Contents
管理栄養士の岡田みなみです。保育園で栄養士として献立作成や調理をしていました。今回は、子どもたちが野菜や魚をペロリと食べてしまうの保育園の給食献立の中から大人気のメニューを3つ紹介します。キーワードは「ねばねば」「とろとろ」「ふわふわ」です。
納豆の「ねばねば」で野菜をコーティング!
最初に紹介するのは「ほうれん草の納豆和え」。保育園の給食で大人気の献立です。なぜ納豆なんでしょうか。
実は納豆の旨味によって子どもは、驚くほど野菜を食べてくれます。しかも、子どもは納豆の「ねばねば」が大好き。納豆の「ねばねば」で野菜をコーティングすることで、野菜嫌いな子どもでも、食事を楽しんでくれます。
「とろとろ」あんかけで食事が飲み込みやすくなる!
次は「白身魚の野菜あんかけ」。魚が苦手な子どもは多いですが、その理由は「味」ではなく、「飲み込めない」こと。それを克服するための秘密は、あんかけ。あんかけにすると、飲み込みやすく、味付けも甘くなるので、食べやすくなります。
豆腐のチカラで「ふわふわ」に!
3つ目は、豆腐で作った「ふわふわナゲット」。市販で売られているチルドのナゲットと違い、豆腐の素朴な味わいが楽しめまるので、子どもだけでなく、大人でも美味しく食べられます。しかも、冷凍保存も出来るので、お弁当のおかずにもピッタリです。
家では食べないけど、保育園では食べる、のナゼ?
家では野菜を全然食べない子が、保育園では食べるという話を聞きませんか?実はいま、「こだわりの保育園給食」が注目されているんです。
保育園の給食には、添加物や既製品を控えた献立など、好き嫌いの子供たちに美味しく食べてもらうための長年の工夫がたくさんあり、レシピサイトなどでも注目されています。
「食育」にも力を入れています。例えば、行事のある日は「行事食」が出され、先生は子どもたちに行事の意味を教えながら、子どもたちに食べてもらうなどの工夫をしています。
配膳に工夫を凝らす保育園もあります。例えば、ホテルのようなブッフェ形式。こうすることで、自分の食べられる量を知り、苦手なものは少しだけ盛りつけて、先生が食べる努力を教えてくれます。
食べにくい食材が「大好きなメニュー」に!
自分の子どもが苦手な野菜、食べにくい魚は、ちょっとした工夫で「大好きなメニュー」になります。ちょっと苦手な食材を使ったおかずも、保育園で人気のメニューを真似すれば、「いつも食べているのと一緒だ!」と喜んでくれますよ。ぜひチャレンジしてみてください。
子どもの偏食や野菜嫌いは、一過性のものもあります。成長の過程で「気がついたら食べられるようになっていた、」なんてことも。「1つの食材を食べないことで栄養不足になる」ということはありません。食べない時にあまり心配しすぎず、一家団らんで楽しく食卓を囲み、毎日の食事を楽しんでくださいね。以下でレシピを紹介します。自宅で簡単にできるコツも載せていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
<人気の献立例>
- わかめご飯
- 鮭のタルタルがけ
- ほうれん草の納豆和え
- 味噌汁
- りんご1切れ
保育園の給食でそんなに食べる?と子供に大人気なのがほうれん草やキャベツを納豆と和えた一品。納豆の旨味が野菜を食べやすくしてくれるので、たくさん食べることができます。作り方は簡単。ほうれん草を茹でて、しっかりと絞る。そして納豆に付属のタレを入れて混ぜ、ほうれん草と和えるだけ。子供が大好きな納豆のネバネバで野菜をコーティングすることで、驚くほど食べてくれます。ほうれん草だけでなくキャベツやにんじんを加えても。簡単にできる副菜で2~3種類の野菜が摂れます。納豆の他にも、ツナ缶の汁気を切ってしょうゆと一緒に野菜と和えるなど、子供の好きな旨味の強い食材と和えるのが苦手な野菜でも食べやすくするポイントですよ。
