買物をするとき、今日の特売品やタイムセールなどでいつもより安くなっている食材を選ぶことがありますよね?天候不順などが原因で野菜などの値段が高騰すると「家計の食費に大打撃」とよくニュースにもなります。でも、特売品やタイムセールで安くなっているのは実は数十円単位。高くても数百円単位だったりします。野菜の値上がりもその程度ですよね。
一方で、実は毎月5,000円分の食べ物を捨てていることを知っていましたか?
野菜などの切りすぎ、賞味期限切れ、食べ残しの食品ロスに1世帯あたり年間6万円!
農林水産省が行っている食品ロス統計調査1)によると、平成26年度(2014年度)の世帯食の食品ロスは200~400万トンで食品ロス率は3.7%。これは家庭における食事において提供された食品のうち、食品の食べ残しや廃棄されたものを「重量」で示した数値です。内訳は食べられる部分まで取り除いている「過剰除去」が54%。賞味期限切れなどによる「直接廃棄」が19%。「食べ残し」が27%です。
食品ロス率3.7%というと「そんなものか」と思うかもしれません。ところが京都市が行った別の調査2)によりこれを「金額」で示すと1世帯4人家族を想定した場合、年間60,000円、1カ月当たり5,000円分が食品ロスとして捨てられているというのです。日本全体で見ると、その金額は11兆円にのぼり、国内の農業・水産業の総生産額とほぼ同じ額になるのです。
「もったいない」と「いただきます」の心
もちろん食品ロスは家庭だけで出るものではありません。食品メーカーや卸、小売店などで出る食品は300~400万トン。でもこの数値、家庭からの食品ロス量(200~400万トン)とほぼ同じくらいです。一人一人が気をつければ、確実に食品ロスは減らせるのです。特に梅雨入りし、気温も湿度も高くなってきたこの時期は、食品の劣化も早いです。そもそもの買う量を減らしてみる。買ったものは早めに火を通す、冷蔵庫や冷凍庫できちんと保管する、けれど奥底で寝かせすぎないように!
食べ物残してもったいない。毎月5,000円もったいない。日本人らしい「もったいない」の心や、食事をする時の「いただきます」の心をもう一度思い出したいですね。
- 家庭において、朝食、昼食、夕食及び感触のために調理・飲食したものが調査対象。惣菜、弁当などを購入して食べた場合や、外食、学校給食等により飲食したものは除く。(農林水産省食品ロス統計調査)
- 家庭からでてくる「燃えるごみ」の詳細な組成調査を元に、手つかずの食品と食べ残しを品目別に分類し、家計調査等から平均的な販売金額を設定して購入金額を試算。1世帯4人家族を想定。(京都市の生ゴミデータ)