北海道の郷土料理は? 特産品や伝統料理のレシピも合わせて紹介
目次
北海道は、広大な耕地と3つの海域に面した自然豊かな地域です。
北海道の寒さは厳しいですが、その特性に適したさまざまな産物や食文化が数多く誕生してきました。
本記事では、北海道の農産物や郷土料理について紹介いたします。
北海道の生産高が高い農産物を紹介
北海道は、厳しい寒さと広大な自然によって、たくさんの農産物が取れることが特徴です。
海の幸をはじめとして、野菜や米、畜産まで、北海道が誇る食材は多岐に渡ります。
北海道の生産高が高い農産物について詳しく解説致します。
北海道で生産される野菜は?
北海道の気候は、野菜を育てるのに最適な気候です。
野菜は、昼と夜の寒暖差が激しいほど美味しくなりやすく、野菜の糖度が高くなるためです。
また、北海道は日照時間が日本最長でもあり、光合成によって糖分を蓄える時間が長くなります。
日中に蓄えた糖分を蓄えておく時間があまりないことから、野菜の甘みや栄養がそのまま育ちやすい傾向にあります。
寒暖差の激しい北海道では、トマトやブロッコリーなどの鮮やかな野菜が多く生産されます。
北海道で収穫される野菜(生産量順)は下記の通りです。
- じゃがいも(ばれいしょ)
- 玉ねぎ
- にんじん
- 大根
- かぼちゃ
- とうもろこし
- 山芋
- トマト
- キャベツ
- 白菜
また、北海道の耕地面積は日本全体の約25%の広さを誇ります。
気候だけでなく、土壌や自然条件が恵まれていることから、幅広い野菜を作ることが可能です。
参考:令和4年度農林水産統計公表資料(北海道):北海道農政事務所 (maff.go.jp)
北海道の米生産について解説
北海道といえばお米も有名といえるでしょう。
北海道で本格的な稲作が始まったのは、明治時代になってからです。
道南地域で栽培されていたこともありましたが、北海道の厳しい寒さにより、当時はなかなか成功しなかったと伝えられています。
明治維新の後から、北海道の稲作の成功に向けた積極的な開拓が始まり、農民たちの協力や工夫によって稲作が成功しました。
その後、水田の面積も増え続け、今では日本有数のお米の産地となっているのです。
北海道のお米は、厳しい寒さに耐えられるように品種改良されたお米です。
本州で作られているお米の品種とは異なり、コシヒカリやひとめぼれ、つや姫などの稲は栽培できません。
これらの品種は、寒さだけでなく、日照時間が短くないと穂が出ない性質を持っています。
栽培に成功しても、わずかな量しか収穫することができないのです。
北海道で収穫できるおもな米の品種は下記の通りです。
- ふっくりんこ
- ゆめぴりか
- ななつぼし
- きらら397
- ほしのゆめ
- おぼろづき
- きたゆきもち
また、耕地面積の広い北海道では地域によって気候や土壌が異なります。
お米の品種によって作られる地域が違うため、それぞれの品種に適した地域で育てることができるのです。
お米の美味しさを引き出すことができ、大規模な農業ができるためコストパフォーマンスが良いのも特徴といえるでしょう。
北海道の畜産は?
北海道は、日本一の牛肉の産地です。
全国総頭数の20%を占めており、その多くが道外の量販店や小売店などで販売されます。
明治初頭から酪農に力を入れている歴史を持ち、現在も生産技術を磨き、研究し続けています。
また、牛は寒さに強く、暑さに弱い性質があるため、北海道の気候は牛にとって最適といえるのです。
広大な土地で伸び伸びと育った牛は、ストレスが少なく、高品質です。
さらに、北海道ではチーズや牛乳などの酪農も盛ん。
北海道の乳牛の全国シェアは50%以上といわれており、高品質な乳製品もたくさん作られています。
北海道で生産が盛んな畜産物は下記の通りです。
- 牛肉
- 豚肉
- めん羊
- 鶏卵、ブロイラー
- 養蜂
また、牛肉や乳製品の他に、羊の畜産も非常に有名です。
ニュージーランドの技術をいかし、北海道産羊肉のブランド作りにも力を入れています。
北海道の水産業について解説
北海道は、太平洋・日本海・オホーツク海の3つの海に囲まれています。
北海道は、日本の漁獲量の約4分の1を占めており、海産物にも非常に恵まれた地域です。
特に太平洋や流氷が漂着するオホーツク海では、親潮の影響もあり、栄養分が豊富です。
豊富な栄養分と、海水の温度が低いことから、大きくて身の引き締まった魚が獲れる傾向にあります。
また、昆布の産地としても有名で、水揚げされる魚の水揚げ量も豊富です。
北海道には、各所に市場があり、獲れた手の海産物をリーズナブルに味わうことができるのも魅力といえるでしょう。
北海道で有名な水産物は下記の通りです。
- ホタテ
- イワシ
- スケトウダラ
- 昆布
- 鮭
- タラ
- ホッケ
- タコ
北海道の郷土料理を紹介
北海道は、「蝦夷地」と呼ばれており、アイヌの人々が生活していた地域です。
