調理師の求人について 仕事内容や求人を選ぶポイントの解説
目次
人間が生きていく上で食事は欠かせないものであり、料理を作ることに関してのプロとして働く調理師には多くの求人募集があります。
仕事内容や労働条件に多くの種類があるのはもちろん、求人を探す方法や、その仕事に活かせる他分野のスキルまで、調理師における就職活動のポイントは様々です。
この記事では、調理師の求人を探す方法、仕事内容、求人の種類、募集内容、求人を選ぶポイントについて、それぞれ解説させていただきます。
たとえ似たような仕事内容であっても、所属する会社や勤務地によって労働条件は全く異なるため、情報の確認と注意は必要不可欠です。
この記事を通して、調理師の方が新しく仕事を見付ける際のサポートが出来ましたら幸いと思います。
調理師の求人を探す方法
転職・求人サイト
調理師に限らず、就職や転職を考える際に、多くの人が利用するのが求人サイトです。
いわば求人情報の掲示板のようなものであり、サイトによって募集している案件や内容も変わるため、一種類だけでなく複数の種類に登録し、希望の条件に出来るだけ近いものを探してみるのが良いかと思います。
スマートフォン対応のアプリ版になっているものも多く、もっとも手軽に有効活用できる手段のひとつです。
スカウトサービス
求人サイトに似ている部分があるスカウトサービスですが、異なる点として、求人サイトは求職者側が企業の情報を閲覧し、その企業へ審査や面接を希望するのに対し、スカウトサービスは求職者が経歴などの情報を登録し、その求職者に対して企業側が直接オファーやスカウトを行う点にあります。
近年、テレビCMなどで見かけることの増えた、「登録するだけでオファーが届く転職活動」などと謳われているものがスカウトサービスです。
注意点として、調理師は直接的な客商売である以上、経歴よりも面接において、清潔感や人間性を直接評価する比率が高い傾向にあるため、オファーがあったからといって確約とは限らないことは覚えておくことが良いかと思います。
縁故(えんこ)による紹介
縁故とは人のつながりを意味する言葉で、前に働いていた会社の上司や、現在一緒に働いている同僚が過去に働いていたお店など、調理師の仕事を通じて出来た人間関係伝いに仕事を紹介してもらえる場合もあります。
仕入れに使う業者は様々な飲食店を営業相手にしていることから「あそこの店が若い料理人を探している」、「あの会社が新規オープン店の料理長候補を募集している」など他店の話が回ってきたり、常連のお客さんがよく行くお店で人が足りていないなどの情報が回ってきたりと、調理師は商売上ではもちろん、働く中でも人間関係が重要な職業のひとつです。
店舗に張り出されている求人
客側として飲食店にて外食をする際、店舗の入り口やお手洗いに求人募集の情報が張り出されている場合もあります。
主に居酒屋やファミリーレストラン、ショッピングモールの休憩所内にある掲示板などに掲載されていることが多く、正社員だけでなくアルバイトや契約社員など、幅広いのが特徴です。
実際にお客さん目線で店舗の現場を確認できるという意味では、ある意味、他の求人募集の方法よりも利点があるとも言えます。
調理師の仕事内容
調理師はその名の通り、料理を作るプロフェッショナルであり、美味しい食事を衛生的かつ安全に作ることが主な業務である職業といえます。
食事を提供する相手が飲食店のお客さんか、療養施設の方か、給食や食堂の学生か、専属のスポーツ選手なのか、誰であってもスタンスを変えることなく、食に対する有意義な時間を提供することが調理師の努めです。
調理師の求人の種類
人間が生きていく上で欠かすことの出来ない”食事”に関するプロフェッショナルであるため、求人自体は数多く、様々な種類があります。
外食産業
外食産業とは、家庭外にて食事をする空間を提供するサービスの総称を指し、主にファーストフードやファミリーレストラン、大衆居酒屋など、大規模なチェーン展開を行っている飲食業の総称です。
メリットとして、会社の母体が大きいことによる安定した労働環境や、全国へ広くチェーン展開を行っていることによる、引っ越しなどで居住地が変わっても近くに同じお店があることで引き続き経験を活かすことができる点があります。
デメリットとしては、人件費の削減のために外国人を雇うことも多く、言語による職場内のコミュニケーションの不自由や、既製品の多様による、自身の調理技術面での能力向上が見込みにくい点があげられます。
とはいえ、ファーストフードやファミリーレストランでチェーン展開しているお店はどこの土地でも多数あり、働き方自体は共通する部分も多く、常に働き口があるのは大きな魅力であるといえるため、経験しておいて損はない職場です。
年収の平均として、20代で約263万円、30代で331万円、40代で387万円、一部上場企業のような大手だと勤続年数に応じて400万円~500万円代であることも少なくありません。会社によっては、賞与や退職金に福利厚生も安定、有休消化の面も良好ですが、チェーン展開しているお店の多くは定休日を設けていないことが多く、休みはシフト制になるため連勤が続くこともあります。反対にいえば、定休日がない分、シフト作成によっては自由に時間の作れる働き方もできるかと思います。
小、中規模の会社に比べると安定した労働環境が見込める点が特徴といえますが、反面、お店の人件費削減のために既製品を多く使うなどの点は多少なり存在するため、働く際には検討すべきポイントとなります。
町場のレストランやホテル内の宴会場
チェーン展開されている飲食店ではなく、小・中規模の会社の運営する飲食店、町場の個人経営レストランや、ホテルに入っているレストランなど、「外食産業」と明確な違いの定義があるわけではありませんが、調理師として働くというよりは「料理人」として働く選択肢です。
メリットとして、働く店舗の形式にもよるものの、料理人としての知識や調理技術が向上することで、他店で働き始める際もある程度優遇されることが多くなります。
