日に日にお腹が大きくなり赤ちゃんの成長を日々感じながら、生まれてくる日を楽しみに妊娠期を過ごされているかと思います。そんな妊婦さんたちにとって、つわりをはじめ頭痛や倦怠感など妊娠期特有の体験は、初めて経験することも多く、苦しかったり、不快なこともありますよね。筋肉が収縮し、所謂つった状態になる「こむらがえり」も多くの妊婦さんが不快に感じる症状のひとつ。特にふくらはぎに起こることが多いのですが、太もも、足の裏、手足の指、首や肩などにも起こることも。こむらがえりの原因は筋肉疲労、水分不足、血行不良と様々ですが、直接的な原因はミネラル不足による筋肉の異常な収縮といわれています。

今回は、栄養士である筆者が、こむがえりの症状を軽減させるミネラルを豊富に含むオススメ食材を紹介していきます。

ご家族や周りの方も知っておいて!なぜ妊婦さんにこむらがえりが多く発生するのか?

妊娠中期から後期にかけ、赤ちゃんの成長とともにお腹が大きくなりますよね。お腹が大きくなることで脚の筋肉に重みがかかり、脚の血管が圧迫されることで下半身の血液循環が悪くなったり、骨盤が緩み脚の筋肉が引き伸ばされることで、ふくらはぎの筋肉は急激に収縮します。そのため妊娠中は些細な動きでもこむらがえりが起きやすいのです。

また妊娠期を通してホルモンのバランスが崩れやすかったり、赤ちゃんに栄養分を送るため、母体の栄養が不足することが多く、ミネラル不足が起こります。特に妊娠後期には循環血液量が増えることで血液が薄まるため、血中のミネラルバランスが崩れ、こむらがえりが起こりやすくなります。

こむらがえりを軽減!代表的なミネラルが豊富に含まれるオススメ食材とは

ミネラルは、たんぱく質、炭水化物、ビタミン、脂質と並ぶ5大栄養素のひとつで、体を構成する重要な栄養素になります。ミネラルが不足すると体の不調や大きな病気の原因となります。また、ミネラルは体で作ることができませんので、食べものから摂取する必要があります。代表的なミネラルはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛です。

カルシウム 乳製品、大豆製品、小魚などに多く含まれ、骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉の収縮を正常にする重要な栄養素です。きのこ類、魚類などに多く含まれるビタミンDと一緒に摂取することで、カルシウムの吸収率がアップするので、一緒に取り入れていきたいですね。
マグネシウム 体内の代謝作用全般を担っており、神経の機能や筋肉の収縮、ホルモン分泌、体温調整などに働きかけます。マグネシウムを多く含む食品は魚介類、海草類、ナッツ類などです。
血液をつくる役割があります。鉄を多く含む食材はレバー、魚介類、大豆などです。鉄には動物性食品(肉、魚)のヘム鉄と植物性食品(野菜、海藻、大豆)の非ヘム鉄の2種類があります。非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収率が低いので、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂取し吸収率アップさせましょう。ビタミンCを多く含む食品は柑橘類の果物、野菜、いも類になります。
亜鉛 たんぱく質の合成や免疫機能のサポートをしたり、細胞の生まれかわりに重要な栄養素になります。亜鉛を多く含む食品は魚介類、肉類、海藻類になります。

全ての栄養素を、全部食事に取り入れることは難しいと思いますので、毎日の食事の中に1つ加えるよう心掛けてみて下さい。

ミネラルやビタミンが豊富!女性が大好きアボガドで簡単レシピ

アボカドは森のバター、食べる美容液と呼ばれるほど栄養価が高く、こむらがえりの予防に効果的なミネラルも豊富に含まれています。また、アボカドの脂質はオリーブオイルと同じn-3系と言われる成分で私たち人間に必要な必須脂肪酸で、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす作用があります。また、妊婦さんにとってメリットとなる栄養素、葉酸も豊富です。葉酸は胎児の成長には欠かせないとっても重要な栄養素になります。不足すると、胎児の未発達に繋がり、先天性疾患をまねく危険があります。

アボカドの注意点としては、栄養価が高い反面、カロリーが100gあたり約190kcalと高いので食べ過ぎに注意が必要です。目安量は1日半分になります。

アボカドとゆで卵のチーズ焼き

材料(2人分)

・アボカド : 1個

・ゆで卵 : 1個

・マヨネーズ : 大さじ3

・スライスチーズ : 1枚

作り方

1、アボカドを半分に切り、種を取り出す。

2、包丁で切れ目を入れ、スプーンなどで中身を取り出す。(皮を器にするので捨てないでください)

3、ゆで卵も食べやすい大きさに切り、アボカド、マヨネーズと合わせる。

4、1をアボカドの皮に戻し、半分に切ったスライスチーズを乗せ、トースターで5分焼いたら完成。

納豆アボカド丼

材料(2人分)

・納豆:2パック

・アボカド:1個

・きゅうり:1本

・ミニトマト:4個  

・(A)しょうゆ:小さじ2杯

・(A)わさび:チューブ1センチ程

・(A)ごま油:小さじ1杯くらい

・刻みのり、ごま:お好み

作り方

1、(A)を合わせ、アボカド、きゅうりを食べやすい大きさにカットし、(A)の調味液につけておく。

2、次にミニトマト、納豆も混ぜ合わせる。

3、最後にごはんの上に混ぜ合わせた具材を盛り付け、刻みのりとごまをお好みでのせて完成。

アボカドと豚肉と蓮根の胡麻味噌炒め

材料(2人分)

・豚肉:150g

・塩、こしょう:少々

・片栗粉:大さじ1/2

・アボカド:1/2個

・蓮根:80g(アボカドど同量)

・ごま油:大さじ1

・(A)味噌:大さじ1

・(A)みりん:大さじ1

・いりごま:大さじ1

作り方

1、豚肉に塩、こしょうをし、片栗粉を豚肉全体にまぶしておく。

 蓮根は皮をむいて、半月切りに(大きい場合はいちょう切りに)、アボカドも蓮根と同じ幅に切る。(A)の調味料を混ぜ合わせておく。

2、フライパンにごま油をいれて熱し、1の豚肉を炒める。

豚肉の色が変わったら蓮根を加え、火が通ったらアボカドを加えてさっと炒める。

3、(A)の調味料を入れて、手早く炒め合わせる。

仕上げにいりごまを混ぜ合わせ完成。

妊娠中は慣れないことが多く、食事に関しても食欲がなくなったり、食欲が増したり、食べれないものもでてきたりと、不安なことも少なくないかと思います。しかし、不安の原因と解決策が分かれば、少しは負担も軽減されるともいますので、妊婦さんにとって、少しでも役にたてる情報をお届けできたらと思います。

ライター紹介 平良彩香(栄養士)
東京家政大学、栄養学部卒業。学生時代にスポーツを通して、何を食べるかによってパフォーマンスに大きな差が出ることを体感し、食の大切さを実感。大学で栄養学を学び、大学卒業後は病院に勤務。一般職から治療食の調理・献立作成まで従事。その後、フィットネスジムでのダイエットアドバイザーを経験。現在は、出張作り置きサービスの料理家として子育て世帯の食に向き合うなど活動の場を広げている。

シェアダインとは 栄養士や調理師など食のプロ料理家が、家庭料理をご提案し、3日分のお料理を調理する出張「作り置きサービス」の会社です。(https://sharedine.me)