野菜スープはいつから食べさせていい?野菜スープの離乳食解説
離乳食で野菜スープを食べることのメリットはたくさんあります。
加熱することで甘くやわらかくなり、口の中で食べやすく消化もしやすくなる。
生野菜はまだ歯が揃わない赤ちゃんにとっては噛みにくく、内臓も未発達なので消化もしにくいものです。スープにして煮込むことで野菜の甘味とやわらかさが増して食べやすく、すりつぶしたり小さくカットしたりすることで消化もしやすくなります。
茹でると逃げてしまう水溶性ビタミンもスープに溶け出すので逃さず摂取できる。
例えばスープに使いやすいキャベツやブロッコリーにはビタミンB群やビタミンCなどが豊富に含まれていますが、これらは水溶性なので茹でる事で細胞が壊れ栄養素が水に溶け出してしまいます。茹でるだけでは逃してしまう栄養素も、スープの中に溶け出すのならば逃さずに摂取しやすくなります。
野菜の表面に残っている細菌を殺し、まだ抵抗力の少ない赤ちゃんを守る。
生野菜を洗うだけでは表面に細菌が残っていることもあります。赤ちゃんにはまだ細菌に抵抗する力が少ないので、加熱して殺菌することにより赤ちゃんの体を守る効果が期待できます。
冷蔵庫に残りがちな野菜で手軽に作れて栄養も逃さず摂取することができ、和洋中を選ばずアレンジもしやすい野菜スープですが、作る上で抑えるべきポイントがいくつかありますのでご紹介いたします。
野菜スープはいつから飲ませていいのか
野菜スープは離乳食初期から食べさせてあげることが可能です。
赤ちゃんの味覚を形成していく時期にもなるので最初のうちは調味料は必要ありません。大人が食べてもおいしく感じないほど薄くても赤ちゃんの繊細な舌には十分です。
授乳のタイミングが安定しはじめ、食事に興味を持ち出す頃が目安になります。まずは一口ずつスプーンであげることになりますが、口に入れても舌で押し返さない、またはその回数が少なくなってくるくらい、スプーンに慣れさせてあげることも必要になってきます。
最初は野菜で取った出汁をあげるところから始めましょう。じっくり煮込んであげることで野菜の甘さを引き出します。体調や機嫌がよいときに、人肌の温度で、口元をよく見ながらゆっくりとスプーンで一口ずつ。お母さんも一緒に飲むことでお手本を見せてあげましょう。慣れてきてスープの具材も食べさせてあげる場合には滑らかなペースト状になるまですりつぶし、軽くとろみをつけてあげると飲みやすくなります。
離乳食の野菜スープに向いていない野菜
赤ちゃんの歯や内臓は未発達であるため、基本的に咀嚼や消化がしづらい野菜は栄養が豊富であっても離乳食野菜スープには向いていないといえます。
- ごぼう
繊維が強いので咀嚼と消化がしづらい。アクも抜く必要があり、泥には細菌が残る可能性があるので抵抗力の低い赤ちゃんには向いていない。 - きのこ類
栄養はあるが消化がしづらく、繊維が強いため嚙み切れないので喉に詰まらせてしまう危険性がある。旨味と香りがよいので使うなら出汁を取るのに使うとよい。 - 山芋、長芋などの芋類
消化しづらい。ネバネバの成分で皮膚が赤くかゆくなってしまう可能性もあるので赤ちゃんには向いていない。
他にも、処理をすれば食べられるので向いていないとまではいきませんが、ほうれん草などの茎やとうもろこしの薄皮などは消化しづらいため、葉物野菜は葉っぱの方だけを細かく刻むかすりつぶして使ったり、とうもろこしは裏ごしにかけて薄皮を取り除いてあげたりする必要があります。
逆に、野菜スープに向いている野菜は
やわらかく消化がしやすい
アクが少ない
加熱することで甘みが増す
の条件を満たす野菜である、大根、カブ、白菜、玉ネギ、キャベツなどになります。それぞれ離乳食の時期に応じて、すりつぶしたり細かく切ったりして使用します。
調味料はいつから使っていいのか
離乳食初期(5~6か月目)は基本的には調味料は使わず、野菜からでる出汁の甘味だけで大丈夫です。
未発達の赤ちゃんの体では糖分や塩分が多いものは消化吸収の負担になるほか、これから形成されていく味覚への影響も心配になります。大人では物足りなく不安に思うくらいの味でも味覚が繊細な赤ちゃんにとっては十分。舌を育てる意味でも素材の味を大切に、野菜そのものの味を伝えてあげましょう。
