これはかあちゃん

上の子がまだ小さく第二子が生まれた核家族で、ジジババも遠くにあれば、パッパが早く帰ってくることもできないっていう日のママンたちは(企業勤めのパッパは今時はやりのイクメンブームに乗れない時も絶対にあるよね?)どうやってワンオペの夕方を凌いでいるの?

生後数週間で入院してしまった赤ちゃんがようやく退院できて、「これからはどんなに大変でも頑張れる、だっこして欲しいだけだっこして、絶対泣かせっぱなしになんかしない!」と心に誓った3日後の夕方のこと。

ヨーヨー(3歳)が保育園から、地域のファミリーサポートの送迎で帰ってきてから、

「ママ、あそぼ!」「なんか、たべたい!」の訴えに押され、授乳後のゲップのための縦だっこに十分な時間を割くことができないまま、スリングにあーちゃん(赤子のblog用ネーム、決まりました)を格納して、プラレール並べーの、焼き飯作りーの、していたら、シャワーを浴びて着替えたばかりの胸元に、盛大にリバースされた。

あーちゃんは目下、食後は30分くらい縦だっこして確実にゲップをさせないと100%吐き戻しをします。入院した原因でもあるんだけど。

うわ?!と慌てて火を止め、まずはあーちゃんを着替えさせ、ついでにおむつも変えていたら、リビングのヨーヨーが「うんちしちゃったぁー!うんち?!!う、ん、ち???!!!」と大声で連呼してくる。

今だけは尻に手を突っ込まないでくれと念を込めながら「まってて、まっててね!」と声がけしてたら、閉じる前の新しいおむつにムリムリムリッて、あーちゃんもそういうタイミングだったみたいで。

うぎゃ?!!

差し迫ったヨーヨーの「うんち」コールを聞きながら、なんとかあーちゃんに服を着せ、んもぅ?、自分の服はこのままでいいや、と諦める。

そんなこんなでなんとかヨーヨーを食べさせた後、あーちゃんを寝かしつけてからにお風呂にしたかったのだけれど、兄がテンションが高いから妹はぱっちり目を開けたまま。時間だけが経っていく。

これ以上待てないというところで寝かせつけを断念して一旦バウンサーに着地してもらったら、あんじょうホンギャー!というマジ泣きが始まる。それをBGMに「もっとあそぶ?!」と騒ぐヨーヨーを風呂場に連行する。

手早くシャワーでヨーヨーを洗う。のんびりおもちゃを浮かべてお湯を楽しむのがお風呂だと思っているヨーヨーはここでも「もっと、あそぶ?!」と主張するが、「赤ちゃんが泣いてるから、またあした」と諦めさせる。

このあたりからちょっと臨界点に近づいてきたヨーヨー、自分で着られるはずのパジャマも「できないー、お手伝いする!」と、つまり、ママが手伝えとの指令。

なにしろ、あーちゃんの泣き声がひっくり返り始めているので、「できるでしょ」と諭すのさえももどかしく、さっさと黙って着せる。

が、彼が求めているのは本当はそうじゃない。ママにかまってほしいわけだから、不満は更に募る(…とわかっていても無理なもんは無理。)

だから、やっとあーちゃんを抱き上げておっぱいで落ち着かせていたら、ヨーヨーは足元にまとわりついて「ママ、だっこ」と大声で騒ぎ始める。「赤ちゃんがねんねしてからね」「ちっちゃい声でおしゃべりしよう」と言ったら、半分通じて、小さい声で「歯磨きしたい」と言いだした。

いつも寝る前、ちゃんと自分で歯磨きしたら褒められて、ママに仕上げ磨きもしてもらえるはずだからね。

授乳を継続しつつ、歯ブラシをとってきたら(我ながら器用にやったぞ感があったんだが)、ヨーヨーは先に歯磨き粉をなめてしまって「ぶどう(の味の歯磨き粉を)もっとほしぃ!」と騒ぎはじめる。しかも、危ないからダメっていつも言っているのに、立って歩きながら歯ブラシをくわえるので、もうおしまい!と取り上げたら、ひっくり返って大泣きし始めた。「もっと、歯磨き?!歯磨き、したい??!」と。大さわぎ。

そんなに歯磨きが好きだっけ?爆発するところ、そこ?って感じだけど、それまでいっぱい我慢してたのがたまたまそこで溢れちゃったんだろうな。その音量と悲しみの波動に、寝落ちしかけていた赤子も再び泣きはじめる。もう、仕上げ磨きとか、諦める。

どっちから先に寝かせるか?どっちが早い?

気がついたら、ヨーヨーを「泣くなら、外にいて!」と部屋から追い出し、寝室の内鍵をかけていた。

あー、やっちゃったと客観的に悲しむ自分もどこかにいながら、まずはあーちゃんを、最速で寝かしつけることに専念する。

ヨーヨー、ドアの向こうで絶叫している。

数分後だかに扉を開けたら、泣きじゃっくりしながら「ご、ご、ご本、読んでぇ?!」と、お気に入りの絵本を差し出してきた。(うわあああああ?んと泣きながら暗い廊下をドタバタ走っている気配は察して、何してるんだろうと思っていたが、本をとりにいっていたようだ)

小さい声でおはなしできる?赤ちゃんが寝たから、こんどはママとヨーヨーの時間ね。だっこでご本読もうね。いっぱい我慢したね。おりこうね、と褒めまくって、本を読んでいたら、泣き疲れたヨーヨーは案外ころっと寝てしまったけれど。

フゥと我に返って、なんか両方とも相当泣かしちゃったなあと思うと、自分が泣きたくなった。ついでに、最近便秘気味だけど久々にいけそうって思ったタイミングを完全に逃してしまったことにも気がついた。

まだ3歳なのに部屋から締め出すとか、まだ0歳なのにバウンサーで10分以上マジ泣きさせるとかさ。

どうするのが正解だったんだろ?

子供と常時家でむかいあっている専業主婦のママンたちには、手際が悪いわね?って笑われるかもしれないけど。

久しぶりにてんぱった。

いままでblogでは使い勝手良く「ママン」を称してきたけれど、これは、もうそんな軽快なもんじゃないわ。あたしゃ「かあちゃん」だ。と思った。

写真はヨーヨー近影。シャツを変態風にかぶって、これじゃ前が見えなさそうなんだけど、ちゃんと見えているようで、ガハハハハ?と、これまた悪物っぽく笑いながら、うまいぐあいに散らかり放題の床のおもちゃを避けて歩く。


赤司真希子赤司真希子(あかし まきこ)

ミリュープ代表・コンサルタント 

1976年11月 岡山県玉野市生まれ
2000年 3月 東京大学経済学部経済学科卒業

大学卒業後、アップル、トレンドマイクロ、グーグルの外資系IT3社にて合計16年のビジネス経験。前半は、カスタマーサポート部門のグローバル基幹システム導入にはじまり、教育市場向けの法人営業、ライセンスマーケティング、市場調査などの幅広い本部業務に携わる。後半8年間は、主に売上・収益分析のファイナンシャル・プランナーとして日本のビジネスをサポート。

2016年11月、企業および個人向けのコンサルティング事業、milieup(ミリュープ)を立ち上げる。

子育てコラム「ヨーヨー(3歳)とあっちゃん(0歳)と日々のこと」


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