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暑苦しい昼間も日が暮れていくと
虫の音が聞こえてきます。
静かに秋が近づくと
いよいよ実りの「新米」の季節がやってきます!
いまは日本中美味しいものがあふれてはいます。
けれど、時代がどうであれ「これぞ日本のおいしさ」と
子どもに手渡していきたい味があります。
その日本の味、生きる力の源の
お米の絵本を集めました。
シンプル・イズ・ベスト!『おにぎり』
定価:¥900+税
文:平山英三
絵:平山和子
出版社:福音館書店
炊き立てのあつあつごはん。つやつやして、ふっくらして。
ほら、ごはん特有のふわんと香りもしてきそう。
両手に塩水つけて、ごはんを握って
まんなかにポツと穴を開けたら、赤い梅干し。
ぎゅっぎゅっ、くるっくるっ。
のりも巻いて、出来あがったおにぎりの絵を見たら、
ああ、もう口の中が「おにぎり」味になっちゃう。
すぐにでも、このシンプルなおにぎり
作りたーーーい!!
きっときっと、ぜったい、おいしい!!
ちびころおにぎりになりきって冒険へ出発!『ちびころおにぎり なかみはなあに』
定価:¥1,100+税
作・絵:おおいじゅんこ
出版社:教育画劇
この絵本は、ちびっこおにぎりが主人公。
他のおにぎりにはちゃんと具があるのに、ぼくにはない!
ちびころたちが具を探しに行くというお話。
この絵本を読む子は、自分がちびころになった気分で
どんな具がいいかなあと考えると思います。
どんな具がいいですか?
えーっと、わたしは「焼きしゃけ」と「山椒の実入り昆布」かな。
さあ、みんなも考えてみてくださいな。
小さなおにぎり作って好きな具を
ちびっ子に入れてもらうといいですよね!
こんなに種類があるなんて! これでもかと出てくる出てくる『ごはん』
定価:¥1,400+税
作:平野恵理子
出版社:福音館書店
この絵本を読むときは、じゅうぶんお気をつけください!
よだれがでそうなほど、おいしそうなごはんのオンパレードですから!
まず、炊き込みご飯のコーナーがあります。
ずらっと並んだ、おいしそうな炊き込みご飯。
まめごはんでしょ。くりおこわでしょ。たけのこごはんでしょ。他にもいっぱい。
洋風ごはんコーナーも、お茶漬けコーナーも、おすしコーナーも
どんぶりものコーナーもイロイロあります。
もう、わたしたちって、どんだけごはんにお世話になっているんでしょうか。
この豊富なレパートリー。
なのに、ほとんど食べたことのある自分にもびっくりです。
晩ごはん、なににしようか迷ったら、この絵本が役立つこと間違いなしです。
知るともっとおいしくなる。いただきます、と言いたくなる『おこめができた!』
定価:¥1,200+税
監修:中川孝俊
写真:岩間志朗
出版社:ひさかたチャイルド
すてきな日本食を支えるお米は、どうやって作られているのでしょう。
偉そうに言えるほど、わたしもよくは知りません。
台風が来ると、わたしたちは自分の家や交通機関を心配しますが、
学生時代、農家の友人はまっさきに「たんぼ、だいじょうぶかな」と
窓の外を眺めていました。
この絵本は、春、種もみを土に蒔くところから、写真で丁寧に
米作りを追っています。秋に収穫してからも、脱穀したり精米したり。
手間ひまかけて、あのふっくらごはんはできている。
ありがたく、いただきましょう。
「いただきま~す」と恵みに感謝しながら、
家族が握ったおにぎりをほおばる。
この小さなぜいたくを、楽しんでみたい秋です。
大久保 徳久子(おおくぼ とくこ)
絵本de子育てコーチ/ 読書アドバイザー
出版社にて絵本・児童書の書籍編集に携わったのち、現在はフリーランス編集者として活動。手掛けた絵本・児童書は300冊にのぼる。編集者としての経験を活かし、子どもの本の講座や個人レクチャーを行っているほか、小学校や保育園で読み聞かせ活動を続けるなど、多岐にわたって絵本の魅力を広める活動を行っている。直近では、文京区図書館において絵本講座「本好きの子どもを育てるレシピ」を担当し好評を博した。
また、子育てする親向けに、絵本にコーチングの知識を織り交ぜたオリジナル講座【絵本de子育てコーチング講座】も不定期に開催。
発売中の『幸せに生きる力をつける3~10歳までの子育て』(洋泉社)にて図書館の使い方ページを担当。
プライベートでは1児のママ。
公式ブログ http://ameblo.jp/ehonde
■毎月開催中■
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