初めての離乳食。右も左も分からなくて、ネットや育児書などが頼りで日々手探りな状態…なんてパパ・ママも少なくないのではないでしょうか。ママ管理栄養士として、離乳食相談を専門に出張料理サービスで活動する筆者が、これまでご家庭で離乳食の相談を受けた失敗談、そしてアドバイスをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
失敗談 その1:離乳食の時間になると泣き始める赤ちゃん・・・ママ・パパの不安な気持ちが赤ちゃんに伝わってる!?
赤ちゃんが離乳食を拒んたり、離乳食の時間になると泣き始めてしまうようになりました。せっかく作ったのに食べてくれなくてイライラしてしまったり、時々こちらまで泣きたくなります。(目黒区・6ヶ月のママ)
初めての離乳食は、不安と心配が沢山あります。離乳食についての本を読んでレシピ通りに作っても、本当にこれであっているのか心配になり、オロオロしてしまうこともあるでしょう。またなかなか食べてくれないと「なんで食べてくれてないの!」とイライラしてしまったり、つい眉間にシワが寄り怖い表情になってしまう事があります。
この頃の赤ちゃんは、親御さんの表情を見て状況を判断しています。離乳食のたびに不安そうな顔や怒った顔を見ていると、赤ちゃんにとって食事の時間は嫌なものだと思うようになってしまいます。離乳食期は、食べることへの興味を育て、食事は楽しいものなんだと教えてあげる大切な時期でもあります。ですので、離乳食をあげる時には不安もあると思いますが、まずはママ・パパがリラックスをして楽しそうな雰囲気を作りましょう。
失敗談 その2「離乳食を食べさせるのはお腹が空いた時」は本当?ミルク好き赤ちゃんへの失敗
赤ちゃんの機嫌が良くて、お腹が空いている時に離乳食を与えましょうと言われていたのに、離乳食を食べさせだすとグズグズして、全然食べようとしません…。(渋谷区・6ヶ月と4歳のママ)
この赤ちゃんは、ミルクを少しあげてある程度お腹を満たした後に離乳食をあげたところ、すんなり食べてくれました。食べてくれなかった理由はシンプルで、「お腹が空いていて、離乳食よりも大好きなミルクを飲みたかった」でした。
ミルクが大好きな赤ちゃんにとって、離乳食を食べるよりもミルクを飲む方が魅力的な事でなかなか食事に関心を持ってくれません。離乳食を食べさせる時間はいつものミルクの時間から逆算してもう少しお腹が空いていない時にするのもよいでしょう。育児書などは一般的な事が書かれていますので、あげるタイミングなどは、赤ちゃんの様子を見ながら臨機応変にしても良いでしょう。離乳食をあげる際に、先ずご両親が美味しそうに一口食べて見せたりするのもいいかもしれません。また絵本の読み聞かせもこの時期に始める方多いと思いますので、食事に関心が向く食べ物の絵本を読んであげたりするのもいいですね。
失敗談 その3「10倍粥が食べられず一向に次のステップに進めない・・・」次のステップのかぼちゃは急にムシャムシャ、のグルメ赤ちゃんへの失敗
教科書通り10倍粥からスタート。しかし一向に食べてくれず泣いてばかりの赤ちゃん。2週目には野菜を食べさせてみようと思っていたけれど、お粥も食べられないうちはダメだと思い、他の食材に進めず1ヶ月ほど10倍粥を継続していました。(千代田区・5ヶ月のママ)
その後、子育て広場などで同じ位の月齢の赤ちゃんが人参やかぼちゃをパクパク食べているのを見て、試しにかぼちゃをあげてみたところすごい勢いで食べ始めまたそうです。これを機に一気に離乳食がスムーズに進むようになりました。このまま10倍粥にばかりこだわっていたら、離乳食を食べる事が嫌になってしまっていたかも知れないと言う失敗談です。
10倍粥から始まるのが基本ですが、だからと言ってそこに固執してしまうと、なかなかスムーズに進まない事もあります。野菜ペーストなどは月齢にあった食材と形状であれば試してみてもよいでしょう。ただし新しい食品をあげる時は、アレルギーの有無を判断する必要があります。もしアレルギー症状が出たとしても、すぐに病院に連絡出来る様に平日の昼間にするのが良いでしょう。
いかがでしたか?失敗と言うよりは、もしかしたら手探りで一生懸命にやっているがゆえに陥ってしまった事でもありますよね。似た様な経験があったとしても、それはママ・パパの頑張りであって恥ずかしい事ではありませんから安心して下さい。
私も子育てをしていて、離乳食の時期は悩みがつきませんでした。でも今となっては何とかなるもんだなと思います。大人でも日によって食欲にムラがある様に、赤ちゃんにもその日の気分や食欲にムラがあって当然です。昨日はよく食べたのになどと悩まず、長い目で見て少しずつ食べられるものを増やしていければ良いと思います。離乳食初期においては、まだミルクからの栄養がほとんどの時期です。
上でも書きましたが、この時期はミルク以外の食べ物を少しずつ知ってもらい、食事は楽しいものだと思ってもらう事が大切な時期です。ですので、食べさせる親の方が緊張してしまったり、義務感で嫌々になってしまうと赤ちゃんにとって食事が楽しいものではなくなってしまうので、心配事が多いのもよく分かりますが、なるべく笑顔で離乳食を楽しんで貰えればと思います。
Please keep on smiling (^ ^)
筆者プロフィール
酒井亜衣子 管理栄養士
早稲田大学卒業後に栄養士を目指し、東京食糧栄養専門学校を卒業。その後、一般企業でお弁当などの商品開発を行う。結婚、出産後に復職して独学で管理栄養士の試験に合格。
シェアダインとは
栄養士や調理師など食のプロ料理家が、家庭料理をご提案し、3日分のお料理を調理する出張「作り置きサービス」の会社です。登録しているプロ料理家がライターとして発信する、妊活・妊娠・出産・育児を楽しむためのウェブメディアも運営しています。
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