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山口県の特産物と郷土料理を紹介

シェアダイン編集部
作成日:2022/10/13
更新日:2022/12/21
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目次

本州の最西端に位置する山口県は三方を海に囲まれているため、美味しい海の幸がたくさんあります。沿岸部や山間部には変化に富んだ地形と多様な自然に恵まれ、様々な野菜や果物が生産されており、海の幸だけではなく、山・川・里の幸も豊富で、昔から美食の文化が栄えた地域として知られています。
 
今回の記事では、山口県の郷土料理についてご紹介いたします。
山口県の農産物を使った美味しい郷土料理について理解を深めていただければ幸いです。

山口県の生産高が高い農産物の紹介

山口県で生産が盛んな野菜を紹介

山口県で生産される野菜の中で、多く生産されているのは、蓮根、大根、キャベツ、玉ねぎ、白菜、トマトなどです。
中でも蓮根の生産量は全国で第5位。実に全国の4.7%ものシェアを占めているのです。
 
農林水産省により、2年に1度生産量が調査される「地域特産野菜」によると、らっきょうが1番多く生産されており、生産量は23トン、全国第10位の量です。続いてオクラ(11トン、第32位)、わけぎ(5トン、11位)と続きます。「わけぎ」とは、長ねぎと見た目がよく似ている野菜で、ねぎと玉ねぎの雑種です。
 
果物は、みかんや梨などが多く生産されており、栗の生産量が全国8位で、全国シェアは3.3%です。
柑橘類以外の特産果実としては、イチジク(37.1トン、24位)、ブルーベリー(9.9トン、32位が多く生産されています。

柑橘類の特産果実は、夏みかんが338.4トンで全国10位、柚子が286トンで全国9位です。そして、セトミが273.3トンの生産量で、全国1位の生産量を誇ります。その他、いよかん、ポンカンの生産量も多いことで知られています。セトミとは、山口県オリジナルの柑橘で、1981年に清見と吉浦ポンカンを交配して作られた品種。
 
その他、穀物類では米、小麦、はだか麦、大豆の生産が多いことで知られています。

山口県を代表する水産物を紹介

水産物ではカタクリイワシ、マアジ、ブリ、サバなどが多く獲れています。
中でも、アマダイの漁獲量は全国1位、23.6%の全国シェアを占めているのが特徴です。

また、サザエの漁獲量は全国2位、12.9%の全国シェア、ナマコ、キダイ、イサキは全国3位の漁獲量を誇ります。
山口といえばフグですが、漁獲量は全国4位、全国シェアは5.6%という多さです。
 
養殖も盛んで、海苔、わかめ、フグ、クルマエビが多く生産されているのも特徴の1つ。
養殖フグの生産量は全国8位、全国シェアは3%。また、養殖クルマエビは全国4位の生産量で、6.6%の全国シェアとなっています。

山口県の郷土料理を紹介

山口県の代表的な郷土料理をご紹介いたします。

岩国寿司

山口県の最東部に位置する岩国市の名物として知られる「岩国寿司」は、かつては岩国城内でも食べられていたとされる歴史あるお寿司です。岩国寿司は押し寿司の一種で、広島や島根でも作られている「角寿司」と呼ばれるもの。

岩国寿司は作り方に他の角寿司とは違う特徴があります。酢飯にほぐした魚のみを入れ、大きな型枠に詰めて、穴子、味付け椎茸、岩国蓮根、錦糸卵、でんぶ、大葉などの具材を飾り、芭蕉の葉をしきりに使います。その上に何層にも重ね、木の蓋をして重しをのせて仕上げるので、見た目は色とりどりで非常に鮮やかです。

ボリュームも満点で、お城で食べられていたことから「殿様寿司」との呼び名もあるほどです。岩国藩主に命じられた料理番によって考案され、山の頂にある岩国城へ運んだり保存したりするのに便利な料理として重宝されていたようです。1つの岩国寿司には4~5升もの米を使って作る、贅沢で豪快なところも魅力です。

おばいけ

クジラの尾びれと身の間の部分のことを「おばいけ」といいます。名前の由来は、羽のような形であることで、漢字にすると「尾羽毛」と書きます。

クジラの部位の中で最も美味しいといわれ、カロリーは低くコラーゲンたっぷりなのが魅力。食感はシャワシャワとしていて、山口県外でも昔からよく食べられています。山口県では、昔はクジラの漁も盛んだったため、山口県の郷土料理として今も親しまれています。

酢味噌で和えて食べるのが最もポピュラーな食べ方です。酢味噌以外では、わさび醤油やわさび味噌などを付けたり、辛味噌やキムチのタレなどで味付けする食べ方も美味しいです。

 いとこ煮

山口県の荻地方で食べられてきた郷土料理の「いとこ煮」は、今では山口県内のいろいろなエリアで食べられています。他の地域にもいとこ煮と呼ばれる小豆とかぼちゃを似た料理がありますが、山口県のいとこ煮は一味違います。

小豆の形が崩れないように煮ふくめて、昆布出汁を加えて一晩置き、そこに白玉、シイタケ、銀杏などを加えます。

いとこ煮という名前の由来は、煮えにくいものから順番に入れて作ることから、順番(追々)、おいおい、甥甥とつながって、「いとこ煮」という名前がついたそうです。

小豆が入っているので、一見ぜんざいのような甘味をイメージしますが、冠婚葬祭の際などの懐石料理として出されることがよくあります。

けんちょう

大根を使った郷土料理で、「けんちょう煮」や「けんちょう炊き」とも呼ばれています。
精進料理だったものが、段々と家庭料理として食べられるようになりました。

大根と豆腐を炒め、醤油や酒で味付けしたシンプルなものから、人参や椎茸、蓮根、ごぼう、こんにゃく、鶏肉などを入れる具沢山なものまで、具材や作り方、味付けは様々です。汁を多めに入れて作り、けんちん汁と似ている「けんちょう汁」と呼ばれるものもあります。

名前の由来には諸説ありますが、鎌倉時代の日常食として食べられていた野菜と豆腐を炒めた汁物が元になっているとする説とそのうちの1つ。けんちん汁も鎌倉の建長寺発祥だといわれているので、鎌倉建長寺説が有力視されています。

瓦そば

瓦そばは、山口県下関市豊浦町周辺の郷土料理です。
熱く熱した石州瓦の上に、鉄板などで炒めた茶そばを載せ、錦糸卵や細切れにした牛肉などをトッピングした料理。
薬味として刻んだ小ねぎ、海苔、スライスしたレモン、もみじおろしなどを添え、麵つゆにつけて食べます。

西南戦争で、熊本城を囲む薩摩郡の兵士達が、戦の合間に瓦を使って野草や肉などを焼いて食べていたことをヒントに考案された料理です。

家庭では瓦ではなく、フライパンやホットプレートを使って焼いて食べられています。紅葉おろしや錦糸卵で飾り付けて、色鮮やかに仕上げて味わうこともあります。

まとめ

山口県の農産物や郷土料理についてご紹介しました。本州の最西端に位置する山口県には、あまり訪れる機会が少ないかもしれませんが、魅力的な郷土料理がたくさんあり一度訪れてみるのもよいかと思います。
また、レシピを見ながらご家庭で山口県の郷土料理を味わってみるのもよいでしょう。

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