家庭料理をつなげる、日本各地の郷土料理をご紹介
「家庭料理の継承」をミッションに掲げるシェアダインでは、日本の四季に合わせて、とっておきの家庭の逸品をご紹介する「日本料理をつなぐ」連載をスタートいたします。
まずは、日本全国に伝わる「郷土料理」シリーズです。第1弾は山形県の郷土料理「だし」をご紹介します。
郷土料理とは、地域の季節や気候に合わせて、その土地の産物を使い、独自の料理法で調理され、食べ継がれてきた料理です。季節の行事にちなんだ行事食にも、たくさんの郷土料理が伝わってきました。
しかし、郷土料理のレシピが家庭で伝えられることも少なくなっています。自宅で作ってみたいと思っても、なかなか機会がなかったりするのではないでしょうか。
シェアダインでは、ご家庭で楽しんでいただきたい、郷土料理という日本の食文化を次世代に残したい、そんな思いで企画が誕生しました。
山形県の「だし」を食べてみたいと思ったら、ぜひお気軽にシェフにリクエストしてくださいね!
もちろんリクエストは無料!
ご自宅で郷土料理を楽しんでいらっしゃる様子を、SNSでシェアいただけたら嬉しいです。
ハッシュタグは「#日本の家庭料理をつなぐ」!
8月は山形県の郷土料理「だし」
温泉街のイメージも相まって雪国としての印象も強い山形県ですが、意外にも夏は非常に暑くなります。
特に山形市周辺は、山々に囲まれた典型的な盆地気候。湿った空気が山を越え乾いた熱風となって吹き下ろすフェーン現象が起きやすく、熱気や湿気がこもりやすい場所です。夏になると最高気温更新のニュースが流れますが、1933年に山形市で記録した40.8度は、2007年に埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市に抜かれるまで74年間、日本記録を保持していました。
湿った空気が山を越え乾いた熱風となって吹き下ろすフェーン現象が起きやすい地形であり、熱気や湿気がこもりやすい。1933年に山形市で記録した40.8度の気温は、2007年に埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市に抜かれるまで74年間、日本記録を保持してきました。
そんな気候もあってか、暑い夏、食欲が落ちても食べやすい「だし」が誕生したのではないでしょうか。
「だし」は農繁期にパッと作って食卓に並べられることや、新鮮な旬の野菜を使っているので栄養的にも優れ、さらに日持ちすることからも重宝され、山形県の郷土料理として家庭を中心に食べ継がれてきました。
材料のキュウリは水分とカリウムが豊富で、体内の熱を逃ガス働きがあるともいわれています。ナスにもカリウムが含まれるほか、強い抗酸化力があり、がんや動脈硬化の予防効果があるとされて注目されている特有のポリフェノール「ナスニン」が豊富に含まれています。ミョウガにもカリウムが含まれていますが、独特の香りが強く食欲増進になり、食欲のない時期にもぴったりです。
暑い夏にさっぱり美味しい。作り置きしておけば、ささっと熱々のご飯にのせても、冷たいお豆腐やそうめんにのせても美味しくいただけます。また調理して2、3日目には、卵焼きや和風パスタの具として炒めるなど、火を通していただいても美味しい、まさに万能な常備菜です。
今回ご紹介するレシピは、スーパーなどで購入出来る身近な食材を使っています。もしかすると小さなお子様が苦手な食材もあるかもしれませんが、シェアダインでは「食べられない」ことも含めて大切な食体験だと考えています。ぜひシェフにリクエストして、ご家庭で新しい食体験を楽しんでくださいね。
山形の郷土料理「だし」レシピ
材料(4人分)
- きゅうり・・・・・・・1本
- 長なす・・・・・・・・1本
- 生姜・・・・・・・・・1片
- みょうが・・・・・・・3本
- 青しそ・・・・・・・・5枚
- オクラ・・・・・・・・4本
- 乾燥刻み(がごめ)昆布・・5g
- 塩・・・・・・・・・・大さじ1/2
- A醤油・・・・・・・・・大さじ1と1/2
- A砂糖・・・・・・・・小さじ1/2
作り方
- 耐熱容器にAの調味料を入れて20秒加熱し、冷ましておきます。
- オクラはへたを除いて、板ずりして沸騰した湯で2~3分茹でます。茹であがったら冷水に取り、冷めたら粗みじんにきざみます。
- (がごめ)昆布は、水でさっと洗い水気を切ってAの調味料と混ぜ合わせます。
- きゅうり、長なす、みょうがは5mmくらいの大きさに切り揃え、きゅうりは分量の塩でもみこんで少し置いておいてから両手で水気をきゅっとしぼります。 長なすとみょうがは水にさらします。
- 生姜はみじん切りに、青しそは粗めにきざみ、水にさらしてから長なす、みょうがと一緒にキッチンペーパーで水気をしぼります。
- 保存容器に1、2、3を入れてよく混ぜ合わせます。
レシピの作者紹介がまざわ たかこ
(郷土料理研究家/かんぶつマエストロ/食育インストラクター)
旅行業界で7年間勤めた後、調理師の資格を取得。ホテル調理和食部門にて修行後、保育園給食などに従事。現在は都内にて料理教室を開催する他、企業イベントの料理教室や講師、レシピ開発、コラム執筆、小学校での食育授業など幅広く活動。 全国の主な産地に足を運び郷土料理や食文化を研究しながら、その魅力やエッセンスを取り入れたレシピ開発に力を注いでいる。