こんにちは。フリーランス管理栄養士として活動している廣野沙織です。今回、『フリーランス管理栄養士の働き方と仕事の取り方』といったテーマでコラムを執筆することになりました。

私自身、フリーランスとして初めてのお仕事は、のちに説明する「クラウドソーシングサービス」を利用して受注した、とある商品を使ったレシピとレシピ写真を納品するお仕事でした。振り返ると、最初のころは料理写真撮影の基礎も抑えられておらず、仕事自体もほとんど利益がでない案件しかもらえませんでした。ただ、一つ一つのお仕事に対して真剣に向き合い、「管理栄養士」そして「事業主」として自分自身の経験値を高め、スキルアップをしていくという気持ちは常に持ち続けています。そういった思いで仕事に取り組みながら、仕事の窓口になるブログやHPもコツコツ充実させていくと、お仕事の依頼数や、単価もアップしていきました。

このコラムでは、フリーランス管理栄養士の仕事はどういうものがあるのかに加え、私自身のこれまでの経験から、仕事の受注を増やしていくために大切なことをお伝えしたいと思います。既にフリーランス管理栄養士として働いている方はもちろんのこと、これからフリーランス管理栄養士を目指す、独立準備中といった方の参考になれば嬉しいです。

フリーランス管理栄養士の仕事ってどんなものがある?

フリーランスの場合、色々な企業と業務委託といった形態で仕事を行うことが大半です。案件ごとに仕事を依頼されるので、一回切りのお付き合いという場合もありますが、継続的に仕事を依頼してもらえる場合もあります。お仕事の内容は人によって様々ですが、他の管理栄養士さんからいただいたお話も参考に、代表的だと思うものを挙げてみます。

まずはやっぱり!レシピ開発

管理栄養士ならではのレシピ開発の仕事として、栄養や健康に配慮したレシピ制作があります。例えば、ガン患者様向けの料理や、肌荒れ・便秘といった悩みに対する料理、口腔ケアに関する料理などです。栄養の知識を料理に落とし込むといった、栄養の知識と料理のスキルが両方問われるお仕事です。また、レシピの栄養価計算も依頼されることがあります。

基礎技術を身につけたら仕事の幅も広がる、料理写真撮影

多くのレシピ制作のお仕事では、レシピの料理写真を一緒に納品します。写真も商品なので、自己満足の料理写真ではなく、サイトや紙面に掲載されるにふさわしい写真を撮らなければなりません。そのためにはカメラについてある程度の知識が必要です。また、スタジオでプロのカメラマンが撮るといった、本格的なレシピ撮影の際には、調理やスタイリングをメインに担当します。

専門家として正しい知識を伝えるための記事執筆

各種ウェブメディアのライター・専門家として記事の執筆を行ったり、情報誌や会報誌などの冊子の中に掲載されるコラムを担当するといったお仕事です。近年、増えているお仕事の一つです。この世の中、食や栄養に関する情報や噂はあふれていますが、管理栄養士の立場から根拠ある情報を分かりやすく伝えることが求められています。

管理栄養士ならではのお仕事、特定保健指導

特定健康診査の結果、メタボリックシンドロームの該当者もしくはその予備群と考えられる人たちに対して、生活習慣の改善に向けたサポート(特定保健指導)を行うお仕事です。初回の面談では、一人一人の健診結果や生活習慣を確認しながら目標を立てていきます。その後は継続的に電話やメールでの支援を行います。

活動の中心としているフリーランスも多い料理教室

フリーランス管理栄養士の中には、料理教室をメインに活動している方も多くいらっしゃいます。自分自身で教室全体をコーディネートし、集客から実施までの一連を行います。継続的に教室を開く場合には自宅で開催・主宰するが多いですが、単発の教室はキッチンスタジオなどをレンタルすることもあります。自分自身のブランディング能力や企画力、集客力が問われてきます。

専門家の視点で話して欲しいと依頼されるセミナーでの講演

栄養や食に関するセミナーで、講師として登壇を依頼されることがあります。テーマや聴講する人は、場合によって様々です。正しい情報を相手に合わせて分かりやすく伝える能力や、質疑応答などにも対応できる、幅広い知識と専門性が問われます。

近年じわり需要が増えている出張料理

ご依頼があったお客様の自宅や指定された場所に行き、料理を作るお仕事です。忙しい平日を乗り越えるための料理の作り置きや、ホームパーティー・イベントでのおもてなし料理などの依頼が多いです。管理栄養士として求められるのは、健康的なメニューの提供や、離乳食・アレルギーへの対応、産前産後にふさわしい栄養たっぷりの料理の提供、そして栄養の知識をわかりやすくお伝えすることなどです。

