もうすぐ赤ちゃんがうまれるからママは入院するよということを、折に触れて話しているから、

ヨーヨー(もうすぐ3歳)は「ママのおなかには、赤ちゃんがいるよ」「もうすぐお兄ちゃんになるよ」と、保育園の先生やお友達に話したりするらしい。

あわせて甘えん坊も加速している。ママを独り占めできるのはいまだけだと察しているのかな?

そんなヨーヨーのために、書店で児童書コーナーを物色していたら「上の子の気持ちがよくわかる、泣ける!」という触れ込みで「ねえ、だっこして」という一冊が紹介されていた。

立ち読みしたら、確かにぐっときた。

だけど結局買ったのは「ノンタンいもうといいな」

書店を出てから「ねえ、だっこして」は絵もやさしいし涙もそそられたのに、なんで手が伸びなかったのか改めて考えた。

親がターゲットの本だから。と結論した。

いいんだけど「ヨーヨー本人にリフレインさせたい感情」が描かれているかというと、そうではない。

NHKのEテレとかの子供向けコンテンツ全般について思うことなんだけど、最近、子供向けといいつつ大人の感情に照準をあわせたものが多くない?妙にシュールをてらったりとか。

話題のうんこドリルとかいうのも、漢字をいくつか余計に覚えることのために、テストの点にはならない何かを躊躇なく犠牲にしてる感じが…。

むしろ、自分が子供の頃はキャラクターの異形が苦手だったセサミ・ストリートが、改めてみると一流のアーティストを起用していながらも、子供視点がぶれなくて、メッセージが明確で、ヨーヨーに見せたいなあと思う。

わたしは教育者ではないので、ただ趣味と直感の問題なんだけど。

子供に与えるコンテンツを選ぶ際には、自分の感情はちょっと引いて考える。

一方で、人生において「お笑い」のプライオリティをかなり高いところに置いているパパは「面白ければいい」的な価値観に基づき、わたしの趣味にあわないことをいろいろヨーヨーに教えてくれている。

おかげさまで、最近のヨーヨーのお気に入りは「地獄の、断頭台!」といいながらソファーからジャンプして、悪代官のような太い声で笑うこと

キン肉マンの敵の技らしい

それから、「ツキネ(※キツネ)する!」といって正面からキスを迫ること

おかえりなさいのキスをするきつね

もとネタはわたしも好きなメリケン絵本なんだけれど、最初にヨーヨーが真似しようとしたのにきつねが言えなくて「つきね」と言ってしまうのがあまりにかわいくて、

それ以来パパが帰宅したら「ツキネしよう!」と言ってヨーヨーを追いかけ、ヨーヨーはキャーキャーいって逃げてきて「やだ、パパとしない!ママとする!」というのが定形になっている。

それをパパが面白がって繰り返すから、もうすっかり「ツキネする」=「チューする」ことになってしまった。色々間違っている。

そりゃあ、わたしゃ君が世界一好きだけれど。

ほっぺチューでごまかす。

しかし絵本は見事な正面チューなので、ヨーヨーはちょっと不納得な様子。

このキツネはアメリカ人だけど、日本ではお口にチューは特別なんだよって説明しても、ねえ。保育園でよそのお嬢さんに迫ったらどうしましょう。

まったく、面白けりゃいいと思って笑いのツボを刺激しにかかるパパには困ったものだが、まあ、だから、家族のバランスとしてはわたしは安心して真面目に徹してよいのだと思うことにしている。


赤司真希子赤司真希子(あかし まきこ)

ミリュープ代表・コンサルタント 

1976年11月 岡山県玉野市生まれ
2000年 3月 東京大学経済学部経済学科卒業

大学卒業後、アップル、トレンドマイクロ、グーグルの外資系IT3社にて合計16年のビジネス経験。前半は、カスタマーサポート部門のグローバル基幹システム導入にはじまり、教育市場向けの法人営業、ライセンスマーケティング、市場調査などの幅広い本部業務に携わる。後半8年間は、主に売上・収益分析のファイナンシャル・プランナーとして日本のビジネスをサポート。

2016年11月、企業および個人向けのコンサルティング事業、milieup(ミリュープ)を立ち上げる。

子育てコラム「ヨーヨー(3歳)とあっちゃん(0歳)と日々のこと」


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