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委託給食会社とは 働くメリットも合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/07/11
更新日:2022/10/31
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目次

学校を始め保育園・病院・福祉施設などで日々食べられている給食ですが、2018年に文化科学省が行った学校給食実施状況等調査によると50.6%という半数を超える公立の学校給食で外部委託に依頼していることがわかっています。
給食業界では人手不足が問題視される中、調理にとどまらず食材管理から衛生管理まで任せることでコストを抑えることができ、急な人員変動にも対応できる委託会社に需要が高まるでしょう。
そこでこの記事では、委託給食会社で働くメリット、働く前に知っておきたいことについて解説いたします。

委託給食会社とは

直営に代わり献立作成・検品・発注・調理・配膳・衛生管理・事務仕事などを行う会社を委託給食会社といいます。学校や保育園のみならず会社の社員食堂や病院の料理の中でも産婦人科の出産後の特別食、アスリートの食事管理など幅広く展開しています。直営で行っていると急な退職があったときどうしても他の職員の負担が増えてしまったり、衛生管理などの決まりが古いままであることがあります。委託給食会社ではどこに行っても同じように衛生管理できるよう徹底されていて安心して任せることができるところは魅力の一つです。

委託給食会社で働くメリット

今の時代給食関係の求人の多くは委託給食会社ですが、福利厚生がしっかりしている会社も多く人気が高まっています。

異動がありさまざまな職場で働ける

委託給食会社の一番のメリットは転職することなくいろんな職場で働くことができることです。委託会社は全国的に展開しているところも多く、結婚や引っ越しの際には希望の配属先に所属できる可能性もあります。また人間関係がどうしても合わない場合に本部に相談し異動希望を提出するなど、すぐに退職と判断をすることなく環境を変えることができます。さまざまな環境で働くことで知識と経験を増やすことが可能となり、いずれ転職する機会があって他の会社に行っても即戦力になれます。

栄養士として基礎全般を学べる

栄養士も入社後は一緒に調理に携わることが多いため、現場を知ることができます。新卒で入社した場合は同期での研修などの機会も設けられていることが多く、違う環境で働く栄養士と情報共有も可能。栄養士といえば献立作成がメインだと思われがちですが基本的に現場で調理作業を行うことが日常的に多くみられます。調理師と一緒に調理に関わることで献立の課題も見えるようになるだけでなく調理師に比べて栄養士は調理経験が少ないため現場に入ることで調理技術を身につけることができることは大きなメリットの一つです。

コミュニケーション能力が身につく

栄養士は普段から調理師と関わりが深く頻繁にやり取りすることが多いためコミュニケーションは必須です。その他にも直営の栄養士や管理栄養士がいることが多いため、連携を取りながら施設の他職種の方とも良好な関係を築いていく必要があります。直営で行われる会議に参加する場合もあるのでしっかりコミュニケーションをとり信頼関係を構築しましょう。

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委託給食会社で働く際大変なこと

これまでに委託給食会社で働くメリットや魅力をお伝えしましたが、働く上で大変なこともあります。どの職業にも関係する内容もありますが、説明していきます。

調理・配膳等動きが多く激務となる

仕事内容は調理だけでなく幅広く行うため負担は多く、立ち仕事で重い食材や鍋を持ったり届いた食材を冷蔵庫に入れたり体力が必要な仕事です。学校給食だと昼食のみの一食ですが、病院調理になると朝・昼・晩の三食でおやつ作りもある場合があります。病院だけでなくどこの委託先でも提供時間は決まっているため限られた時間の中で調理しその後栄養士や管理栄養士による確認をしたのち配膳となります。アレルギー対応食や減塩食・糖質食などすべて同じものを提供するわけではないので、調理師が作った後必ずチェックが必要となります。忙しいときに見逃してしまうのが異物混入ですが、調理師が気を付けることはもちろん、もし起こったときに栄養士の最終チェックで気づくことで安心して給食を食べてもらえるのです。

人間関係のトラブル

委託給食会社にとどまらずどの職場でも人間関係の問題は必ずといっていいほど起こります。委託給食会社で働く栄養士の場合、現場の調理師と直営の管理栄養士との間で板挟みになることも少なくありません。直営の管理栄養士からこういう風にしてほしいとお願いされたことを現場の調理師に伝えるとそれはできない等のやりとりは多く見受けられます。献立作成も現場で調理もどちらも携わるからこそ、双方の気持ちがわかるため栄養士が悩んでしまうことは珍しくありません。委託給食会社の場合定期的に本部のマネージャーや担当などが連絡や訪問する場合も多いため、1人で悩まず相談できる環境を利用し解決しましょう。

人の入れ替わりが激しい

これは委託給食会社だけではありませんが、給食業界は人材不足といわれています。給料の割に仕事量が多く、思っていた仕事内容と違うと退職してしまうことも多い現状です。また新規立ち上げなどもあるためメンバーのヘルプで環境が変わってしまって負担が増えるなど委託ならではの悩みも。実際に直営の求人数は少なく委託給食会社の求人が多くみられますが離職率は高く求人倍率が低い現状です。

本社と現場の認識の相違

就職の際の面接や研修などで本社の方と関わる機会があっても大きい委託会社になればなるほど現場で働きだしたら接点は多いとは言えません。病院や学校との契約のやり取りやなにか問題があったとき本社が対応することが多いですが、現場に普段いない分すべての情報を把握できていないことも。そういったことから認識の相違がどうしても生まれてしまいます。現場の責任者は本部の担当などとこまめに連絡を取るように心がけて、困ったことや起きたことをすぐ情報共有しておきましょう。

未経験でも採用している会社も多い

委託給食会社は未経験でもOKな求人が多数見られ、研修などにより社員教育に力を入れている会社が多いため入社自体のハードルは高くありません。所属される場所でのルールはもちろんありますが、衛生管理など会社によって徹底されたルールを作っているので現場に出る前、あるいは入社して早めに研修が実施されます。そのため新卒に限らず中途採用も多く委託給食会社を退職してより条件のいい同業他社に転職することも珍しくありません。

現場から本社勤務への移動も可能

頻繁にあることではないですが現場で経験を積んだ後本社へ異動する社員もいます。現場で働いた経験と知識がある分、現場の声に寄り添い理解することができるため重宝されています。全国展開している給食委託会社だと地域ごとにエリアマネージャーがいることが多く、マネージャー業務から任されることも。現場と本社をつなぐ大切な役割を果たしています。

まとめ

給食委託会社とは直営に代わり献立作成から発注・検品・調理・配膳など一連の作業を行う会社のこと。契約内容によっては献立作成は直営管理栄養士が行うと決まっている場合もあります。
転職せずにいろんな環境で働くことができるため知識や経験も増える上、結婚や引っ越し・人間関係で困った際に異動の相談もできます。栄養士の場合でもまずは調理に携わる場合が多く、思っていた仕事内容ではないと感じることもあることを知っておきましょう。
未経験からでも採用している会社も多いので新卒に限らず中途でも十分採用の可能性があります。委託会社ごとに福利厚生や委託数なども異なるため自分に合った環境の会社を探して応募しましょう。

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