また、味付きご飯はほとんどの子供が大好き。わかめご飯は市販品を買わなくても簡単に手作りができます。乾燥わかめを細かく砕き、炊きたてのごはんに塩少々と一緒に加えて混ぜ、5~10分程蒸らすだけ。お好みで白いりごまや鰹節を加えても美味しくいただけます。このほかにも、ひじき煮を混ぜたり、味付けしたひき肉や卵、ツナ缶、野菜を混ぜたり…バリエーションは無限大!味付きご飯は、ご飯と一緒に野菜やたんぱく質も摂れ、ご家庭では忙しい朝におすすめです。小さくおにぎりにしてお皿にのせておき、自分でパクパクと食べてくれるとパパ、ママも助かりますよね。
<人気の献立例>
- ご飯
- 白身魚の野菜あん
- コロコロきゅうり
- 卵スープ
- みかん
あんかけのかかった白身魚は飲み込みの苦手な子供でも食べやすく、人気のメニューです。魚が苦手な子供の多くは、味よりも上手く飲み込めないということが理由なので、あんかけにすると飲み込みやすく、甘めの味付けも子供が好きになるポイントです。野菜あんにすることで、お野菜も一緒に摂りましょう。つくり方は、最初に白身魚は片栗粉をまぶして揚げます。にんじんや玉ねぎ、ピーマンの千切りをだしで煮てしょうゆ、みりん、砂糖で甘辛に味付けして水溶き片栗粉でとろみをつけ、白身魚にかけます。
この日の献立にはコロコロきゅうりを。子供はなぜかコロコロした食べ物が大好き。カリカリと食感のいいきゅうりをコロコロに切って、塩少々をまぶし、5~10分おき、水気を切ります。鰹節、しょうゆを加えて混ぜるだけ。お好みでごま油や白いりごまを加えても美味しいです。子供にお手伝いをお願いする場合は形を変えます。きゅうりはへたを落とし、ビニール袋に入れ、めん棒などで叩いてたたききゅうりに。これなら包丁を使わず、袋に入れることで周りも汚れずにきゅうりが食べやすい大きさに。叩いたきゅうりは水気を切り、同じように味付けすれば出来上がり。忙しい時に助かる副菜です。
<人気の献立例>
- ご飯
- 豆腐と野菜のふわふわナゲット
- 切干大根のカレー煮
- 豚汁
- バナナ
豆腐を水切りして作った豆腐ナゲットは、チルドのナゲットと違い素材の素朴な味わいが楽しめ、大人も美味しくいただけます。たくさん作って冷凍することもできるので、お弁当にもぴったりです。豆腐はキッチンペーパーに包んで、電子レンジで1分30秒ほど加熱し、粗熱を冷まし、水気を切る。ボウルに水切り豆腐、鶏ひき肉、卵(卵アレルギーの子供は片栗粉を少し入れることでつなぎになります)、みじん切りした玉ねぎ、牛乳(水や豆乳で代用可)に浸したパン粉、塩、こしょうを入れて混ぜ、小判型にまとめ、表面に片栗粉を薄くまぶして揚げてください。たねは片栗粉をつけずに、焼けばつくねにも変身。ひじきやにんじん、いんげんなどを加えると、お野菜を一緒に食べることができるお役立ちメニューです。
切干大根は歯ごたえがあり、見た目も茶色で子供が苦手な食材ですが、子供の好きなカレー味で仕上げると意外と食べてくれます。鍋にサラダ油を入れて熱し、水で戻して食べやすい大きさに切った切干大根、にんじんを炒め、だしで柔らかくなるまで煮ます。カレー粉(入れすぎは辛くなります)、酒、砂糖、しょうゆを加えて煮汁がほとんどなくなるまで煮ます。煮汁がなくなる前にいんげんや小松菜など緑の野菜を加えてもいいでしょう。さつま揚げや油揚げなどを入れても味が出て美味しく仕上がります。
ライター紹介 岡田みなみ(管理栄養士) シェアダインとは 栄養士や調理師など食のプロ料理家が、子育て世帯の食に向き合い、家庭料理をご提案。3日分のお料理を調理する出張「作り置きサービス」の会社です。(https://sharedine.me) |