和歌山県の郷土料理について 特産品やレシピも合わせて紹介
目次
みかんや梅の産地といえば、和歌山県が浮かぶ人も多いのではないでしょうか。和歌山県は紀伊半島の南西部に位置しており、1年を通して温暖な気候なところです。温暖な気候に恵まれた和歌山で収穫できる農産物にもさまざまなものがあります。
この記事では、和歌山で採れる農産物をはじめ、和歌山に伝わる郷土料理についてご紹介します。
和歌山県の生産高が高い農産物を紹介
和歌山県で生産が盛んな野菜を紹介
和歌山県で作られている生産高順で上位の野菜は、「グリンピース」「ししとう」「新生姜」などがあげられます。
・グリンピース
グリンピース(えんどう豆や、きぬさやも含む)は、紀伊半島の中部の温暖な気候を生かして栽培されており、県内1位を代表する作物です。
・ししとう
和歌山のししとうは、「紀州ししとう」という品種を栽培しています。形もきれいで濃い緑色で柔らかいのが特徴です。気温の高い時期でも変化が少ないことも特徴にあります。2020年には「紀州ししとう1号」と、辛み成分が発生しないピーマンを交雑した、「辛くないししとう」として、一部出荷が始まりました。
・新生姜
和歌山県で栽培されている生姜のほとんどが、新生姜です。出荷は5-10月で、和歌山県の砂地地帯を中心に栽培されています。
和歌山県は温暖な気候もあり、果実の生産が盛んで、県内の作付面積も60%を超えています。
果実の中では特に、みかん、梅、柿、桃などが多く栽培されています。
みかん、梅、柿の農業算出額は全国でも1位の収穫量です。
和歌山県の米生産について解説
和歌山県には、お米プロジェクトがあります。梅の産地でもある和歌山県には、梅の調味液で雑草が生えないように栽培した、「熊野米」というお米があります。郷土料理を地元のお米で作って食べようという、お米の「地産地消」をするプロジェクトです。
丈が短いため倒れにくく台風に強い、ヒカリ新世紀という品種を用いており、梅の調味液を使用して雑草を抑えています。農薬の使用も抑えて栽培されているのも安心なところです。
他の品種より、モチモチとした食感や、粘りと甘みがあるのが特徴になります。
和歌山県を代表する畜産物を紹介
和歌山のブランド牛として、「熊野牛」があります。
熊野牛は和歌山県の南部にある、熊野地方で飼われていた和牛でした。
貴重な労働力として、農作業でも活躍していた牛です。
優秀で由緒ある熊野牛は、選び抜かれた血統を取り入れ、改良されて県の特産黒毛和牛として、平成3年にブランド化されました。
和歌山県の郷土料理を紹介
和歌山県に伝わる郷土料理を4点、以下にご紹介します。
茶がゆ
和歌山では、「茶がゆ」のことを「おかいさん」または「おかゆさん」と呼び、何も入れないものを「坊主茶がゆ」と呼びます。
稲作地が少ない地域で、農作業の後によく食べられていました。
忙しい時期には大量に炊いておき、中にさつまいもや里芋を入れて食べていました。
作り方
- 鍋で湯を沸かして、番茶を入れる
- 茶袋を取り出し、洗ったお米をいれて強火で炊く
- お好みで塩を入れる
バリエーションでは、豆、梅干し、焼いた餅、だんご入れるものがあります。
めはりずし
めはりずしは、漁や山での仕事の合間に簡単に食べられるお弁当として作られていました。塩漬けされた高菜でおにぎりを包んだものです。「めはりずし」と呼ばれる由来は、目を張るように口を開ける、目を見張るほど美味しいなど、様々あります。
米が貴重な時代には、白米より麦を多めに入れておにぎりにしていました。具材に焼き魚を入れることもあります。また、川で獲れたシラウオを甘辛く煮たものを混ぜておにぎりするのも一般的です。
現代では小さめの大きさで、混ぜる具材も多様化しており、かつお節や梅干し、しらすなどを入れることもあります。
作り方
- 高菜の漬物は洗って水気を絞っておく
- 高菜を醤油、みりんを合わせたものに漬けておく
- 米を炊く
- 高菜の軸は、みじん切りにしてご飯に混ぜる
- 高菜を広げて、ご飯をくるみながら形を作る
さんま寿司
和歌山の熊野灘で獲れるさんまは、長い間潮に揉まれているので身が引きまっています。
小ぶりでも脂もほどよく、寿司に適しているのです。
「さんま寿司」は、米や魚の保存食から発展して作られた寿司です。秋祭り、正月などに人が集まる場で振舞われてきたごちそうです。稲作ができない山間部では、貴重な栄養源として重宝されてきました。
さんまのことを地域によって、「さえら」「さいら」とも呼びます。
硬く握られた「さんま寿司」は、鉄砲の筒のような形に見えるので、「さえらの鉄砲」とも呼ばれていました。
醤油などにつけずそのままいただきます。柚子や橙を絞った酢を隠し味に使うと、さっぱりと食べられるのでおすすめです。
作り方
- さんまは頭を残して開き、内蔵を取り流水で洗う
- 水気をふき取り、塩を振り20分ほどおく
- 塩を洗い流したあと、酢に漬ける
- 取り出して小骨をていねいに抜き、薄皮を優しく剥がす
- 酢飯を冷ましておく
- 巻きすにラップを敷いて、さんまの皮目を裏面にしておく
- ご飯を棒状に握りさんまの上に乗せる
- 形を整えて仕上げる
みかん餅
みかんの生産量は和歌山県が全国一です。
特産のみかんを使った「みかん餅」は、和歌山のふるさと料理の研究から誕生したお菓子です。
食べ方として、柔らかいまま食べるのも美味しくいただけますが、表面をこんがり焼いて食べるのもおすすめ。周りがパリッとして中はトロトロになり、違った食感を楽しめることができます。
現在ではさまざまに商品化されて、和歌山の特産品として販売されています。
作り方
- もち米を洗って一晩水に浸けておく
- 水気を切り、もち米の上によく洗ったみかんを丸ごと乗せて、蒸し器で1時間蒸す
- 餅つき機に、蒸したもち米とみかんと砂糖を入れてつく
- できあがった餅に、レモン汁を加え、適当な大きさに丸める
まとめ
和歌山県は山も海も楽しめて、温暖な気候で過ごしやすいところです。大阪や東京など、都会からのアクセスもよいのも特徴。
温州みかん、紀州南高梅など、果実の生産が全国1位です。また、熊野古道など歴史情緒にあふれる場所もあり、南紀白浜でリゾート気分も味わえる魅力のあふれた場所が多くあります。
和歌山県を訪れた際には、観光名所とともに、郷土料理を堪能してみるのもよいかと思います。
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