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秋は、旬のおいしいものがいっぱいです。いっぱい過ぎて困っちゃうくらい!
この時期は「ぶどう狩り」や「いもほり」など
ふだんはできない収穫を体験できるチャンスもありますね。
秋だから味わえる、おいしさの詰まった絵本をご紹介します。
ページを開けば秋のくだものがいっぱい!『くだもの』
定価:¥900+税
さく:平山和子
出版社:福音館書店
いまはたいていの野菜は年中販売されていて、旬がわからない・・・
ごくごく幼い子に旬を伝えるのには、「くだもの」がベストじゃないでしょうか?
「くだもの」と言えばこの絵本というくらいの定番絵本ですが
表紙がさくらんぼなので、なんとなく秋のイメージじゃない?
しかし、この絵本、ぶどうも、梨もしっかり登場しているんですよ。
意外に梨がしっかり載っている絵本って少ないので、
「はい、どうぞ」って、秋のフルーツも楽しんで欲しいですね。
秋といえばやっぱりおいも!いも掘りしたらさくさく、あつつ、ほっこりのコロッケをどうぞ『いもほりコロッケ』
定価:¥1,400+税
文:おだ しんいちろう
絵:こば ようこ
出版社:講談社
幼稚園や保育園での「いもほり」行事。
主人公のまきおくんはバスに乗ってみんなとじゃがいもほりへ。
真っ黒になりながら家に持ち帰ったじゃがいもで、さっそくお料理のはじまりはじまり~!
じゃがいもを洗うとき、まきおくんは「せっけんであらうの?」と聞いたりします。
「そんなわけ ないでしょっ」とお母さんは言うけれど、
そうそう、最初はそこからなんですよね、お料理は。
親子の会話がリアルで、温かくて、おいものようにほっこりする絵本ですよ。
晩ご飯にある小さなストーリーが優しい『きょうのごはん』
定価:¥1,200+税
さく:加藤休ミ
出版社:偕成社
サンマがこんがりいい感じで焼けてます。白いご飯とお味噌汁。
サンマには大根おろしが添えられて、皿の向こうには醤油差しが見えてます。
これは、おかあさんが商店街の魚屋で買ったサンマ。
ぼくが弟に邪魔されないようにがんばってすりおろした大根おろし。
それぞれの家の晩ごはんには、毎日毎日こんな小さなストーリーがありますよね。
絵本の中で、どの家でも子どもがご飯づくりのちょっとしたお手伝いをしています。
そういうところ、ぜひ見逃さないで読んでほしいです。
山の恵みと、おじいちゃんの知恵がいただける『ほな また』
定価:¥1,333+税
さく・え:こしだミカ
出版社:農山漁村文化協会(農文協)
秋の味覚で忘れてならないのは、キノコ!
苦手にしている子も多いキノコですが、食物繊維も栄養もたっぷりで、
ホントは食べて欲しいですよね。
とはいえ、我が家の息子も苦手としています~。
せめてせめてお話の中でキノコに触れておきませんか。
この絵本、ダイナミックな絵に、山の恵みの生命力が溢れてます。
おじいちゃんと孫が山にキノコ狩りへ。
やってきたのは毎年くるヒミツの場所です。
かごいっぱいキノコを採って、さあ帰ろうとうながす、おじいちゃん。
すると、孫は「まだあるのに」と残念そうに言う。
でもね、おじいちゃんはこう返すんですよ。
「たべるぶんだけ とったら ええやん。あとは、また らいねん」
生きるためのシブい知恵を教えてくれるのは、やっぱりおじいちゃんが似合います。
自然のもたらす恵みと共に、知恵もいただく。
この時期に読みたい1冊です。
あら、今月のラインナップは、思いっきり秋色ですねえ。
季節はゆっくり移り変わっています。
「食べるものもちょっとずつ変わってきてるよ」と、
お子さんに絵本を読みながら伝えていただけたら嬉しいです。
大久保 徳久子(おおくぼ とくこ)
絵本de子育てコーチ/ 読書アドバイザー
出版社にて絵本・児童書の書籍編集に携わったのち、現在はフリーランス編集者として活動。手掛けた絵本・児童書は300冊にのぼる。編集者としての経験を活かし、子どもの本の講座や個人レクチャーを行っているほか、小学校や保育園で読み聞かせ活動を続けるなど、多岐にわたって絵本の魅力を広める活動を行っている。直近では、文京区図書館において絵本講座「本好きの子どもを育てるレシピ」を担当し好評を博した。
また、子育てする親向けに、絵本にコーチングの知識を織り交ぜたオリジナル講座【絵本de子育てコーチング講座】も不定期に開催。
発売中の『幸せに生きる力をつける3~10歳までの子育て』(洋泉社)にて図書館の使い方ページを担当。
プライベートでは1児のママ。
公式ブログ http://ameblo.jp/ehonde
■毎月開催中■
NPO法人子育てkitchenグループ「本好きの子どもに育てる絵本の読み方・選び方」講座
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