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岡山県を代表する農産物と郷土料理について解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/12
更新日:2022/12/21
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目次

岡山県は、年中通して穏やかな気候に恵まれる日が多く、「晴れの国」と呼称されることもあります。
山地、瀬戸内海に囲まれている環境で大いなる自然を感じることができ、気候風土をいかした産業も盛んです。

この記事では、岡山県の生産高が高い食材や郷土料理について紹介いたします。
記事を通して、岡山県の郷土料理について詳しく知ることができます。

岡山県の生産高が高い農産物を紹介

岡山県は、ぶどう・白桃において高い生産高を持ちます。
降水量や自然災害が少なく日照量の多い岡山県は、味や見た目ともに、高品質な果物が育ちやすい条件が揃っています。

マスカットのシェアは、全国的に見てもトップクラスです。
岡山県の代表的な白桃の品種に、「清水白桃」というブランドがあります。桃の皮には赤みがあるのが一般的ですが、清水白桃は実に袋を被せて日焼けや雨を防いで育てられる、皮が白い白桃です。果肉はみずみずしく甘い香りが漂い、岡山県の白桃として愛されています。

野菜については、黄色で甘みがありそのままでも食べることができる、黄ニラの生産高が高いことが特徴です。
他にも、なすやゴボウ、トマトなどが多くつくられています。

気候をいかした農業は果物や野菜だけでなく、稲作も盛んです。
「アケボノ」や「きぬむすめ」は、岡山県を代表するお米で、甘みや艶のある良質なお米です。

畜産においては、ジャージー牛の飼育に力を入れています。ジャージー牛の牛乳は、乳脂肪分や乳タンパクなどの成分量が一般的な牛乳を上回り、濃厚でコクのある滑らかな味わいがあります。ジャージー牛の牛乳やヨーグルトなどは、岡山県の蒜山地方の特産品です。

岡山県新見市発祥の「千屋牛」は、中国山地の自然の中で育てられる高品質な牛です。霜降りの程度も程よく、やわらかさと甘みに定評があります。飼育頭数が少ないため、岡山県ならではの希少なブランドです。

岡山県に面している海域は、「吉井川」「旭川」「高梁川」という川の三大河川から栄養に富む水が流入しており、漁船漁業や牡蠣・海苔の養殖にも適した環境です。岡山県の牡蠣の生産量は、牡蠣の生産量がトップクラスである広島県・宮城県に次いでいます。

また、岡山県倉敷市の下津井沖では、下津井だこの水揚げが活発です。特に、秋から冬の時期には非常に身が引き締まったうま味のあるたこになります。

岡山県の郷土料理を紹介

岡山県の郷土料理を紹介いたします。

ホルモンうどん

ホルモンうどんは、岡山県津山市のグルメとしても人気の郷土料理です。
熱したフライパンで炒めた新鮮な牛のホルモンに、うどんと野菜を加えた後、自家製のたれをかけてつくられています。野菜は、もやし・キャベツ・玉ねぎなどがよく使われます。

市内では、多くのお店がホルモンうどんを提供します。また、お祭りなどのイベントの際にも食べられています。

津山市は、肉食が禁止されていた時代でも、「薬」として肉を食べる文化を持つ、非常に珍しい地域でした。
現在も津山市では肉処理場が見られ、ホルモンが入手しやすい環境となっています。

津山の食肉処理技術は優れており、短時間で臭みがなく美味しく食べられるホルモンを生産することができます。
結果的にホルモンをいかした料理が発達していき、中でもホルモンうどんが郷土料理として定着していきました。

たこめし

たこめしは岡山県倉敷市の郷土料理で、大きめに切ったたこを具材とした、炊き込みご飯です。
倉敷市の海に生息しているたこは、引き締まった身を持ち、しっかりとした噛み心地で有名。

さわらのこうこ寿司

岡山県の日生町の漁場は、鰆(さわら)の漁獲が盛んです。
瀬戸内海には産卵のために春の時期には魚が集まってきます。

鰆は魚へんに「春」と書くように、春の味覚です。こうことは、たくあんのことをさします。
さわらのこうこずしは、鰆の漁獲を祝い、海上安全への願いを込めて食べられるようになりました。

削ぎきりにした鰆に塩味を付けた後、酢漬けにします。昆布と一緒に米を炊き、炊きあがった米には、合わせ酢をかけます。最後に酢飯に鰆、千切りのこうこ、グリーンピースを混ぜて完成です。

当初の具材は鰆のみで、こうこは皿の端に添えられていました。しかし、こうこも寿司の具材として混ぜて食べる方法に変わっていきました。
日生町では、お祭りなどの際の定番郷土料理になっています。

しのうどん

岡山県倉敷市の郷土料理です。

しのうどんとは、一般的なうどんの麺よりも平たい形状をしていることが大きな特徴で幅が2㎝、全長が約1m程です。
見た目は、きしめんにも似ています。麺はもっちりとした食感で歯応えがあります。野菜や鶏肉、エビなどを具材として、出汁と一緒にかけうどんのようにして食べるのが一般的です。

出汁の味は各店によって異なります。 

かつては、円通寺というお寺にて修行僧が好んで食べていたと語り継がれています。また、円通寺でのイベントの際にも振る舞われてきました。お椀の中に繋がった長い一本の麺を入れることから「一筋一椀」という別名で呼ばれることもあります。

しのうどんは、次第に食べられる機会がなくなっていきましたが、現在は有志の活動の力によって、再び食べられるようになってきました。

けんびき焼き

けんびき焼きは、小麦粉に熱湯を加えてこねた生地を平らにし、丸めた餡子を包んだ後、みょうがの葉でくるんでフライパンで両面を焼いてつくられます。「けんびき」とは肩こりのことです。中に入れる餡子は、うぐいす餡を使用する場合もあります。

田植えが終わり、6月が訪れると、農家は仕事にひと段落をつけて、「けんびき焼き」をつくる風習がありました。けんびき焼きを食べると「農作業で疲労が蓄積した肩のけんびき筋を癒すことができる」と考えられていました。

まとめ

岡山県は、気候に恵まれた環境が整い、農業が盛んです。
岡山県の甘くてみずみずしいぶどうや桃は、全国的な人気を誇るため「くだもの王国」と呼ばれることもあります。
他にも豊かな自然に囲まれながら稲作や漁業などの多くの産業が行われ、独自性の高い郷土料理もつくられてきました。
郷土料理を通じて、岡山県についていっそう理解を深めることや歴史を感じることができます。

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