目黒駅から徒歩数分の閑静な住宅街に”0から6歳の伝統ブランドaeru”の東京直営店「aeru meguro」がある。ここでは、器やコップ、前掛けやタオルなど、赤ちゃんや子どもから大人まで使える伝統産業品が揃う。特に有名なのが「こぼしにくい器」と「こぼしにくいコップ」シリーズだろう。

赤ちゃんが自分で食べやすいように、「返し」がついたデザインはデザイナーと職人と共に試行錯誤の上に独自で開発したもの。お話を聞いた森さんは「和えるとNOSIGNERさん(デザインパートナー)と職人さんの力を『和えながら』完成させました」とにこやかに話す。

今回は特に器とコップについて、その魅力を聞いた。

働く女性が増え、忙しいママさんをサポートする、いわゆる「便利グッズ」がたくさんある中で、今なぜ伝統産業品なのでしょうか

壊れることも学ぶ

もともと和えるは、「日本の伝統を次世代へつなげたい。日本の“ホンモノ”を伝えたい」という想いから始まりました。

たしかに、割れないものは便利かもしれませんが、私たちは壊れてしまう器だからこそ学べることがあると考えています。がしゃんと落として割れてしまったらお子さんはびっくりするかもしれません。でも落とすと割れる、丁寧に扱わないと欠けてしまう、そういった壊れることを学ぶのも大切だと思うのです。

壊れても直して使い続ける。割れたことも思い出に。

お直しの方法に、金継ぎ、銀継ぎという技術があります。割れた箇所を漆で整形し、金または銀で仕上げます。状態にもよりますが、まっぷたつになってしまったものも、お直しをさせていただきました。

現在は和えるでご購入いただいたもの以外でも、お直しを承っています。金継ぎをしたことで、かえって味のあるデザインになった、とおっしゃるお客様も多いです。

この継ぎを見て、壊れてしまったこと、割れてしまったことも思い出に、人生を共に歩んでいただけると嬉しいです。

 

日本中に様々な焼き物や塗り物があり、それぞれ特徴があります。あえてデザインを統一して展開されているのがとても面白く感じます。職人さんたちの反応はいかがでしたか?

職人さんたちはみなさん、私たちの「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いに共感して作ってくださっています。

ただ、やはり土などの素材の特徴から開発に時間がかかるものもあります。

今年の8月にラインナップに加わった栃木の益子焼、秋田の川連漆器の拭き漆は、2-3年の開発期間がかかりました。

現在開発中のものもあり、今年の冬頃には秋田の川連漆器の塗りバージョンも加わる予定です。

お米の籾殻を混ぜた釉薬により伝統的な青い色が出る。現在、東京直営店「aeru meguro」、オンライン直営店にて先行販売中。

京焼らしい鮮やかな黄色の器。よく見ると、一色ではなく側面はうっすらと白霞んでいる。黄色の釉薬の上に白の釉薬を吹きかけている。

同じデザインにしたことで、シリーズは違ってもサイズが同じならスタッキングすることも可能です。ガラスコップも陶器のコップもスタッキング可能です。そういった機能面も追求しました。

実際に触ってみると想像以上に軽かったり、ぽってりと手に収まったり。目で見るだけではなく、直営店で実際に触れられるからこそ感じていただけることが、多々あります。職人さんが想いを込めて生み出した日本のホンモノが、赤ちゃんや子どもたちの感性を育むお手伝いが出来ますように。

 


お話を伺った aeru meguroホストマザー(店長)森恵理佳氏

”0から6歳の伝統ブランドaeru”の、東京直営店「aeru meguro」のホストマザー(店長)としてお客様をお出迎え、職人さんのこころや暮らしを伝える講話会や、お子さま向けの食事の所作講座など、日本の伝統を伝えるイベントの企画・運営を行っている。

 

 

和える 

「日本の伝統を次世代につなげたい」という想いから、代表の矢島里佳氏が若干22歳の時に創業。2012年「0から6歳の伝統ブランドaeru」を立ち上げる。学生時代から各地の職人のもとに足を運び、職人とのつながりを深める。現在も新しいaeruブランドの商品を職人さんと共に開発中である。 


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