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胃痛を抱える母の病室に届けた、大好きな和菓子
もともと、食べることが大好き。テレビ番組(よく見ていたのは『発掘あるある大事典』でした!)で栄養の話があれば、食い入るように見て、自分の食生活に取り入れたりしていました。
高校生で進路をどうしようかと悩んでいたころ、母が手術のため入院したことが、この世界に入る大きなきっかけになりました。
母が入院したのは1〜2週間くらいだったと思います。母は手術後、食事ができるまで回復していたのですが、手術した場所とは違う胃が痛く、痛み止めを処方してもらっていました。医師の診察でも原因がわからず、薬剤師や管理栄養士の指導を受けても改善せず、胃の痛みを抱えながら入院生活を送っていました。
お見舞いに行くときに、私は母が大好きな和菓子を持って行きました。母は私が帰ったあとにその大好きな和菓子を食べたそうですが、その後から胃の痛みがピタっと引いたそうです。担当の医師や薬剤師、管理栄養士にこの話をするとみなさんビックリしていたそうです。
「食べたいものを食べる。食事ってすごいな!」と感じた私は、食の専門家になろうと管理栄養士を目指しました。
結婚するまでは、管理栄養士として給食の委託会社で献立作成や給食作りなどを経験。粉ミルクの会社に勤めていたときは、妊娠中や産後の栄養のお話、離乳食教室や育児相談などを担当していました。
結婚を機に、それまで住んでいた九州から東京へ拠点を移すことになり、会社を退職したのがきっかけで、在宅ワークなどのフリーランス管理栄養士として働く道を選びました。
子どもの栄養バランスをサポートできる素敵な仕事
シェアダインとの出会いは、尊敬する先輩からの紹介でした。
私自身も2歳になる息子がいるのですが、シェアダインというサービスが生まれた背景に、創業メンバーの産後や日々の子どもの食事の悩みがあるということ。お仕事をしながら母親業もこなす忙しいお母さんの助けになれたり、今後成長していく子どもたちの栄養バランスをサポートできる仕事って素敵だなと思い、お話をいただいてから即決でご連絡させていただきました。
ただ、息子が急に熱を出して、予約が入っていたのにお客様宅へ伺えないかもしれない、ご迷惑をおかけしたらどうしよう……という不安がありました。
「登録したものの最初の一歩を踏み出せないのでは」という葛藤はありましたが、サポート体制などもお話を伺えたので「とりあえずやってみよう!」と決心して、まずは少ない日数からスタートしました。
「子どもがよく食べたので、また作ってください」が何よりの喜び
シェアダインのお客様は子育て世帯が中心で、我が家と同じくらいのお子様を持つご家庭にお邪魔することが多く、ご相談いただく内容にとても共感が持てます。食事の悩みを共有して、お話が弾むことも多々あります。
ありがたいことにリピーターさんも増えていますが、やはり初めてお伺いするお宅のキッチンではどこに何があるのか、勝手が違うためやはり普段以上に時間はかかってしまいますね。
「3時間あればだいたいこのくらいの料理ができる!」とイメージしていても、実際にうまく行かないこともあります。最初の数回は、片付けに時間がかかり少し、予定の時間をオーバーしてしまったこともありました。 でも、回数を重ねるごとに徐々に慣れてきて、時間の感覚もつかめるようになりました。
キッチン環境がそれぞれ違うため、臨機応変に変更する難しさはありますが、そのことによって新しいメニューが浮かぶこともあったりと、最近ではそれを楽しんでいます。
そして「あのメニューがとても美味しかったので、作り方を教えてください」「子どもがよく食べたので、またこの前のメニューを作ってください」と言われると、本当に嬉しく、やりがいを感じます。
あゆこさんに作ってもらいたい逸品
塩麹や醤油麹を使った、野菜たっぷりのおかず
私は麹を使ったお料理を研究しています。麹には素材の旨みを引き出して、調味料を使い過ぎすることなく、魔法にかかったように美味しくなる特性があります。この良さをぜひ多くの方に伝えていきたいと考えています。
あゆこさんの「記憶の料理」
「ブロッコリーの茎でだしをとった、具沢山の汁」
一番最初の出張料理のメニューです。ブロッコリーの茎を水からコトコト煮込んで取った出汁のスープで、自宅でも作ったことがあるメニューなのですが、「お口に合うだろうか」と不安な気持ちになりながら帰宅したのを覚えています。
後日、お客様より「どれも美味しかった。とくにこの汁物の作り方を教えてほしい!」というメッセージをいただいたときは非常に嬉しく思いました。この思い出は一生忘れないと思います。