不妊治療で気がかりだった「妊活に適した食事」

東京都江東区の石井聡明さん(40歳)、里望さん(36歳)夫妻は月に2回、シェアダインを利用している。今回の料理は「牛肉とゴーヤの中華炒め」「砂肝の塩ダレ」「ひじきの梅風味炒め」「蒸し煮ナスの夏野菜ソース」など全13品。これらのメニューには、ある特徴がある。

「私たち、今年に入ってから、本格的に妊活に取り組み始めたんです」(里望さん)

自然妊娠を望んでいたものの、なかなか妊娠できない。不妊治療のために夫婦でクリニックに通うことを決意する一方で、気になっていたのが日々の食事だ。

「妊活の取り組みは、先生が食事のことでアドバイスをすることは少ないという印象です。治療の費用に高額のお金を使うのも大事ですけど、妊活は食事にもっと気を使ったほうがいいと思っていて。そうした相談を専門的な知識を持っているシェアダインのシェフにできるのは、本当に心強いです」

指名を受けたシェアダインのシェフは、あゆこさん。管理栄養士の資格を持ち、病院や施設の給食、産婦人科での栄養指導の経験も豊富な「妊活の食事サポート」の専門家だ。

あゆこさんの得意な調理法は、鍋に少量の水を張り、弱火で食材を煮込む「蒸し煮」。体に優しい上に旨味を感じやすく、食材本来の栄養素も損なわない。元々、添加物が苦手な里望さんには、うってつけな調理法だ。

この日も調理が終わると、あゆこさんは丁寧に料理や素材の説明を進めていく。「砂肝の塩ダレ」で鉄分や亜鉛を多く含む砂肝の効用について聞いた里望さんは、どのくらいの量を摂取すればいいのか、あゆこさんに質問を返す。

シェフの願いは「赤ちゃんを授かりますように」

2人がシェアダインを始めて利用したのは、2019年1月のこと。最初の利用ですぐに次も利用することを決めた。里望さんは、その理由を次のように語る。

「最初に料理を作ってもらった後、シェフに説明を受けたのですが、『妊活に適した食事』をプリントを使って説明してくれたんです。『旦那さまはこれ』『奥さまはこれ』と、専門性はもちろん、とても丁寧だったのを覚えています。そこで初めて「妊活の食事」の適切なアドバイスを受けられたので、『ここまでやるんだ、シェアダインは』と感動したのを覚えています」

 

石井家ではそれまで、別の家事代行サービスを利用していたのだという。

「でも、主婦のバイト感覚でいらっしゃる方も多く、プロに頼んでいるという感じはなくて。逆に、海外のレストランでの経験があるという方がいらっしゃったときは、お料理はとても素晴らしかったのですが、敷居が高すぎて。ご自分のレシピに忠実すぎるあまり、キッチンで食材を確認して『生姜がないので買ってきてほしい』と頼まれて困ってしまったという話も聞いたこともあります(笑)」(里望さん)

だから、こうした人たちに「不妊治療のための食事」を頼んでいいのか、不安があったという。そして、妊活を本格化しようというタイミングで出会ったのが、シェアダインだった。「妊活」のカテゴリーがあり、調べてみると妊活に必要な知識と経験のあるシェフが何人もいた。

実際にシェアダインの出張料理を頼んでみると、知識や経験だけではなく、料理を通じて相手に寄り添うシェフの心配りや温かさに、心を動かされたという。

「一番は『2人が赤ちゃんを授かりますように』ということ。そして、2人が『おいしい』と言ってくれる料理をつくる。妊活中の食事といえど、栄養バランスが良いのは当たり前、おいしくないとダメなんです」と石井夫婦への思いを語る、あゆこさんのホスピタリティの高さは、2人のお墨付きだ。

「私はトマトが好きで、一度に3種類のトマトを使って料理をお願いすることもあるんですけど、それでもおいしい料理になる。しかも『こうすれば違う料理になりますよ』と、アドバイスもしてくれるんです」(里望さん)

自分たちを思って作ってくれた料理を眺める幸せ

こうして、石井家になくてはならないサービスとなったシェアダインだが、夫の     聡明さんは、シェアダインのサービスをどのように思っているのだろうか。

「日本人の価値観として、食事は妻が作るものという無意識の刷り込みがあると思うんです。妻も働いているのに、『私がやらなきゃ』とプレッシャーを感じてしまうんじゃないかと」

「家事は分担すべき」という考えを持つ聡明さんだが、会社を経営していることもあり、どうしても仕事に集中したいタイミングもあるという。右腕として経営をサポートする里望さんも、それは同じだ。

「食事は毎日のこと。献立を考えるところから作って片付けるところまで本当に大変でしたから、それなら、料理のプロにお任せすればよいという考えになりました。私たちの場合、さらにそこに「妊活」というテーマが加わりましたので、シェアダインは最適でした」

 聡明さんにはもうひとつ、シェアダインの継続利用を決めたポイントがあるという。

「シェアダインを使っていて、気持ちが高まる時があるんです。それは、あゆこさんが私たちのことを思い遣って、作ってくださったお料理がずらーっと並ぶ時です。『自分たちだけじゃ、この料理作らないよね!』というメニューが食卓に飛び込んでくる。食の楽しみが広がりました。この光景を見て『継続して使おう』と決めたんですよ(笑)」

「妊娠食も離乳食も」ずっと使い続けたい

シェアダインを使って半年ほどの石井夫妻。今ではあゆこさんのリピーターになっている。聡明さんも「妻があゆこさんという相性のいいシェフに出逢えたのは、本当に良かったです」と語ってくれた。

栄養に対する興味もがぜん高まったという。

あゆこさんが来てくれる日に聡明さんも在宅していれば、2人で一緒に料理の説明を聞いて、質問や相談をする。里望さんが説明を聞いた日には、帰宅後の聡明さんと夕食を取りながら「この食材にはこういう栄養分が含まれていてね」と、あゆこさんの説明を伝えたりする。

あゆこさんに作ってもらった料理のレシピやコツを教えてもらい、里望さんが再現することも増えてきた。

不妊治療を始めたクリニックでも、食事面でのアドバイスが書かれた冊子は受け取っていた。だが、自分だけで継続的に料理をするのはなかなか難しい。信頼できるあゆこさんが並走してくれているから、安心して取り組みを続けられる。

2人は今後、シェアダインをどのように利用していくのか。里望さんは、こんなことを語ってくれた。

「今は妊活の食事ですが、子どもを授かったら妊娠食、子どもが生まれたら離乳食と、ライフステージが変わっても利用し続けようと思っています。料理や栄養の知識も増えましたし、料理本はもういりませんね。ただ、主人が太らない体質なので、健康的に太る食事のレシピは教えてほしいです(笑)」