また、料理人としての人間関係も作ることが出来るため、いろいろな仕事の仕方、ものの考え方、他店への働き口にの紹介など、チェーン店ではなかなかできない経験値を積むことも可能です。
デメリットとしては、給与面や拘束時間などの労働条件が良くない場合が多い点、職人気質な人間が多い職場だと厳しい修行のような内容になる点などがあげられます。
年収の平均としては、20代で約216万円、30代で約295万円、40代で約342万円、50代で約363万円、日本国民の平均的な収入と比べると全体的に低い水準ですが、会社の業績によりインセンティブがあったり、賞与がない代わりに月々の額面がやや高めに設定されていたりと、中小企業は会社ごとに自由度が高い点が特徴です。
小さなお店では、曜日ごとに定休日を設けていることで、月々の休みが安定する場合も多く、福利厚生もしっかりしている会社が多いものの、なかには自身で行わなけらばならない会社も存在するため、額面が高いからといって安心してはならない部分にも注意が必要といえます。
平均的な収入は低いものの、拘束時間が長いことや食事補助が出ることから生活費による出費が少ない点や、直接お客様に喜んでもらえるやりがいを実感できるという点においては、他業種にはない特徴的な部分といえるでしょう。
学校給食や給食センター
小、中学校の学校給食や高校、大学の食堂などで働く場合は、学校に入っている給食室(調理室)で働く場合と、給食センター(セントラルキッチン)で働く場合があります。
共通するものとして、主に管理栄養士の立てた献立通りの作業をするという点があり、特別な技術は必要ではないことから技術面でのハードルは高くはなく、学校のスケジュール通りの勤務のため長期休暇や土日祝休みが実現する点や、朝早くに始まり終業も早く残業がほぼない点、お客様相手ではない分、調理のみに集中できる点などが働く上でのメリットです。
反対にデメリットとしては、量が多いことによる作業量の多さや力仕事、予め立てられた献立通りの作業のため自由度は少ないことなどがあげられます。
年収の平均としては、20代で約283万円、30代で約305万円、40台で約332万円、50代で351万円、役職手当込みで約412万円~650万円、会社にもよりますが賞与や退職金があるところも多く、有休消化率の高さや土日祝日が完全休日制なことも魅力であり、調理師業界においては好条件の部類といえるほうで、家事や育児、プライベートと仕事の両立などを図る上で、バランスの取りやすい働き方のひとつといえるでしょう。
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求人を選ぶときのポイント
飲食店は身の回りに多数あるからこそ、求人を選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。
雇用形態
飲食店の雇用形態には、正社員の他にもアルバイトやパートをはじめ、日給で働く派遣スタッフや、時間指定で働く日払いスタッフなど、多くの形が存在します。
募集している求人内容と、自身が希望する内容が合致しているか、応募する前に確認しておくことは必須です。
勤務地
労働時間の長くなりがちな飲食業において、出勤時間だけでなく退勤時間も気にする必要があり、自宅から店舗までの交通手段や経路、所要時間などの把握は、日々の負担にもなりかねないことからよく検討することが必要になります。
面接を受けた店舗からの異動、募集と違う店舗への配属などの場合もあるため、確認しておくことも重要なポイントです。
労働条件
働くことは、お金を稼ぐことが全てではありません。
給与額はもちろん、実際の労働時間、福利厚生、賄いのような食事補助から、交通費支給、会社によっては家賃補助などの保障がつく場合もあります。
求人に応募する前にいくつか候補を出し、労働条件を比べながら考えてみるのも大切です。
活かせる経験、スキル(語学、調理師以外の資格、経験)
調理師として働く上で、役立つ経験やスキルについて、いくつかご紹介いたします。
英語
外国人のお客様へ接客する際、多少でも英語の知識があることでスムーズな接客が可能です。
世界各国の共通語となる部分があるため、英語表記のメニュー作成などにも役立てることが出来ます。
栄養士
料理はおいしければ良いというだけではなく、栄養学的な側面から病気療養と緻密に結びついていたり、筋肉トレーニングやダイエットにおいて、数値を計算して理想的な栄養を必要分摂取したりと、栄養学についての知識があるとおおいに役立ちます。
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PC業務
本社や他店とのやりとり、売り上げの管理、メニューの作成から原価率の計算まで、パソコン操作の知識は必ずといって良いほど必要なものです。
職人気質な料理人は機械が得意でないことも少なくなく、パソコン業務の経験は調理師の世界においても、自身の強みとして発揮する場面が多くなります。
まとめ
人間が生きていく上で食事は欠かせないものであり、料理を作ることに関してのプロとして働く調理師には多くの求人募集があり、その方法は様々です。
具体的には、
・各種求人が張り出されている掲示板のような求人情報サイト
・自身の情報を登録することで企業側からアプローチが届くスカウトサービス
・過去の同僚や業者伝いなど、仕事に関する人間関係からの紹介による縁
・店舗などに直接張り出されている募集への応募
などの方法があげられます。
調理師としての求人の種類も多く、
・ファーストフードやファミリーレストランなど、全国に広くチェーン展開している外食産業
・町場のレストランやホテルの宴会場
・学校給食や給食センター
など、料理を作るという作業は同じでも、提供する相手や料理の内容などによって働き方は様々です。
たくさんの求人のなかから、自身に合う雇用形態や勤務地、労働条件や持っている資格、スキルに経験などを考え、納得のいく職場で働くことで、日々の生活も安定し、満足度の高い毎日を送ることができるでしょう。
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