幼児食でのチャーハンの作り方とポイントの紹介
離乳食が完了して、幼児食に移行するとさまざまなものが食べられるようになります。同時に苦手なものが出てくる時期でもあります。栄養のバランスを考えてつくっても、食べてくれなければ困ってしまいます。そんなときにたすけになるのがチャーハンです。しかし幼児に食べさせてよいのか、どんな栄養があるのかわからないかもしれません。
幼児食におけるチャーハンについて、くわしくご説明いたします。
離乳食と幼児食のちがい
離乳食と幼児食のちがいは、それぞれの発達段階に沿った素材や調理方法だということです。離乳食は生後5カ月頃を目安に、母乳やミルク以外のものに触れる機会から始めます。4段階に分けて徐々に液状から形のあるものへと変えていきます。離乳食完了期の続きが幼児食前期です。
1歳半~2歳頃の幼児食前期は、前歯だけでも食べられる形状や固さにすることが必要です。2歳~3歳頃の幼児食中期は、角切りや奥歯でかみつぶせるような形や固さが可能に、3歳~5歳頃の幼児食後期は、歯ごたえのあるものも楽しめるようになり、おとなと同じ固さのごはんが食べられるようになります。
幼児食でおすすめのチャーハンの具材
食感がちがうものを食べさせることが、この時期には重要なポイントです。
幼児はまだ、かむ力や消化機能が未熟なため、かみつぶしやすく消化しやすい素材をえらぶことが大切なのです。しかし離乳食のように、ドロドロとしたやわらかいおかゆ状のものばかりずっと食べさせていると、かむ力が育っていきません。卵とコーン、青菜とベーコン、納豆としらす、桜えびと大豆の水煮のように歯ごたえがちがう素材を組み合わせて、かむ力を育てましょう。ただしコーンは皮に食物繊維が多く含まれるため、食べすぎると消化不良を起こすので注意が必要です。明太子や鮭フレークなどは、塩分が多いので控えましょう。
幼児食の献立は、3大栄養素である炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルを1食の中にバランスよく含むようにすることが大切です。その点でチャーハンは、組み合わせ次第で
栄養のバランスが整えられる万能なメニューだといえます。小食なこどもにも効果的でしょう。そして幼児期にはなによりも、食べることが楽しいという経験が必要です。緑のピーマンや青菜を嫌がるようであれば、視覚的にカラフルなカラーピーマンをつかうなどの工夫をしてみましょう。
調理のポイント
幼児食ではなるべく油を少量にすること、食材の形や固さを発達段階に合わせることが大切です。野菜を刻むときには、なるべく繊維にそって切ると、特有の苦みがおさえられます。
いか・たこは弾力があり、のどに詰まりやすいので、3歳以降に小さく切ってから食べさせましょう。2歳くらいまでは、スプーンが上手につかえないこともあるので、ラップに包んでひと口大に握ってあげるのもよい方法かもしれません。
食べものの好き嫌いがはっきりしてくる幼児期ですが、調理方法次第で苦手なものを克服できる機会もあります。とくに3歳以降になると、「苦いから」と食べなかったり、「パサパサしているからイヤ」と理由がはっきりしていたりする場合もありますので、頭ごなしに叱って食べさせるようとするのではなく、原因をさぐってみて調理の工夫をしてあげることも重要です。
味つけのポイント
幼児食の基本の味つけは、うす味でなるべく素材の味に慣れることです。味覚が育っていないこの時期に、味が濃い食べものを好んで食べると、生活習慣病を引き起こす原因になるかもしれません。また冷凍チャーハンは、塩分や油分が多く味が濃いのでなるべくさけましょう。少量の塩・こしょうを基本にしょうゆ・マヨネーズ・鶏がらスープの素などをうまく活用してうす味に仕上げてください。
幼児食におすすめのチャーハンレシピ
卵チャーハン幼児1人分
材料
- あたたかいごはん130g
- 卵1個
- しょうゆ小さじ1/2
- 塩・こしょう各少々
- 油小さじ1
- 青のり少々
作り方
- 耐熱のボウルに青のり以外のすべての材料を入れてまぜる。ラップをして電 子レンジで1分40秒加熱し、とり出して全体をよくまぜる。
- 器に盛り、青のりをふる。
引用資料:監修牧野直子、はじめてママ&パパのすくすく幼児食主婦の友社、2016
野菜いろいろチャーハンおとな1人+幼児1人分
材料
- ごはん250g
- 卵1個
- マヨネーズ大さじ
- ねぎ5cm
- しいたけ1枚
- にんじん3cm
- ピーマン1個
- ごま油大さじ1
- 鶏がらスープの素小さじ1
- しょうゆ小さじ1
作り方
- ねぎは1cm幅の小口切り、しいたけ・にんじん・ピーマンは2cm角くらいに切り、すべていっしょにフードプロセッサーにかけてみじん切りにする。
- 卵をほぐし、マヨネーズを加えてまぜる。
- フライパンにごま油を熱して②を流し入れ、大きくまぜていり卵にしてとり出す。
- 同じフライパンに①を入れていため、鶏がらスープの素を加える。あたたかいごはんを加えてさらにいため、しょうゆを加える。③をもどし入れてまぜ、 味をみて塩少々(分量外)で整える。
引用資料:監修牧野直子、はじめてママ&パパのすくすく幼児食主婦の友社、2016
幼児食前期の1歳半~2歳頃までは、パラパラのチャーハンよりは少しまとまりやすい下記のレシピの方が食べやすいでしょう。
ごはんのおやき幼児1人分
材料
- ごはんこども茶わん1/2杯
- マヨネーズ大さじ1
- 牛乳大さじ1
- かたくり粉小さじ1
- のり(あれば韓国のり)1/4枚
- 削り節1パック
- ごま油大さじ1
*のりや削り節のほか、きな粉やいりごま、プロセスチーズを刻んで加えてもおいしくできます。
作り方
- のりはこまかくちぎり、削り節もつぶすようにしてこまかくする。
- ごはん、マヨネーズ、牛乳、かたくり粉を加えてよくまぜ合わせる。
- フライパンにごま油を熱して①をひと口大に落として並べ入れ、両面をカリッと焼く。
引用資料:監修牧野直子、これが最新!きほんの幼児食1才半~3才ごろ、主婦の友社、2019年
まとめ
幼児食の時期でもアレンジ次第でチャーハンを食べさせることができます。油分や塩分を控えめにして、材料を食べやすく消化しやすい形にすれば、1品で栄養バランスも整う万能メニューになります。食感や色味に工夫をして、楽しく食事ができるようにしましょう。