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長崎県の特産品と郷土料理について解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/13
更新日:2022/12/21
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目次

長崎県は温暖多雨で、対馬暖流の影響を受けて冬は比較的暖かく、夏は涼しい海洋性の気候に恵まれています。複雑な地形をいかし、様々な農産物が生産されています。

また、江戸時代の初期まで朱印船貿易の港として、ポルトガルや、オランダ、イギリスなど、外国との交易が行われていた長崎では、様々な国の文化が混ざり合って、食文化も独自の進化をしてきました。

この記事では、長崎県の農産物や郷土料理について紹介いたします。

長崎県の生産高が高い農産物の紹介

長崎県で生産が盛んな農産物を紹介

野菜では、ジャガイモ、レタス、玉ねぎなど、果物では、びわ、イチゴ、ミカンなどが多く生産されています。中でも、びわの生産量は全国一位で、江戸時代からびわ栽培の歴史があります。長崎びわは露地栽培がおもでしたが、寒害から果樹を守るために、近年ではハウス栽培も積極的に行われるようになりました。

また、「紅まどか」と「ゆうこう」という柑橘類は長崎県が全国シェア100%です。

長崎県の米生産について解説

長崎県では、山間部で自然の採光と、日中と夜間の温度差をいかして棚田での米作りをされている地域があります。

県内では、コシヒカリをさらにおいしくなるよう品種改良された、「長崎ひのひかり」が最も多く生産されています。
味や触感はコシヒカリに似ていますが、少し小粒で厚みがあり、良質な味が特徴です。

長崎県を代表する畜産物を紹介

肉用牛が最も多く生産されており、次いで豚やブロイラーも多く生産されています。

また、長崎市では、有害鳥獣として駆除しているイノシシを活用して、長崎市の特産品「うまかぼたん」として販売。イノシシ肉は牛肉と比較して、低カロリー・高タンパク質で鉄分を多く含みヘルシーな肉とされ、昨今注目を集めています。平成17年度より、「うまかぼたん処理販売組合」を通じて、安心・安全に、衛生管理に配慮しながら加工に取り組んでいます。

長崎県の水産業について解説

長崎県は、漁業生産量は北海道に次いで全国2位、漁獲できる魚種は250種類以上で全国1位です。

変化に富んだ海岸線から広がる広大な海域には、対馬暖流、済州島方面からの黄海冷水、九州からの沿岸水などが流入していることで、多くの島々や複雑な海底地形により好漁場が形成されています。

アジ、ブリ、タイ、イサキ、サザエ、サバ、イワシ、アマダイなどが全国でも上位の漁獲量で、フグやクロマグロの養殖も盛んです。また、水産加工品ではイワシの煮干し品も全国トップの生産量です。

長崎県の郷土料理

その名はすでに全国区に「ちゃんぽん」

全国的にも知名度の高い、長崎名物の麺料理です。

1899年に、中華料理店の店主が中国人留学生に安くて栄養があるものを食べさせようと考え、野菜や肉の切れ端などを炒め、そこに中華麺を入れてスープで煮込んだボリュームたっぷりの料理を作ったのが始まりとされています。

名前の由来は諸説あり、中国福建省の日常的なあいさつ「吃飯(シャポン、直訳するとごはんを食べましたかの意味)」からきているという説や、当時の中国人の呼び名である「チャン」と日本人の「ポン」からという説など様々です。

一般的には豚肉と紅白かまぼこ、キャベツ、ネギ、モヤシなどの野菜類と、イカ、エビ、アサリなどの魚介類を入れ、麺とスープと一緒に煮込んで作ります。

高級食材いぎすを使った「いぎりす」

乾燥させたイギスという紅藻類の海藻を、米のぬか汁や大豆のゆで汁等で煮溶かし、人参や魚、ピーナッツなどの具を練り込んでから羊羹状に固めた郷土料理です。

「いぎりす」という名称は国名のイギリスとは関係がなく、原材料のイギスが訛ったものとされています。

昔は家庭でも作られていましたが、作るのに手間がかかる上に、原料のイギスが高級食材化したことで、作る家庭が少なくなっています。

「地獄炊き」

「五島うどん」は、長崎県の最西端にある五島列島の古くからの特産品です。島の特産である食用の椿油を塗布しながら、棒状の生地を2本の箸にかけて引き延ばしては束ねるという作業を繰り返して、紐状の細い麺にし、熟成を重ねたあと、乾燥させて作られます。

地獄炊きは、五島うどんの乾麺を鉄鍋でぐつぐつと茹でて、五島沖で獲れたトビウオを使ったアゴ出汁で食べます。

地獄炊きの名前の由来は、初めて食べた旅人が「しごくおいしい」と褒めた言葉を、「地獄おいしい」と聞き間違えたという説が有力です。

味にアクセントをつけるために、ネギ、かつお節、しょうゆを入れて溶いた卵に麺を絡めて食べることもあります。

アレンジ豊かな「かんころ餅」

長崎県の五島地方に古くから伝わる郷土料理です。五島地方ではさつま芋を薄くスライスして天日干ししたものを「かんころ」と呼び、「かんころ」を餅米に混ぜてつきあげたものが「かんころ餅」です。

昔、もち米はとても高価な物でしたが、家族で沢山食べられるようにかんころを混ぜて作ったことが始まりで、五島地方の冬期の保存食として今も各家庭で作られます。

シンプルなかんころのみの味から、ヨモギ入りや紫芋入りのものなどもあり、食べる時にはスライスして焼くのが一般的ですが、最近ではバターをのせたり天ぷらにしたりと、様々な食べ方をされています。

歴史深い「具雑煮」

島原藩領だった島原半島一帯で作られている郷土料理です。

江戸時代初期に起こった島原の乱で、総大将の天草四郎が籠城した際に、兵糧の餅と山の幸、海の幸を合わせて煮て作った料理が始まりとされています。

だし汁に丸餅や、鶏肉、白菜、人参、ごぼう、干し椎茸、などを入れて煮込んで作られます。

まとめ

長崎県は温暖多雨で、冬は比較的暖かく、夏は涼しく、複雑な地形を生かし、様々な農産物が生産されています。また、ポルトガルや、オランダ、イギリスなど、様々な国の文化が混ざり合って、食文化も独自の進化をしてきました。歴史のある郷土料理も豊富にあり、海と山の幸をふんだんに使った料理が楽しむことができるでしょう。

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