高知県の郷土料理について 特産品や伝統料理のレシピも紹介
目次
高知県は豊かな自然と温暖な気候でそれぞれの農産物に適した土地です。
平野部と山間部では気候が大きく違うため、地域に応じた農業が展開されているのも特徴。
本記事では、高知県の生産高が高い農産物や郷土料理について詳しく紹介いたします。
高知県の生産高が高い農産物を紹介
高知県は、四国の南部に位置した土地です。
総面積が7105k㎡で全国第18位、そのうち森林面積が84%と全国第1位を誇ります。
高知県の南側は太平洋に面し、北側は四国山地が連なっている自然豊かな土地に恵まれています。
また、平野部と山間部では気候が異なります。
平野部では年間平均気温17度前後と冬も暖かく温暖な気候が特徴です。
山間部では、冬は寒さが厳しく、雪が多く積もる場所もあります。
さらに高知県は、日照時間と年間降水量が全国1位。
そのため、温暖な気候と多日照の気象条件をいかし、野菜、果実などが盛んに栽培されているのが特徴です。
ここでは、高知県の生産高の高い農産物について詳しく解説いたします。
高知県で盛んに生産されている野菜を紹介
太陽や雨の豊富な恵みを受ける平野部では、野菜の施設園芸が盛んです。
一方で山間部では涼しい環境を活かした特色のある野菜が栽培されています。
高知県では、それぞれの気象条件や環境に適した農業が各地で行われているのです。
中でも、ミョウガ・きゅうり・トマト・ニラ・ししとう・なすなどの農産物は全国第一位のシェアを誇ります。
東京や大阪などの大消費地に向けた出荷、販売が盛んに行われており、全国的にも有名な産地としてブランド展開しています。
さらに、近年では現農薬栽培や有機栽培などの消費者と環境にやさしい農業に取り組む農家が増えているのです。
高知県で盛んに栽培されている野菜は下記の通りです。
- ミョウガ
- キュウリ
- トマト
- ニラ
- シシトウ
- ナス
- ピーマン
- オクラ
高知県の米生産について解説
高知県では、山水や朝と夜の気温差が大きいことから美味しいお米が育ちやすい土地です。
一方で、台風の影響を受けやすい土地でもあるため、早期・普通期・晩期に分けてお米を栽培する時期を変えて行われています。
高知県の山間部では、山の斜面で棚田を築いて稲作を行います。
標高があるため、病害虫の発生が少なく、梅雨の大雨と夏場の晴天、秋の乾燥した気候によって良質なお米が作られるのです。
高知県で栽培が盛んなお米の銘柄は下記の通りです。
- あきたこまち
- キヌヒカリ
- アキツホ
- コシヒカリ
- 春陽
- 土佐錦
- 黄金錦
- ひとめぼれ
- ヒノヒカリ
- ミルキークイーン
高知県の畜産業は?
高知県は、大自然をいかした畜産が盛んです。
豚・鶏・牛・ジビエに至るまで、幅広いお肉が有名といえるでしょう。
高知県の畜産について詳しくみていきましょう。
・土佐ジロー
高知県で誕生した、全国初の卵肉兼用地鶏です。十数年の長い年月をかけて開発されました。
卵は、一般的な卵のお大きさより小ぶりですが、濃厚な風味の有精卵が特徴。
また、土佐ジローの肉質は、旨味が濃く、食べ応えのある肉質が特徴です。
・土佐あかうし
土佐あかうしは、高知県の山間部を中心に飼育されている牛です。
日本を代表する和牛の一種で、希少価値の高い牛肉として知られています。
年間300~400頭しか出荷されず、昭和19年に「褐毛和種」として正式認定された品種です。
きめ細かい赤身の肉質と風味豊かな肉の香りは、ミシュラン星付きのレストランでも提供されるほどの人気です。
・窪川ポーク米豚
高知県の四万十町窪川地域では、養豚の頭数・戸数ともに県内ナンバーワンを誇ります。
ここでは、生産者が集まって「窪川養豚協会」が作られ、肉の品質向上に取り組んできました。
そして、平成22年、生産者たちのこだわりのもと誕生したのが「米豚」です。
高知県のお米を餌に育てられた豚は、脂身に甘みを感じられ、肉質も柔らかいのが特徴です。
高知県の水産業は?
