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サテライトキッチンとは 仕組みや導入例、メリット・デメリットも合わせて解説

シェアダイン編集部
作成日:2022/09/22
更新日:2022/11/01
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目次

世の中には様々な飲食店が存在しますが、ある程度の規模で店舗展開をしている飲食店は「セントラルキッチン」と「サテライトキッチン」を導入している企業も多いです。導入することで、調理員の負担を大幅に軽減でき、業務改善や経営改善につながるとされていますが、メリットがあればデメリットもあります。

この記事では、セントラルキッチンとサテライトキッチンを導入するメリット・デメリットや導入している企業について解説いたします。

サテライトキッチンとは?概要を解説

サテライトキッチンとは、セントラルキッチンから食事の提供を受けて最終的な配膳を行う施設のことをいいます。

サテライトキッチンでは、セントラルキッチンで調理済みの食品を受け取るので、検収の段階から調理時間や人員を削減することが可能です。

セントラルキッチンとは?概要を解説

セントラルキッチンとは、検収や下処理、調理を一括で行い、そこからサテライトキッチンに配送する施設のことをいいます。

おもにファミリーレストランチェーンを中心に、1970年前後から広く活用されてきました。
近年では、原材料費・人件費の高騰や、調理員の人手不足に対応しようと、福祉施設や学校施設の給食提供でも導入が進んでいます。

複数の施設に対応した食事を大量に、かつ安定的に提供するシステムが構築されており、様々なメリットがあります。

導入されている企業、場所を紹介

サテライトキッチン、セントラルキッチンを実際に導入している企業や場所を紹介いたします。

・ロイヤルホールディングス株式会社
日本で初めてセントラルキッチン方式を導入した企業です。1962年にセントラルキッチン方式を導入し、現在では福岡・東京の2拠点で稼働しています。大量生産をするセントラルキッチンの大型釜でも「料理長が手鍋でつくる、あたたかな味」を基本として、素材選び、味、調理に妥協をせず、様々な商品の安定供給や品質の安定化、衛生管理の強化が可能となっています。
2015年には、福岡工場内でハラル食専用の製造ラインを設置し、ハラル弁当などをグループ内外への販売をスタートしました。
公式サイト:ロイヤルホールディングス株式会社 コーポレートサイト (royal-holdings.co.jp)

・ワタミ株式会社
「ワタミ手づくり厨房」というセントラルキッチンを運営。現在は全国に12施設あり、ワタミグループの外食店舗で使用する食材や、「ワタミの宅食」という事業のお弁当の調理を行っています。自社農場の「ワタミファーム」などから食材を仕入れ、それを加工し、外食店舗や宅食事業の営業所に納品しています。大規模な設備は導入せずに、人の手での加工・製造を中心に行っているそうです。
公式サイト:ワタミ株式会社 公式サイト (watami.co.jp)

・すかいらーくグループ
ガストやバーミヤンを展開するすかいらーくグループのセントラルキッチンは全国に10か所あり、1か所のセントラルキッチンから、多いところでは約500店舗分の配送を行っています。アイスなどの一部の食材以外は、食用油やおしぼり、ボールペン、メモ帳、トイレットペーパーなどの備品も含めて、全てセントラルキッチンから配送し、制服などのクリーニングもお店から集めてセントラルキッチンからまとめて出すことで、徹底したコスト削減に成功しました。
公式サイト:すかいらーくグループ (skylark.co.jp)


・大戸屋ホールディングス
2021年から、一次加工にセントラルキッチンを導入しています。 商品の提供時間短縮のため、大戸屋が大切にしてきた店内調理の基本方針は変えず、大きく味に影響しない一次加工はセントラルキッチンで実施することになったそうです。
公式サイト:株式会社大戸屋ホールディングス (ootoya.jp)


・学校給食
学校給食の、給食センターがセントラルキッチンです。施設・設備・人件費や給食事務を合理化して経費を削減できますが、宗教的配慮やアレルギー食の対応、給食の過程で出る食べ残し・調理くずの給食残滓(ざんし)の問題などがあります。

関連記事:
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セントラル、サテライトキッチンを導入するメリットとデメリットを解説

サテライトキッチン、セントラルキッチンを導入することは、以下のメリット、デメリットがあります。
詳しく解説いたします。

導入のメリットを解説

セントラル、サテライトキッチンを導入することで以下のメリットを享受することができます。

・品質の均一化
複数の施設の調理を一括して行う為、調理技術の格差も無くなり、どの店舗でも同じクオリティで同じ味の料理を提供することが可能です。

・コスト削減
材料を一括で大量に発注することができることから、大量発注によって仕入れ値を下げることが可能となります。また、製造をまとめて行うことで、各店舗で複雑な調理の必要が無くなり、労働時間や人件費も削減することができるでしょう。

・衛生管理の徹底
サテライトキッチンでの調理を最低限にすることで、衛生面のリスクを下げることができます。

導入のデメリットを解説

一方で、セントラル、サテライトキッチンを導入することは、以下のデメリットも懸念されます。

・初期投資
初期投資としての土地の購入や建設には膨大な費用がかかるのです。さらに、セントラルキッチンで作ったものを配送するサテライトキッチンにも、運ばれてきたものを保管しておく冷凍庫や冷蔵庫も追加で必要となり、初期投資がネックといえます。

・食中毒リスク
メリットとして衛生管理の徹底が可能となっていますが、仮に食中毒などの食品事故が起きた際には、セントラルキッチンで製造している食材を使った全ての店舗で営業停止となるリスクがあります。

・各店舗の調理員の技術不足
セントラルキッチンでほとんどの調理を行うことから、各店舗の調理員の調理に技術や知識が不足する可能性が高いです。

・鮮度の低下
セントラルキッチンから、調理した食材を配送するため、調理してから日にちが経ってしまう為、その場で手作りするよりも鮮度の低下は避けられません。

まとめ

サテライトキッチンとは、セントラルキッチンから食事の提供を受けて最終的な配膳を行う施設のことをいいます。
サテライトキッチンとセントラルキッチンを導入することで、品質を均一化できたり、コスト削減ができるというメリットがある一方、初期投資に膨大な資金がかかる事や、食中毒の拡大リスクが上がってしまう事がデメリットです。
大手のチェーン店ではセントラルキッチンを導入している企業もありますが、一次加工のみ行う企業もあるなど、どこまでの調理を行うかは異なります。

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