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料理の作り置きは、忙しい平日夜のおかずとして非常に便利。でも、比較的日持ちする料理もあれば、早めに食べた方が良いものも。何となくの経験から日持ちの程度を判断している方が多いのでは。正しく判断するには、日持ちしない食材や調理法、その理由を知っておくことが近道です。そして調理や味付けのちょっとした工夫によって、翌日以降も美味しい料理を作りましょう。ここでは、日持ちOK・NGのレシピを理由と合わせて紹介します。
料理を長持ちさせるには、砂糖・塩・酢が大切
料理を長持ちさせるには、微生物が生育しにくい状態にしなければなりません。具体的には、砂糖や塩を加えると、それらは食品中の水と結合し、微生物が生きるのに利用しにくい「結合水」になります。塩漬けや漬物のように、塩分の濃度がとても高い食品が数カ月日持ちするのも、このお陰です。
また、酢などを用いて「酸性」にすることで、微生物の繁殖を防ぐことができます。酸性にすることができる調味料類は、酢やビネガー類以外にも、ワインや料理酒、ヨーグルト、マヨネーズ、リンゴジュース、レモン果汁などがあります。
長持ちに不向きな食品は使わないで!作り置きNGレシピ
食品の腐敗という観点以外にも、美味しさには「味」「香り」「食感」「見た目」などが大事ですね。作り置きを作るときには、次のような食品はあまり向いていません。当日食べるメニューに回すなどして工夫をすると良いです。
ジャガイモのソテー(NG食材:ジャガイモ)
じゃがいもはPOFと呼ばれる独特な香りが翌日以降出てくるので、それが気になってしまう方も多いです。ジャガイモは茹でたて、作り立てが一番美味しく食べられます。
アボカドサラダ(NG食材:アボカド)
アボカドは空気に触れるとどんどん色が変わってしまいます。お酢を使って変色を防ぐことも可能ですが、数日間の作り置きでは、見た目の美味しさをキープすることが難しいです。
キャベツとモヤシの中華炒め(NG食材:キャベツ、モヤシ)
もともと水分が多いキャベツやモヤシなどの野菜は、調味料の影響で時間が経つと水分が出てきます。逆にニンジン、ゴボウなどの根菜類は比較的水分が少なく、その影響は小さいです。
魚のフライ(NG食材:パン粉)
揚げものやフライのようにサクサクした食感は、時間が経つことでどうしてもしっとりとしてしまいます。ジューシー感、しっとり感を楽しむような料理の方が、長持ちメニューとしてはふさわしいことが多いです。
2日以降も美味しさ継続!作り置きOKレシピ
料理が傷むのを防ぐためには、砂糖や塩を含む調味料でしっかり味をつけることと、酢を適宜活用することが大切です。また、長持ちメニューに不向きな食材は、なるべく早めに食べる料理に回してあげましょう。2日目以降も美味しく食べられる料理としては、次のようなものがおすすめです。
魚の南蛮漬け(OK食材:お酢)
「作り立てより、翌日の方が美味しい」料理の定番です。お酢をしっかり効かせることができ、醤油や砂糖でしっかりめに味を付けるので冷蔵庫保存でも非常に長持ちする料理。酸っぱいものが苦手なお子様がいらっしゃる場合には、砂糖の量を増やしてあげると酸味が抑えられますよ。
煮込みハンバーグ(OK食材:トマト缶、デミグラスソース)
表面にソースがかかったハンバーグよりも、煮込みにするとパサパサせず、ジューシー感も長持ち。トマト缶やデミグラスソースをベースに、コンソメやお好みのハーブ類で風味付けをしましょう。野菜を細かく切って水分を飛ばすように炒めてからハンバーグに混ぜ込むと、水っぽくならず、なおかつ野菜がたっぷり摂れる、成長期のお子様にもぴったりなメニューになります。
タンドリーチキン(OK食材:ヨーグルト)
ヨーグルトのおかげでpHが下がると、微生物が繁殖しにくくなるだけでなく、もう一つ嬉しいことがあります。それは、お肉のジューシー感が増すこと。お肉に含まれるタンパク質の保水性が上がり、しっとりやわらかな食感が長く続きます。カレー風味で、時間が経ってもお肉のにおいが気にならないのも美味しさのポイント。
エビマヨ(OK食材:エビ、マヨネーズ)
プリプリのエビは時間が経ってもあまり食感が変わりません。片栗粉をまぶして揚げ焼きにし、マヨネーズベースのソースで和えてみましょう。ネギやニンニクのように香味野菜を足して、風味高く仕上げるとなお良いです。マヨネーズもヨーグルトと同様に酸性の調味料なので、お料理が傷みにくくなりますよ。
[リアルレポ]実際に作り置き10品を作る場合のレシピ公開!
では、出張料理で作り置きをする際には、料理を長持ちさせるためにどのような工夫をしているのでしょうか。「平日に家族が夜ご飯として食べるための作り置き」ということで実際に調理したメニューを紹介します。
においが気になる、水分が出てくるといったNG食材はなるべく使わず、マヨネーズやお酢などのOK食材を使っているのがポイントです。さらに、ジューシー感を活かした料理や、食材から水が出ても気にならない煮込み料理を取り入れ、時間が経っても美味しい工夫をしています。
<メニュー>
- ジューシー鶏つくね
- 豚肉と野菜のキムチ味噌炒め
- メカジキとパプリカのトマトソース煮込み
- 厚揚げと小松菜、しめじの出汁煮
- カラフル野菜のピクルス
- ほうれん草のナムル
- 切り干し大根とお豆のデリ風サラダ
- ひじきとサバの煮物
- グリルピーマンのケチャップ和え
- 和風卵焼き
- 野菜たっぷりお味噌汁
作り置きはNGから考えると○!正しくチャレンジしましょう
翌日以降も美味しく食べられるというのは、作り置きならではの工夫ポイントです。特にメイン料理は、冷蔵庫の中にあると忙しい平日夜の助けになってくれるはず。上記のおすすめ料理以外にも、調味料の使い方、食材の使い分け、食感の変化を考えて、オリジナルの日持ち料理を見つけてみてください。
ライター紹介 廣野沙織(管理栄養士) |