中期(7~8か月目)に入ると基本の調味料である砂糖、塩、醤油、味噌などが少量ずつですが使えるようになります。あくまで食事に飽きないように風味を変える程度の量、大人の三分の一程度の味のイメージにしましょう。
後期(9~11か月目)になってくると使える調味料の種類がぐっと増えます。味付けは今までのように薄味を意識しますが、めんつゆやマヨネーズ、ケチャップ、無塩バター、無添加コンソメなども使用可能です。食事という行為を楽しむこと、好き嫌いをしないようにしていく意味でも様々な味に触れさせてあげることが大切です。
その他にも基本的な調味料ではないものの、時期によっては使い始めることが出来るものもあります。
- お酢
個人差はありますが、基本的に赤ちゃんは酸味を嫌がる傾向があります。試すなら9~11か月の後期に入ってから、無添加のものを使いましょう。お酢は火を入れると酸味がとんで風味がまろやかになる性質があるので最初は食べやすいかもしれません。同じように酸味がある調味料でもポン酢や寿司酢などの合わせ酢は大人向けに作られていて塩分が多く含まれるため、内臓が未発達の赤ちゃんには消化に負担がかかってしまうため向きません。 - チーズ
中期(7~8か月目)に入ってから、最初はタンパク質が多く脂肪や塩分が少ないカッテージチーズを少量で試しましょう。比較的クセも少ないため食べやすいものになります。食事に慣れてきてモグモグ出来るようになってきたらプロセスチーズを小さく切ってみたり、おかゆに粉チーズを混ぜてみたりするのもよいでしょう。 - にんにく、生姜
特に香りや刺激が強い食材のため、使うとしても後期(9~11か月目)以降からごく少量、風味付け程度におさえましょう。 - ソース、こしょう、カレー粉
同じように刺激が強い調味料になるため、こちらも後期から完了期(12~18か月目)以降にしましょう。特にソースは塩分も糖分も多く含まれるため注意が必要です。ごく少量を風味付け程度、大人の味の三分の一が目安です。 - 粉末だし
初期と中期は野菜のみの味、もしくは使っても基本的な調味料を少量になりますが、後期に入ってからは食事のバリエーションを増やす意味でも粉末だしが使えます。和風だしやコンソメなどの種類がありますが、大人用のものは塩分や糖分、食品添加物が多く含まれるため、赤ちゃんに使うには専用の無添加のものを使用しましょう。 - 昆布、かつおぶし
昆布は野菜と同じ植物性になるので離乳食初期から使うことが出来ます。野菜スープを作るときにひとかけら入れてあげると旨味が増します。昆布の旨味成分であるグルタミン酸は母乳にも含まれる成分になりますので赤ちゃんには馴染みがあり、安心して食べやすいものになります。
かつおぶしは動物性になるので、中期から使うことが出来ます。旨味成分であるイノシン酸は昆布のグルタミン酸との相性が良いため、味のバリエーションの面でも赤ちゃんの舌を育てるという面においても使用して損はありません。
まとめ
野菜スープは離乳食初期から食べさせてあげることが出来ます。
最初は調味料を使わずに野菜の甘味を感じさせてあげること、食べやすいようにペースト状にすりつぶすこと、とろみをつけてあげることがポイントになります。
具材も赤ちゃんの成長に合わせてペースト状から粗くすりつぶす、小さく切る、一口サイズにと大きくしていくことで噛む練習をしていきましょう。味付けも最初の方は塩や砂糖など基本的な調味料のみになりますが、徐々に大人と同じものを使えるようになっていきます。赤ちゃんの舌は繊細なので大人の3分の1程度の薄味を意識し、素材の味を活かして赤ちゃんの舌を育ててあげることも大切です。
そのため、野菜スープに向いている野菜は加熱することで甘さとやわらかさが増すものになります。基本的には冷蔵庫に余っているもので作ることができますが、消化の良くない繊維質な野菜や刺激の強い調味料は避けましょう。
野菜の使い方と特徴を知ることで十分においしさを引き出し、赤ちゃんに野菜の魅力を伝えてあげましょう。
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