秋田県の郷土料理について解説 特産品や伝統料理のレシピも紹介
目次
秋田県といえば、秋田こまちやひとめぼれなどのお米を想像する方が多いのではないでしょうか。
しかし、秋田県は日本海で獲れる新鮮な海の幸、広大な自然の中で育てられる野菜、家畜などの産物も有名です
本記事では、秋田県の生産高が高い農産物や郷土料理についてご紹介いたします。
秋田県の生産高が高い農産物を紹介
秋田県は、夏は梅雨が短く、比較的涼しい気候が特徴です。
野菜や畜産はもちろん、秋田といえばお米も非常に有名です。
秋田県の生産高が高い農産物について詳しく紹介いたします。
秋田県の伝統野菜
秋田県には、独自の伝統野菜が多く存在します。
伝統野菜とは、下記の条件を満たすものです。
- 昭和30年以上前から県内で作られていたもの
- 人名や地名がついているといった、秋田に由来しているもの
- 現在でも生産物が手に入るもの
これらは秋田県の気象や耕地条件などによって、その土地ならではの味として受け継がれてきた物です。
しかし、その多くは品種改良され、徐々に生産者が減少している傾向にあります。
また、秋田県ではネギや枝豆などの馴染み深い野菜も多く存在します。
秋田県で収穫される野菜は下記の通りです。
- 枝豆
- ネギ
- アスパラガス
- 菌床しいたけ
- トマト
- きゅうり
- スイカ
- メロン
秋田県では、地域ごとに作られている野菜が異なります。
また、りんごやもも、ブルーベリーなどの果物も数多く生産しています。
日本を代表する米の産地
秋田県といえば、人気ブランドでもある「秋田こまち」が有名です。
青森県と秋田県にまたがる白神山地からのミネラル豊富な水資源、冬の雪解け水、日本海に流れ込む暖流・対馬海流の影響により、米作りに非常に適した土地といわれています。また、奥羽山脈により、北東の冷たく湿った風をせき止めるだけでなく、一部の山脈を超えた風は気温が上がります。この高温な風により、稲の成長を促す効果があるのです。
さらに、秋田県は昼と夜の寒暖差が激しく、日照時間も長いため、お米を作るのに非常に適した環境といえるのです。
秋田県で有名なブランド米は下記の通りです。
- 秋田こまち
- ひとめぼれ
- ゆめおばこ
- めんこいな
- 淡雪こまち
- 秋のきらめき
- つぶぞろい
もっちりとして食べ応えのある食感のお米が多く、多彩な品種が多いのが特徴です。
秋田県では畜産も盛ん
秋田県は、牛肉や豚、鶏などの畜産が盛んです。
秋田県のお米を餌として与えられる家畜が多く、柔らかい肉質とあっさりとした甘みのある肉が老い傾向にあります。
特に、「秋田牛」は2014年からブランド牛としてデビューし、現在では海外へ輸出の取り組みも行われています。
秋田県のお米を食べて育った牛は、オレイン酸と呼ばれる物質を多く含み、脂が口になかで溶けるような柔らかい食感が特徴です。
また、秋田県は三大地鶏の一つでもある「比内地鶏」の生産地でもあります。
肉の味が濃く、歯応えのある食感が特徴です。
秋田県で有名な畜産は下記の通りです。
豚
- 秋田純粋豚
- 秋田シルクポーク
- 秋田美豚
- さくら豚
牛
- 秋田牛
- 羽後牛
- 秋田錦牛
- かずの牛
- 三梨牛
鶏
- 比内地鶏
日本海の恵みが詰まった秋田県の水産
日本海に面する秋田県では、約150種類ほどの魚が取れるといわれています。
北は白神山地、南は鳥海山のミネラル豊富な湧水が海に流れ込むため、美味しい海の幸が味わえるのです。
また、秋田県の真ん中に位置する男鹿半島では日本海で獲れるの大半の海産物が獲れるといわれています。
季節に応じて旬の魚を味わうことができ、特に、秋の味覚「ハタハタ」は秋田県を代表する魚といえるでしょう。
秋田県で獲れる魚は下記の通りです。
- サクラマス
- マダイ
- トラフグ
- 赤エビ
- 黒マグロ
- ハタハタ
- マダラ
- ズワイガニ
さらに、秋田県はフグが楽しめる日本最北の地といわれています。
秋田で水揚げされるフグは、水温の低さから身の引き締まった味わい深い点が特徴です。
秋田県の郷土料理を紹介
秋田県は、海の幸や山の幸がとても有名です。
地域特有の環境でもとで育った食材をいかした郷土料理や伝統料理が存在し、昔から「食の宝庫」と呼ばれていた地域の1つです。
特に秋田県は冬の期間が長いため、漬物や味噌などの発酵食品、米所であることからお酒作りも盛んに行われています。
秋田を代表する郷土料理をいくつか紹介いたします。
秋田発祥の漬物「いぶり漬け」
いぶり漬けは、秋田県発祥の郷土料理で、「いぶりがっこ」とも呼ばれます。
一度燻製にしてから、さらに発酵させるという製法で作られています。
いぶり漬けの誕生には秋田県の気候が関係しているのです。