フリーランス管理栄養士が仕事を増やすために大切な5つのこと

受け身ではなかなか仕事が入ってこないのがフリーランスです。社会人として、専門家として自分を磨き、積極的に活動し続けることが求められます。ここでは、私が思う『フリーランス管理栄養士がお仕事の受注を増やすために大切なこと』をお伝えします。

入り口を広くもつ

自分の窓口にあたるHPやブログを運営することは非常に重要です。それらには、問い合わせフォームを設けるなどして、お仕事依頼の連絡が入ってくるようにする必要があります。
一方、管理栄養士に仕事を依頼したい方にとって、個人のHPを一つ一つあたるのは大変な作業です。そのようなときに利用されるのが「クラウドソーシングサービス」です。有名なものでは「ランサーズ」や「クラウドワークス」があります。これらのサイトでは、仕事を依頼する人、受注する人が多数登録し、案件ごとにマッチングが行われています。フリーランスの管理栄養士として登録すると、栄養や食、料理に関する案件の依頼が直接入ってきます。また、依頼者が働き手を募集している案件に応募し、当選したら仕事につながるケースもあります。
個人のHPやブログだけでは、そこからつながれる人も限られますが、このようなサービスを活用して入り口を広く持つことで、仕事の依頼が増えていきます。

専門性を磨く

食、栄養、健康に携わる専門家として、日ごろ知識を増やしていくことや情報のアップデートが大切です。また、それらの知識や情報を一般の人にもわかりやすく伝わる形で表現することも含めて、管理栄養士に求められている専門性です。本や参考書を読む、セミナーや学会に参加することで最新の知識を付けていくことができます。
また、仕事を行いながらも専門性を磨くという意識が大切です。特に保健指導や出張料理ではひとつひとつが経験値として積み重なっていきます。そこで得た知見は忘れないように記録しておくと、その後自分の対応できる幅が広がります。

コミュニケーション能力を高める

誰とでも気兼ねなく話せる、明るく社交的といったことだけでなく、『相手の話を正確にくみ取り、スムーズなやり取りを進めていくこと』も仕事を行う上では大事なコミュニケーション能力です。管理栄養士として、どういった点で自分の力が必要とされているのか把握し、的確な提案をしていきます。そのためには、専門知識をもっておくことは大前提であり、引き出しをより多く持っておくことで相手のニーズに応えることができます。スムーズなやり取りを進めるという意味では、連絡をすぐに返すなどの基本的なマナーを守ることも大切です。

情報発信を続ける

SNSやHP、ブログなどで情報発信をすることも、お仕事の依頼を増やすためには大切なことです。これらは依頼しようとする側にとって、その管理栄養士がどの程度の知識や専門性、スキル、実績があるかというのを把握する一つの手段になります。
また、普段から知識のアウトプットをして人に伝えることに慣れていると、それが仕事で活かされることも多いです。逆に普段何も情報発信をしていないと、いざ記事を書く、レシピを作るといったときに少し大変になるかもしれません。

スケジュール管理を怠らない

フリーランスは様々な仕事を並行して行うため、スケジュール管理がとても大事です。スケジュールやタスク管理をきちんと行い、納期を守る、アポイントに遅れないといった基本的なことを守ることで、仕事を依頼してくれた方に安心感を与えられ、継続的なお仕事の受注につながります。

いかがでしたか?フリーランス管理栄養士にはどのようなお仕事があるのか、お仕事の受注を増やすためには何に気を付ければ良いのかをお伝えしてきました。
フリーランスになることを検討している方はイメージができたでしょうか?既にフリーランスとして活動している方は、今まで取り組んだことのなかったお仕事を試してみたり、お仕事依頼を増やすための参考にしてみて下さい。

ライター紹介
廣野沙織(ひろのさおり)/管理栄養士
料理好きの母親の影響を受け、幼い頃から食や料理への関心をもつ。大学はお茶の水女子大学管理栄養士養成課程に進学、企業でお弁当の商品開発やフードスタイリングなどを経験。卒業後は同大学院で「調理科学」を専攻し、肉や野菜の加熱調理に関する研究を行った。研究の傍ら、レシピ開発や執筆活動、「シェアダイン」公式料理家として出張料理などに従事し、在学中にフリーランス管理栄養士として開業。大学院修了後は、食事指導やセミナー講演など仕事の幅を広げ活動中。

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