日本には、春と夏の中間くらいに、その時期だけの短い旬の味があります。

例えば、今回紹介する甘夏みかんや、たけのこ、そら豆などは
あっという間に店頭から消えてしまいますよね。

だからこそ口に入れると、「ああ、今年もこの季節がきたのね」と
初夏を実感できる貴重な品々です。
早速絵本でご紹介していきます。

言葉も楽しい『そらまめくん こんにちは』

 おすすめ年齢:1歳~
 定価:¥935(税込)
 著: なかやみわ
 出版社: 小学館

 

 

こんなカワイイそら豆が主人公の絵本。
頭の黒いところや、キュートなフォルムが
本物そっくりでしょう?

そらまめくんはお散歩で
小さな生きものたちに出会いたびに
「こんにちは」と元気にごあいさつしていきます。

ちょっと時間のあるとき、
子どもと一緒に豆むきしてみませんか?
お手伝いというより遊び感覚で楽しいですよ。

竹の生態がわかる科学絵本『たけのこほり』

  

 おすすめ年齢:3歳~
 定価:¥429(税込) 
 作: 浜田桂子
 出版社: 福音館書店

 

 

 

遅い春、夏近く、裏山の竹やぶに、
たけのこ掘りに行った子どもたちの一日を描いています。

シャベルやスコップを抱え、やる気満々。
まずは探して、みんなで掘りだし、両手で抱えるようにして
持ち帰ります。
糠を入れてよく煮てから作るのは、たけのこごはん!
過程が丁寧に描かれています。

たけのこの皮を使った遊びも掲載されていて、
たけのこ掘りに行けなくても、行った気分が味わえますよ。

この絵本は、図書館などで借りて読むことができます。

日本のかんきつの魅力を知ろう!『かんきつだんめん図鑑』 

  
 おすすめ年齢:4歳~
 定価:¥990(税込)
 さく:わたなべまこ@豊洲市場ドットコム
 出版社: 小学館

 

 

 

みかんって「冬にこたつで」のイメージがありますが
実は春~夏にかけては温州みかんとは別のみかんが
たくさん出回ります。

私の大好きな「甘夏」も初夏限定で味わえます。
酸っぱさも甘さもほどよく、みずみずしいみかんです。

日本で栽培されていて店頭で目にすることのできる42品種の
みかんの断面が紹介されています。
みかんそれぞれの違いがよく分かって、見ているだけで楽しい!
みかん博士になれるかも。

アスパラが悪者退治?『野菜忍列伝 其の二 あっぱれアスパラ郎』

 おすすめ年齢:5歳~
 定価:¥1,430(税込)
 作: 川端 誠
 出版社: BL出版

 

 

 

この絵本を旬の絵本と言うかは、やや迷うところですが
このシリーズはぜひともご紹介したい!

時代劇の見せ場を切り取ったような
活劇絵本でありながら、主人公はなぜか野菜なのです。
今回のヒーローは、着流し姿がさまになるアスパラ郎(オ)。
敵役は、芋吉率いるジャガイモの悪い奴ら。

店頭では年中見かけるアスパラガスですが、
日本の旬は初夏です。みずみずしさが違います。
とはいえ、この絵本で旬は伝わらないかと思いますが、
きっと読んだ後には、なぜかアスパラガスやジャガイモが気になるはずですよ。
巻末にマヨネーズの作り方つき。

旬は巡っていきます。
だからこそ、ときを逃さずに
季節の味を美味しくいただきたいですよね。

 


大久保 徳久子(おおくぼ とくこ)
絵本編集者/読書アドバイザー/絵本de子育てコーチ

出版社にて絵本·児童書の編集に携わり、現在はフリーランス。手掛けた絵本·児童書は300冊にのぼる。編集者としての経験を活かし、図書館や教育委員会委託講座、親子サロンなどで、妊娠期~小学生の親に向けて絵本講座を開催。その他、多岐にわたって絵本の魅力を広める活動を行っている。
読み聞かせだけではなく、絵本の可能性をもっと広げる活動「絵本×コーチング」「絵本×性教育」「絵本×哲学対話」「絵本×食育」なども展開している。

公式ブログ http://ameblo.jp/ehonde

保育士の専門雑誌「POT」にて絵本紹介記事を連載中
シェアダインで食育絵本コラムを連載中


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