秋田県の気候は日照時間が短く、冬が長い傾向にあります。また、豪雪地帯でもあるため、野菜を外で天日干しすることが難しい。
そこで、室内で野菜を干し囲炉裏の煙で燻されたことがいぶり漬けの発祥といわれています。
<材料>
- 漬物大根 10本
- 砂糖 1袋
- 塩 1袋
<作り方>
- 漬物大根を洗い、「く」の字に曲がる程度まで1週間ほど干す。
- 燻製器を用意する。なければ段ボールの箱でも代用可能
- 葉の部分は燻製にせず、燻製箱に大根を並べて入れる
- 煙が逃げないように全体をビニール袋で包む
- 5時間ほど燻製にしたら取りだす
- 燻製にした大根の葉を落とし、よく洗い再び2時間ほど干す
- 漬物用のビニール袋に大根を入れて重さを測る
- 重さに対して砂糖12~15%、塩4~6%入れる。砂糖と塩を入れたらビニール袋の口を閉じる
- 3日目くらいから食べることができ、1日1回袋を揉んで中身を馴染ませたら完成
参考:産直農家の「簡単いぶり大根」 by 三国バイオガーデン 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが374万品 (cookpad.com)
高級魚を使った「ハタハタ寿司」
ハタハタ寿司とは、野菜と米を麹を使用して発酵させたものです。
昔は冷蔵庫がなく、保存期間を延ばすために作られたといわれています。
地域ごとに作り方が異なり、入れる野菜や味付けが違います。
ハタハタはかつて、年間1万トンをこえる漁獲量を誇っていましたが、現在では気候の変動や日本海の水温の低下により高級魚として扱われています。
<材料>
- ハタハタ 10kg
- 塩(下漬け) 100cc
- 塩(本漬け) 110g
- みりん(本漬け) 1合
- にんじん(本漬け) 4本
- ふのり(本漬け) 15g
- 食酢(下漬け) 500cc
- ゆず、生姜(下漬け) お好みで
- 麹(本漬け) 400g
- (本漬け) 1合
- 笹の葉(本漬け) 70枚
- 南蛮(本漬け) 10本
<作り方>
- ハタハタの頭、内臓、尾を取り除く
- 塩でヌメリを取りながら冷水で洗い流す
- たっぷりの冷水に浸して三昼夜血抜きする。水は朝夕の2回交換する
- 血抜きを終えたハタハタを2~3等分に切り、さらに一昼夜冷水に浸す
- 水からザル上げして食酢(下漬け)と塩を入れ軽めの重し(2kgほど)をして一昼夜漬け込む。好みでゆずや生姜も
- 本漬けの漬け込む野菜を用意しておく
- 炊いた米の粗熱をとり、麹(本漬け)を混ぜて暖かいところで2~3時間ほど保温する
- 桶に笹の葉をまんべんなく敷き、塩(本漬け)、酒、みりんと合わせた⑦を敷き、ハタハタを平らに敷く
- ⑧を交互に積み、最後に笹の葉で覆い、重し(5~6kgほど)をして2日ほど置く
- 水が上がってきたら、20~30kgまで重しを追加する
- 3週間ほど涼しいところで発酵させて、桶の中の水を取り除いたら完成
参考:ハタハタ寿し 秋田県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
秋田のおもてなし料理「きりたんぽ鍋」
きりたんぽ鍋とは、調味料と鶏ガラで作った汁にご飯をすり潰したものと野菜を入れた料理のことです。
鹿角地方や大館が発祥で、残り飯をすりつぶして棒に刺して焼いたものを鶏鍋に入れたことが始まりといわれています。
来客をおもてなす時に出される料理で、冠婚葬祭の際に振る舞われることも多いようです。
<材料>(約5人分)
- きりたんぽ 10本
- 比内地鶏 200g
- 舞茸 100g
- 長ネギ(斜め切り) 3本
- せり(4~5cm切り) 150g
- 酒 30cc
- 水 1000cc
- 比内地鶏鶏ガラ 1羽分
- 糸こんにゃく 1袋
- ごぼう(ささがき) 120g
- 醤油 80~100g
- 塩 少々
<作り方>
- 鍋に鶏ガラを入れてしばらく煮出し、アクをすくい取りながら出汁を取る
- ①のガラを取り出し、鶏肉とごぼうを入れて再びアクを取りながら煮込む
- ②が煮えたら糸こんにゃくと舞茸を入れ、煮えたら醤油、酒、塩を加えて好みの味に調える
- ③の鍋にふたつ切りにしたきりたんぽを入れ、長ネギとせりを乗せて一煮立ちしたら完成
参考:きりたんぽ鍋 秋田県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
まとめ
秋田県は、お米やお酒だけでなく、海の幸や山の幸も有名です。
豊富な水資源とそれぞれの農産物に適した環境によって歴史ある郷土料理が数多く誕生しました。
秋田県に旅行した際は、秋田の歴史を食文化と共に感じてみてはいかがでしょうか。
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