産地偽装事件がきっかけに食育基本法が成立

食育という言葉をよく耳にするようになりましたが、実は日本では2005年に食育基本法という法律ができています。当時、産地偽装など食の安全性を問う事件が起きたことがきっかけでした。

食育基本法ではそもそも「食育とは」の定義もあり、簡単に言うと、食を知り、食を選べるようになり、健全な食生活を送ろう、と言うもの。

日本で食育というと農業体験や調理体験がメジャーですが、食を知るという視点が強いからなんですね。

意外なのは、法律として制定しているのは世界に例がないということ。ただ法律になっていないけれど、海外でも食育への取り組みは活発です。

「必ず一口は食べさせる」がフランス流の食育

フランスでは子どもにも大人と同じ料理を出して、嫌いでも必ず全ての品目をひと口は食べさせる。そうすることで色んな味に慣れていくので次第に子どもの偏食が少なくなるのです。一方でそれには親が辛抱強く長い目で向き合う必要も。

「何を食べるかは個人に任せる」が北米流の食育

アメリカやカナダなどの北米では、子どもにも食べ物の選択肢を与えるべきだという考え。子どもが嫌いな食べ物を無理に食べさせるのではなく、他の選択肢(好きなもの)をあげることで食べさせることを重視します。こちらは親は楽ですが、子どもの偏食を助長してしまうことも。

「いただきます」の心が日本流の食育…のハズ!

普段忘れがちですが「いただきます」には食べ物に感謝するという気持ちが込められています。食育基本法などができる1000年も前から食への敬意を持った国だった…ハズです。フランス流のBon Appetitでもなく、北米流のLet’s eatでもない、日本らしい「いただきます」も忘れないようにしたいですね。