料理家さんインタビューvol.4 コバミキさん 働くママさんをもっとサポートしたい、料理で社会を変えたい

始まりは長男の給食づくり

 長男が通っていた小学校には、親が当番で給食づくりをするというシステムがありました。そこで200人分のジャガイモを切りました。すると調理を管理する先輩ママさん方が、私が切ったジャガイモの大きさがバラバラなのをこそこそっと指摘していたのです。それまで、料理といえば家庭でやる調理くらいしかやってこなかったので、ショックを受け(笑)そこから真剣に料理に向き合うようになりました。これが第一回目の奮起ポイントです。

 その後、保育園の給食補助の仕事に就きました。その仕事を始めて1年も経たないうちに、商店街でお惣菜カフェのお店を出さないか、という話が舞い込んできました。資金も経営の経験もありませんでしたが、そこは居抜きのお店で、経営的な部分は別の形が担当して、私は調理担当という形で進められるということもあり挑戦することにしました。ところが、夫がぼそりと「お店出すのにそんなに普通の料理でいいの?」と言ったのです。そのセリフにハッとしました。これが第二回目の奮起ポイントです。 

 そこからリサーチの開始です。デパ地下でお惣菜やデリを買いあさり試食を繰り返しました。3日おきに図書館に通い、レシピ本を片っ端から読んで、実際に作ってみました。どうしたら原価を抑えて、美味しいものを手早く作れるかを研究する毎日でした。 

 その時に感じたのは、世の中にあるレシピはとても無責任だということ。材料の分量が曖昧だったり、読みにくかったり。倍の量を作りたい時はそのまま材料を倍にすればいいってものではない。そこで自分なりに色々なレシピを掛け合わせて、本当に作りやすいレシピを自分で書き起こしたんです。それがこのノートです。 

日々レシピを気にしながら約2年間がむしゃらにお店を続けました。おかげさまで地域に根付いた繁盛店になり、その時に作ったメニューが地域の賞を受賞することもありました。

 ある日ふと、夕どきになると保育園にお子さんをお迎えに行ったママさんがお惣菜をよく買っていかれるのに気づきました。夕方までお仕事をして、子どもをお迎えに行って、そこから夕飯を作るのは本当に大変だろうなぁと感じていました。

働くママさんをもっと直接サポートしたい

 私の世代は、結婚したり出産したらキャリアはストップ、仕事を辞めるのが当然のような時代でした。でもこれからは出産を経ても職場に復帰してキャリアを続けていく女性がどんどん増えるでしょう。一方で、家事や育児が減るわけではないので大変さは増えます。カフェにお惣菜を買いに来てくださったママさんもそんな大変さを抱えた一人だと思います。そんな人たちをもっと直接サポートできたらいいな、と思い始めていました。

 そんな中で、カフェ併設型の保育園があることを知り、何か新しいことができるのではないかとその保育園を訪れました。その前に調理師免許も取っていたので、その保育園の調理師として勤務することになりました。食育活動をしたり、一般公開の離乳食講座などを開いたりもしていましたが、何かもっとできるのではないか、という思いがくすぶっていました。そこで人事面談の際に私が「社会を変えることしたい」と伝えたところ「そういう大きいことを言う人ほど、何もできない」と言われたのです…!これが第三回目の奮起ポイントです。

シェアダインの直接家に行くサービスと自分のやりたいことが繋がった

 その頃に出会ったのがシェアダインです。直接サポートしたいという思いが強くなり、何かもっとリアルに、直接変化を起こせないかと考えていました。シェアダインのサービスの「直接ご自宅に伺って料理をする」というのが自分自身の想いと繋がりました。

実際に始めてみると、最初は短い時間内に何品作るかということに追われました。保育園の給食や小学校の大量調理と、家庭での調理では、当然ながら調理環境が違います。どうしたら効率よく作れるかを考えて作業を進めていました。回数を重ねるごとに、「今週は仕事が忙しくてとっても助かりました」という感想から、「自分でも作ってみたいのでレシピ教えてください」と言ってくださる方が増えてきました。保育園での調理経験から、離乳食の相談を受けることも多く、「こうすればよかったんですね!今度やってみます」「今、実際にやっています」と言っていただ くことも。これまでお料理が苦手だった方が新しく調理器具を買って挑戦している、という話も聞きました。そんな言葉が何よりの喜びでありやりがいですね。これは単に食事を作ってあげるだけのサービスではなく、ユーザーさんをやる気にさせてあげたり、ポジティブな気持ちにさせてあげる、そして行動を起こさせることもできるサービスなんだな、と感じています。

私自身は、決して難しい調理をしているわけではないのです。ただ、これまでの経験から、ちょっと一工夫がある一皿を、誰でもできる方法でお伝えすることはできると思っています。

 

コバミキさんに作ってもらいたい逸品

技あり魚料理

蒸し魚の甘辛あんかけ

切り身を蒸してから五平餅のような甘辛のタレをかけた一皿。蒸しているので魚がふっくらして、お子さんにも好評です。

じゃがタラのクリームオーブン焼き

ジャガイモと一緒に牛乳で煮て、上からパン粉をまぶしてオーブンで焼きます。

 

記憶の料理

母のアツアツ料理です。料理と言っても、母は手の込んだ調理をするというより、シンプルなものをできたてアツアツで食べよう!というスタイルでした。

小学生の頃、土曜日の午前授業を終えて帰ってくると、吉本喜劇をやっていて(関西出身です!)ちょうど見終わる頃に近所にお豆腐屋さんが来るんです。そのお豆腐屋さんに油揚げを買いに行ってくると、母がそれを家でさっと炙ってくれます。熱々になったところに生姜醤油をかけるとジュッと音がするんですね。それをはふはふとつまむ。それがいつも楽しみでした。

あとは「焼きなす」です。直火で焼いて、これも熱々のところを母が汗をかきながら皮をむいて、箸で割く。そんな記憶が残っています。

自分の子供との記憶の料理は「からあげ」ですね。長男がまだ4、5歳の頃、入院したことがあります。脱水症状になって点滴を受けながら「母さん、からあげが食べたい」って言ったんです。退院してからすぐに作りました。今でも何かあると無意識にからあげを作っています。

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