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8月某日、女子栄養大学出版部とシェアダインが初めてタッグを組み、シェフを対象としたコラボイベントを開催いたしました。
1933年に設立された「家庭食養研究会」を始まりとする女子栄養大学は、日本でも有数の教育機関として数多くの専門家を輩出されています。同大学出版部が発行する月刊誌『栄養と料理』の創刊は1935年にさかのぼり、栄養士や管理栄養士といった食のプロだけでなく、家庭料理を大事にしたいと考える熱心なファンに支えられています。シェアダインのメンバーも憧れの雑誌です。
今回、お迎えしたのは、同誌の浜岡編集長をはじめとする、出版部4名の方々。シェアダインで活躍するシェフ5名と、シェアダインの活動に興味をお持ちの3名、計7名の方々が参加されました。
8月号の特集テーマは「熱中症と夏血栓を防ぐ」
雑誌作りの裏側から始まったコラボイベントのテーマは、8月号の「熱中症と夏血栓を防ぐ」特集企画。「暑い時期の大事なテーマ」(浜岡編集長)ということで、特集では水分補給のコツを取り上げていらっしゃいます。仕事や作業に集中していると水分を取り忘れてしまい、気づかぬうちに脱水の症状に陥ってしまう危険性もあるとのこと。
「汗をかくこの時期はとくに水分補給が大事ですが、水分は食事から取ることができます。規則的に食事を取ることは、水分を取り忘れを防ぐことにもつながります」
紹介されているレシピは、特別な食材や料理法を使っているのではなく、一般家庭でも作れるような身近なもの。「暑さで食欲が落ちやすい時期ですから、バランスよく栄養が取れるように、季節の食材を使ったり、食欲を誘うためにカラフルな見た目に」なるような工夫をされていて、食に悩むご家庭に向けたヒントが盛りだくさんです。
食の専門家が語る「夏の時期、相手に寄り添う料理」
ここからは、食のプロとして活躍する参加者のみなさんから、夏の食事や水分補給についてどのような取り組みをしていらっしゃるかご意見をお伺いしました。
「夏の食事は水分をとるチャンス」と話すのは、シェアダインで活躍するシェフ。「ご飯には水分が含まれているのですが、パンの場合は乾燥食品ですから、そればかり食べてしまうと身体に必要な水分が不足してしまいます」。そのため、パンが好きでよく食べるご家庭には、スープをお作りしたり、煮物もあえてつゆだくにしたり、水分をしっかり摂れるようなメニューを提供されているとのこと。
また、企業の料理教室で働いていた経験をお持ちの方も、スープから水分や塩分を摂取してもらえるようなメニューを心がけていたのこと。「4歳から80代の方まで、それぞれに合わせてどのようなメニューにするかすごく悩んでいたのを思い出しました」。スープから塩分を摂っていただくために、夏は冷たいスープをメニューにしたところ、山形のだしや冷汁などは意外と20代の方も珍しがってよく食べてくれていたそうです。
「夏の暑い時期には、フレンチと懐石の2種類から選べるメニューを提供しています」とおっしゃるのは、高齢者施設で働いていらっしゃる方。時期によってイタリア料理やエスニック料理でも食べやすいものを取り入れるなど、和食と洋食の両方で飽きずに、かつバランスよく食べられるように工夫されているとのこと。
「熱中症と夏血栓を防ぐ」シェフの持ち寄り料理を試食!
食事をお作りする相手に合わせて、どのような料理を提供していくのか、さまざまな経験をお伺いしたところで、待ちに待った試食タイムです。今回は夏の食事をテーマに、参加者のみなさまにオススメの料理をお持ち寄りいただきました。そのなかから何品かご紹介しましょう。
まずは、先の水分補給でも話題になった野菜スープ。食材を切って鍋に入れて弱火でコトコト煮込んだスープは、旨味だけでなく塩分を感じることができるそう。「これさえ作っておけば、お醤油を入れれば煮物に。カレーに入れてもいいので、ベースとして喜ばれます。夏は、トマトを追加してアレンジしたりもできます」
この日のスープは塩分濃度も離乳食の基準となる0.5%で、赤ちゃんちょうどぴったりとのこと。大人の場合も、味噌汁など塩分濃度0.8%を基準にされていて、出張先のご家庭ではユーザーの方にその場で試食していただくことで、「塩分はこのくらいでちょうどいい」と味を確かめてもらっているそうです。
夏野菜を使った、ナス揚げ浸しは、出汁を取らずに醤油と水と黒酢で煮切ってから、冷やしたもの。ニンニクやショウガ、長ネギなどの香味野菜と一緒に漬け込んだということで、さっぱりしながらも夏ならではの香りに、食欲が湧いてきます。
「ビールに合いそう」と思わず声が上がったのが、納豆の唐揚げです。納豆とコーンを、米粉と水を混ぜて揚げたもの。お弁当のおかずにもぴったりで、軽く塩を振って酒のつまみにも。ご自身もお子さんのアレルギーに悩んでさまざまな食材を試されたシェフのこの一品は、食の悩みを抱えていても豊かな食卓を目指すシェアダインならではのメニューです。
イタリア料理の定番ケッカソースも登場しました。トマトとオリーブオイルを使った家庭料理で、イタリアではパスタに絡めたり、バゲットに乗せたり、サラダのトッピングや、白身のお魚に添えたり。玉ねぎやニンニク、パセリを加えたり、ご飯に混ぜてピラフにも応用できるこの万能ソースがあれば、食卓のバリエーションも広がりそうです。
食の豊かさと正しい知識を伝えていくために
試食後は、女子栄養大学出版部の方々と参加されたシェフの方々と、栄養や料理に関する意見交換となりました。
シェアダインのシェフから「『栄養と料理』は、レシピはもちろん、栄養価の計算のためにも参考にさせていただいています」という声が。最新の知識をアップデートしたり、新しいレシピを作成するために『栄養と料理』を愛読されているシェフが多くいらっしゃることがわかりました。
どのようなコンテンツを求めているかという質問が出ると、持ち寄った手料理で和んだ雰囲気は、一気に専門家の顔に。栄養や料理に関する正しい知識が広く一般家庭にも広まってほしいという『栄養と料理』編集部と、家庭にお伺いして食の悩みに応えるシェアダインのシェフの目指す先が一致した瞬間です。
『栄養と料理』で正しい知識をお伝えしたり、シェアダインのシェフがご家庭にお伺いする際に料理をしながら栄養の話をさせていただいたり。食に関する重要な役割を担っているのだということを改めて確認し、イベントの締めくくりとなりました。
シェアダインでは今後も女子栄養大学出版部と協力しながら、シェフの方にお集まりいただき、最新の知識や情報を共有できる場を設けてまいります。
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次回は10月号特集テーマ「50歳からのスポーツと栄養」に沿ってミートアップイベントを開催します。
・10月8日(火)11:00-12:30 表参道にて
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ご参加ご希望者の方は下記までご連絡をお待ちしています。
inquiry@sharedine.me