレモン汁、マッシュポテトを混ぜて作る「タラモサラタ」や、野菜やチーズが山盛りになった「ホリアティキ・サラタ」がとくに有名です。ホリアティキ・サラタは、ヨーロッパ各国ではギリシャサラダと呼ばれて親しまれています。
スイーツでは乳製品が使われたものが少ない一方、料理には乳製品が多く使われています。代表的なのは「フェタチーズ」と呼ばれる、羊や山羊の乳が原料のフレッシュチーズです。
そのほかには、料理につける「サジキ」というソースや、さわやかな味わいの「エッグレモンスープ」、前菜としてよく食べられる「ファヴァ」や「ナガサキ」、肉料理の「スヴラキ」や「ギロ」など、美味しいギリシャ料理は数多くあります。

まとめ

温暖な気候と豊かな自然に恵まれたギリシャには、オリーブオイルや魚介類、ヨーグルトなど健康的な食材が豊富です。
美味しいのはもちろん、食べたら元気になれそうなギリシャ料理ご紹介しました。
見た目も色鮮やかで工夫を凝らした味付けは、ギリシャ料理ならでは。
お近くのギリシャ料理店で、ギリシャ料理を味わってみましょう。

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