700キロを超える長い海岸線が特徴の高知県では、多種多様な魚が水あげされます。
また、高知県といえば、カツオの一本釣りが有名です。
カツオは、高知県民が年間に購入する量が全国1位であり、高知県の県魚にも選定されるなど馴染み深い魚です。
その他にも、高知県の魚は地元のみならず、東京や関西などの大都市圏にも多く出荷されます。
大都市圏の飲食店で登録されている「高知家の魚応援の店」は1000店舗を超えているほどの高い人気です。
高知県で水あげされる海産物か下記の通りです。
- カツオ
- イサキ
- キビナゴ
- キンメダイ
- アオリイカ
- カンパチ
- クロマグロ
- ブリ
- マダイ
高知県の郷土料理を紹介
緑豊かな山々と、広い海を誇る高知県では、それぞれの食材をいかした郷土料理が数多く存在します。
ここでは、高知県の郷土料理についていくつか紹介いたします。
その人気は全国区に「かつおのたたき」
カツオのたたきは、全国でも幅広く食べられている高知県を代表する郷土料理です。
高知県の県魚であるカツオは、高知県民の間で日常的に食べられている食材です。
かつて、漁師が船の上で食べていたものが市民の間に広まったのが始まりといわれています。
保存技術が発展していない時代に、船上で鮮度が落ちたカツオを食べるために「たたき」という調理方法が発展しました。
高知県の地域によってレシピが異なり、週の野菜と組み合わせて食べる地域もあるようです。
<材料>(約4人分)
- カツオ切り身 300g
- ゆず酢 大さじ1
- ねぎ 1本(20g)
- にんにく 4~5粒
- 塩 小さじ1/2
- 醤油 大さじ3
- 玉ねぎ 少々
<作り方>
- 3枚におろしたカツオの身を背と腹に切り分けて、焼き網に乗せ、炎の先にかざして3面を炙る
- 厚めの刺身のサイズに切る
- まな板の上で塩を振って叩き、さらに少量のゆず酢と、醤油を振りかけて軽く叩いて皿に盛り付ける。
- カツオの上ににんにくの薄切りを散らし、好みのねぎの小口切り、玉ねぎの薄切りを散らす。
- 残りの醤油と酢をかけて完成。
地域色豊かな「こぶずし」
こぶずしは、県中央部、県西部で食べられる郷土料理です。
それぞれの地域でレシピが異なります。
- 県中央部「黒こぶずし」:酢飯を昆布で巻いたもの
- 県西部「板こぶずし」:薄くて白い白板昆布で酢飯を巻いたもの
いずれも冠婚葬祭や祭事などの行儀で振る舞われ、白板昆布の方が高級で入手が難しかったため、地域で食文化が分かれたと考えられています。
<材料>(4本分)
- 米 900g
- しょうが 50g
- 板こぶ 2枚
- ごま 大さじ2
(合わせ酢)
- 砂糖 60~120g
- 酢 1/2カップ
- 塩 18g
(調味料A)
- 酢 大さじ2
- 塩 小さじ1/3
- だし汁 カップ1
- 砂糖 大さじ4
- 唐辛子 1本
<作り方>
- 合わせ酢にしょうがのみじん切りを加え、炊き立てのご飯に混ぜる。
- ごまを加えて寿司飯を覚ましておく。
- 板こぶをAで煮て、箸にかけて乾かす。
- 1枚を2つに切り、巻きさくに広げてすし飯を中央に広げ、板こぶを末端から折り込んで2つ折りにして整えたら完成。
見た目も鮮やか「こけらずし」
こけらずしは、四角い木枠に具材と酢飯を重ねて作るカラフルな見た目の寿司です。
米が希少だった時代、冠婚葬祭やハレの日、出世祝いなどを中心に食べられたのが始まりです。
具を幾層にも重ねる様子が「喜びを重ねる」という意味を持たせ、縁起物として受け継がれています。
<材料>(約10人分)
- 米 1.5kg
- 砂糖 60~70g/大さじ1
- 干し椎茸 中10枚
- 醤油 小さじ2
- 塩 少々/大さじ2
- にんじん 中2本(500g)
- 卵 2個
- にんじんの葉 5本
(酢にごし)
- ゆず酢 250ml
- さば 中1尾(500g)
<作り方>
- 米は炊く1時間前に洗って、ザルにあげ、同量の水に30分浸してから炊く。
- さばは3枚におろして焼き、綺麗に身をほぐす。
- 骨や血合いを取り除き、ゆず酢に浸して、さばの旨味や出汁を出しておく。
- にんじんの皮を剥いて、薄い半月板に切る。
- 椎茸は水に戻し、太めの千切りにする。
- にんじんと椎茸の戻し汁で煮て、醤油・砂糖で味をつける。
- にんじんの葉は形が残るようにちぎり、卵は薄焼きにし、長さ3cm、幅7mmの短冊切りにする。
- こけらずしの型枠の内側をすで湿らせる。
- すし飯3cmくらいの高さに詰め、上ににんじん、椎茸、卵、にんじんの葉を盛り付ける。
- 酢で湿らせた仕切り板を上に置き、これを繰り返す。
- 一番上に最後の蓋をして、2時間から一晩おく。
- 重石と蓋をとり、枠を抜く。
- 仕切りの板の上で5cm幅の棒状に切り分けたら完成。
まとめ
高知県は、山と海の幸をはじめ、畜産や稲作も盛んに行われています。
高知県に遊びに行く際は、豊かな自然が生み出すおいしい郷土料理を堪能してみるのもよいかと思います。
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