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節分の本当の意味とは? 歴史や由来、地域別のかけ声の違いについても合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/16
更新日:2022/12/12
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目次

「鬼は外、福はうち」のかけ声で豆まきを行う節分。なぜ、節分の日に鬼を追い払うのでしょうか。なぜ、豆を使うのでしょうか。

この記事では、節分の意味や由来、節分に食べるもの、地域による風習の違いなどについて解説いたします。
記事を通して、節分について理解を深めることができます。

節分の本来の意味と由来を紹介

節分とは、そもそもは季節の変わり目のことで、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前日をさします。
古くは、立春を年の初めと考えていて、その前日である節分を大晦日として特に重視するようになりました。
現在でも立春の前日に節分の日として豆まきや邪気払いの行事などが行われています。
 

なぜ節分に豆まきをするのか解説

節分の豆まきは、追儺(ついな)と呼ばれる朝廷の年中行事に由来するとされています。
追儺とは、中国から伝わった、さまざまの道具を用いて疫病や災難などの悪疫を追い払う行事です。鬼やらいとも呼ばれ、元々は大晦日の夜に行われていました。
当時の節分の儀式は災害除けや長寿を目的とした読経を行っていましたが、次第に追儺の風習が入り込み豆打ち(豆まき)が始まり、民間にも広まりました。
 
豆を使用する理由には、以下のような様々な言い伝えがあります。

  • 「魔滅(まめつ)」=魔物を滅する という意味
  • 中国の医書には大豆は鬼毒に効果があると記されていた

 

地域による風習の違いについて解説

一般的に「鬼は外、福は内」のかけ声で行う豆まきですが、地域や社寺により違ったかけ声で行うこともあります。
以下にいくつかご紹介いたします。
 
・「福は内、福は内」
千葉県の成田山新勝寺では、不動明王の慈悲が大きく、邪悪な鬼も屈服し改心するという考えから、「鬼は外」とはいいません。
 
・「千秋万歳福は内」
こちらは東京都浅草にある浅草寺でのかけ声。浅草寺でも「鬼は外」とはいいません。
観音さまの前には鬼はいないということからこのようなかけ声で豆まきを行っています。
 
・「福は内、鬼も内」
群馬県藤原市の鬼石では、地名にちなみ、全国から追い出された鬼を呼び入れるかけ声になりました。
 
・「あげ申す、あげ申す」
福島県福島市によると、まず、「天照皇太后様に残らずお供えします」と唱えながら、炒った大豆を神棚にお供えし、その後神棚に向かって「あげ申す、あげ申す」と言い下手から豆をまくそう。さらにその後、「鬼は外、福は内」と2回ずつ言いながら全部の部屋にまきます。
 

節分に食べる食べ物とは?

節分の日の食事というと、恵方巻や豆を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は他にも節分の日に縁起が良いとされている食べ物があり、豆まきのかけ声と同様、地域により違いがあります。
以下にご紹介いたします。
 
・恵方巻
食べるようになった理由には諸説ありますが、大阪の商人や花街の女性たちから始まったという説が有力とされているようです。コンビニエンスストアで販売されたことから全国に広まりました。
その年の恵方を向いて食べる恵方巻。恵方とは、歳徳神(としとくじん)が司る方向でその年の縁起の良い方向とされています。
恵方巻を切り分けずに1本そのまま食べるのは「縁を切らない」ため、無言で食べるのは「口から福が逃げない」ようにするためといわれています。
 
・豆
鬼を払うための豆です。前述のように、豆には病気や災害の鬼を退治する効果があると考えられてきました。
北海道・東北地方・北陸地方や九州の一部地域では落花生、そのほかの地域では大豆を使用することが多いのだそうです。

・いわし
「柊鰯(ひいらぎいわし)」と呼ばれる柊の枝に鰯の頭を刺した飾りがあります。
鬼が苦手な鰯の匂いとの葉の棘で鬼の目を刺すことで鬼の侵入を防ぐといわれています。反対に、鬼が好きな鰯でおびき寄せ、柊の棘で目を刺すという説もあるそうです。

・こんにゃく
こんにゃくは昔から「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼ばれ、体の不要な物を掃除する目的で食べられてきました。
こちらは四国地方が発祥といわれています。
 
・けんちん汁
けんちん汁は、鎌倉にある建長寺が発祥の地。
おもに関東地方の節分で食べられています。
冬の行事食として食べられていたものが節分でも食べられるようになったと考えられています。

・そば
前述の通り、昔は立春の前日の節分は大晦日ように考えられてきました。
そのため、大晦日に年越しそばを食べるのと同様に、節分でも蕎麦を食べるようになったといわれています。
 
・クジラ
山口県では、節分に大きなものを食べると縁起が良いとされており、「大きな幸せ」や「大きな志」願い、食べられています。
 
まとめ
元は春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前日を指していた節分ですが、立春の前日が大晦日として重要視されるようになり、現在では「節分=立春の前日」となりました。
一般的に「鬼は外、福は内」のかけ声で行われる豆まきですが、地域により、「鬼は外」をいわないことや「鬼も内」というかけ声の地域もあります。
また、食べ物についてもかけ声と同様、地域により、こんにゃくやクジラを節分の日に食べることもあります。

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