北海道の開拓と共に蝦夷地から北海道に改称され、全国各地から人が集まり、近代化が進んできました。
近代化が進み、北海道の気候や環境に合わせた農業技術を導入し、北海道は国内でもトップの食料供給地域へと発展したのです。
北海道を代表する郷土料理は各地で生まれ、全国的にも広く知られるようになりました。
北海道の食文化は、「道東地域」「道北地域」「道南地域」「道央地域」の4つに分けられます。
各地域を代表する郷土料理を、以下に紹介いたします。
道東地域の郷土料理「豚丼」
B級グルメとしても馴染み深い「豚丼」は、帯広が発祥の地です。
明治時代末ごろから養豚業が盛んに行われ、昭和初期に開発されたのが「豚丼」です。
エリア:十勝・釧路・根室
<材料>(約2人分)
- 米 1.5合
- 豚バラ肉 300g
- 濃口醤油 70cc
- 砂糖 大さじ3
- みりん 大さじ4
- 酒 大さじ4
- 水 1カップ
- 胡椒(山椒) 適量
<作り方>
- 中火で熱したフライパンに豚バラ肉を焼き色が付くまで両面焼く
- 肉を皿に移し、醤油・砂糖・みりん・酒を全て入れ、中火で加熱する。タレが少し焦げたらカップの水半分を入れる(※この作業を2~5回繰り返して行う)
- 沸騰中のタレにバラ肉を投入する。
- 30秒から1分ほど煮詰めたら、再びバラ肉を皿に移し替える
- タレを皿に中火で煮詰め、移しかえた肉をタレにくぐらせる。お好みで山椒や胡椒をかければ完成
参考:【十勝帯広豚丼】北海道有名店の味を再現 by ーD★Riderー 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが374万品 (cookpad.com)
道北地域の郷土料理「三平汁」
日本海に面した道北地域では、江戸時代末期から昭和までニシン漁が栄えました。
ニシンそばなどの各地郷土料理に影響を与えたといわれています。
エリア:上川・留萌・宗谷
<材料>(約4人分)
- 水 1.2L
- だし昆布 適量
- じゃがいも 2個
- にんじん 1/4本
- ぬかニシン 1~2本
- 長ネギ 1/2本
- 塩 少々
<作り方>
- 鍋に水を入れ、昆布で出汁をとる
- じゃがいもは大きめの角切り、にんじんはいちょう切り、長ネギは斜め切りにする
- ぬかニシンは、ぬかを洗い流して輪切りにする。野菜と共に鍋に入れ、火にかける
- 野菜が柔らかくなるまで煮込み、お好みで酒、塩で味付けする
- 長ネギを加え火を通したら完成
参考:ぬかにしん三平汁|北海道ぎょれん (gyoren.or.jp)
道南地域の郷土料理「いかめし」
いかめしは、道南地域が発祥とされている郷土料理です。
函館本線の森駅で考案され、現在も駅弁などで人気の高い料理といえるでしょう。
エリア:渡島・檜山
<材料>(約4人分)
- いか 4杯
- もち米 1と1/2カップ
- だし汁 3~4カップ
- 醤油 大さじ3~4
- 酒 大さじ3~4
- 砂糖 大さじ3
- みりん 大さじ1
<作り方>
- いかの足と内臓を取り除き、足は3等分に切る
- もち米を洗い、1時間ほど水に浸してザルにあげる
- いかの胴体にもち米を5杯分ほど詰め、爪楊枝で止める
- 鍋にいかの足と並べて入れ、材料が隠れるくらいのだし汁を入れて強火で10分程度煮込む
- 醤油・酒・砂糖・みりんを入れて弱火で30分加熱する
- 仕上げに10~15分強火で煮込んだら完成
参考:いかめし 北海道 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
道央地域の郷土料理「赤飯」
特別な日に食べる赤飯は、北海道の道央地域が発祥とされています。
もち米と小豆を混ぜるのが一般的ですが、道央地域では小豆の代わりに甘納豆を使います。
エリア:空知・石狩・後志・胆振・日高
<材料>(約4人分)
- うるち米 1.5カップ
- もち米 1.5カップ
- 水 3カップ
- 塩 小さじ2/3
- ごま塩用の塩 大さじ2
- 黒ごま 大さじ1/2
- 食紅 少々
- 甘納豆 100g
- 紅生姜 30g
<作り方>
- うるち米ともち米を混ぜて洗い、30分ほど水に浸けて水切りをする
- 甘納豆は手早く洗って水切りをする
- 鍋に水を入れ、火にかける。
- 塩と食紅を混ぜ、米を加えて沸騰したら中火で5分、弱火で10分炊く
- 火を止めて蒸らす時に甘納豆を入れる
- 器に盛り付け、黒ごまと塩を混ぜたごま塩を振りる
- 紅生姜を載せたら完成
参考:赤飯 北海道 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
まとめ
自然豊かで広大な耕地を持つ北海道では、野菜から水産まで幅広く行われています。
独自の郷土料理も数多く存在するので、北海道を訪れた際には、その食文化に触れてみてはいかがでしょうか。
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