授乳中のママは、食べるものに気を使いますよね。自分が食べるものが、そのまま母乳の栄養となり、赤ちゃんの体を作るからです。今日は授乳中に必要な栄養素を効率的に取ることができる、今注目の食材についてご紹介します。

母乳は血液から作られる

母乳には、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、乳糖など、様々な栄養素がバランス良く含まれていますが、この母乳が何からできているか、ご存知ですか?

実は、乳房の中の毛細血管に取り込まれた血液から作られています。

授乳中のママは、体に入った栄養を通常時以上に消費しています。授乳中は1日当たり、通常時+350kcalのエネルギーが必要だと言われています。このため栄養バランスの良い食事をとることが重要です。

授乳中は貧血に注意、防ぐにはどうしたらいいの?

血液から母乳が作られているのですから、授乳中は貧血になりやすい状態です。また、脱水症状にもなりやすいので、水分も普段以上に取る必要があります。

貧血には、鉄分が不足する鉄欠乏性貧血と、葉酸が不足した場合に起こるビタミン欠乏性貧血という貧血があります。鉄分、葉酸不足にならないよう、食生活に気をつけるには、どうしたら良いのでしょうか?

鉄分を多く含む食べ物には、レバーやプルーンがあります。モロヘイヤ、ほうれん草、芽キャベツには葉酸が多く含まれています。

これらの食べ物を食事に取り入れる必要がありますが、効率良くたくさんの鉄分・葉酸を一緒に摂取できる食べ物があります。

それが、今話題のスーパーフード「モリンガ」です。

モリンガは人間に必要な必須アミノ酸を唯一全て含む植物

モリンガとは、亜熱帯性の植物で、「生命の木」「奇跡の木」と呼ばれ、アーユルヴェーダでは300の病を防ぐ木と言われています。

東南アジア、アフリカ、南米の広い地域で自生し、降水量の少ない、50度近くになるような厳しい環境でも育ちます。

モリンガの葉には、90種類以上の栄養が含まれており、人間に必要な必須アミノ酸(食べ物からしか吸収できない)を唯一全て含む植物です。

鉄分、葉酸を豊富に含むモリンガ

モリンガに含まれる鉄分は、プルーンの82倍、葉酸は、ほうれん草の4.6倍です。

モリンガは、カルシウム、鉄分、プロテイン、ビタミン類などを豊富に含みますが、血液を作るのに必要な鉄分は、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取すると吸収しやすくなると言われています。

モリンガに含まれるビタミンCは、オレンジの7倍。

つまり、モリンガだけで、授乳中の栄養補給が簡単にできるのです。

母乳量の増加も?

また、モリンガの葉を摂取することで、プロラクチン値の増加が見られることが、2014年にフィリピン大学が発表した研究で判明しました。

プロタクチンとは、脳が作るホルモンです。

赤ちゃんがおっぱいを吸うために、乳頭に刺激を与えると、新たに母乳を作るように脳に伝達がいき、生成させます。

プロラクチンによって、母乳が乳腺で生成され、オキシトシンというホルモンの働きによって、母乳を押し出して乳頭まで運び外に出すのです。

このプロラクチン値が増加することで、母乳量が増加します。

この実験では、モリンガを食べ始めて5日目から7日目で母乳量が増加した母親が多かったことが確認されています。

つまり、モリンガの葉を摂取すると、栄養をたっぷり取ることができる上、このプロラクチン値が上昇し、母乳量の増加に役立ちます。

忙しい産後のママの強い味方です。

広がるモリンガの栽培

日本でもこのモリンガの栄養価に注目が集まり、沖縄や宮埼で栽培が行われています。モリンガは、とても生命力の強い木ですが、寒さには弱く、20度以上の気温が生育には望ましいのです。

そのため、日本で栽培されているモリンガは、ほとんどがハウス栽培です。

生のモリンガの葉は、収穫後すぐに傷んでしまうので、自宅にモリンガがない限り食べることはできません。

モリンガを食生活に取り入れるには、モリンガの葉を洗浄、乾燥、粉末にしたモリンガパウダーを食事に取り入れると良いでしょう。

モリンガパウダーの選び方

日本で販売されているモリンガは、フィリピン産、インド産、マレーシア産、沖縄産のモリンガが多くみられます。

天産物は、育った土壌のミネラルによって、栄養価や味が変わります。

日本の土壌は、微生物が激減し、現在日本の農地では、アメリカの2倍、ロシアの10倍以上化学肥料が使われていると言われています。

肥沃な土地で育ったものを選択するようにすると良いでしょう。

また、同じモリンガパウダーでも、ワインのように、メーカーや産地によって、味が変わりますので、幾つか試してお気に入りのモリンガパウダーを見つけてみてください。

加熱済みのモリンガパウダーがオススメ

海外メーカーから直輸入したモリンガパウダーに多いのですが、「ローパウダー」「非加熱」をうたったものがあります。

ローフード、非加熱の食品は、加熱によって減少する生の食物に含まれる酵素や栄養素が効率よく摂れると考えられ、欧米を中心に人気があります。

しかし、実際には加熱殺菌処理によって、効率よく吸収できる栄養素もあります。

筆者が比較実験したところ、殺菌のため加熱処理したモリンガと、非加熱のモリンガの栄養素に大きな違いはありませんでした。

ローフードは、非加熱の未殺菌食品ですから、お刺身や生ものと同じように考えなくてはいけません。

免疫力が落ちているときや乳幼児は非加熱の食品を摂取しないように、授乳中、妊娠中の方にも非加熱のモリンガパウダーを、そのまま生で食べることはオススメしません。味や栄養を損なわないよう、国内で蒸気殺菌されたモリンガパウダーをオススメします。

モリンガパウダーのオススメの食べ方

モリンガは、緑の野菜が合うメニューには、何でも合います。

簡単な食べ方としては、ヨーグルトやスムージーに混ぜることですが、パンやお菓子の生地に練り込んでいただくのも良いですよ。

抹茶の代用としていただいても、綺麗な緑色も出て美味しくいただけます。

お粥にも合いますし、モリンガでジェノベーゼスパゲティも作れます。炭水化物に偏ったメニューに、足していただくと手軽に栄養バランスが整えられるのでオススメです!

筆者紹介:大山知春
VIVIA JAPAN 株式会社 代表取締役。
アフリカ、ガーナの天然素材を使用したナチュラルスキンケアフランドJUJUBODY「ジュジュボディ」を展開。「身体に取り入れるものが、身体になる」というコンセプトのもと、モリンガオイルやシアバターなどのスキンケアだけでなく、インナーケアとして、モリンガパウダーを日本に紹介している。
https://www.jujubody.com