
筋トレ後の食事は何か良い筋トレの目的別に合った食事を解説
筋肉を増やしたい、体力や持久力をつけたい、ダイエットしたいなど、筋力トレーニングすなわち筋トレの目的は人それぞれでしょう。筋トレに励むだけでなく、目的に沿った栄養素を最適なタイミングで補給することも大切なことです。しかし、筋トレ後はどんな食事をとれば良いか迷う方もいらっしゃるでしょう。
この記事では筋トレの目的別に筋トレ後に必要な栄養素とおすすめの食材について紹介します。
筋トレ後の食事は何分以内に食べるべき?
筋トレ後は30分以内に食事を摂るようにしましょう。
株式会社明治のホームページ「運動×たんぱく質で“筋肉”をつけよう!」では、「30分を過ぎた頃から筋肉のたんぱく質合成能が低下してきますので、このゴールデンタイムに間に合うようにたんぱく質を摂取することが大切なポイントです。」と説明されています。
トレーニングの後にすぐ栄養を補給することで、グリコーゲンやアミノ酸が筋肉の合成や修復に使われます。また、筋肉を分解してエネルギーをつくることを食い止めることができるため、筋トレ後はできるだけ早く食事することが大切です。
しかしながら、着替えや移動などで、すぐに食事をすることが難しいときもあるでしょう。その場合は、筋トレ後に捕食をとるほか、コンビニ食を活用すると筋トレ後にすぐに食事ができます。捕食は持ち運びしやすいおにぎりやサンドイッチのほか、ゆで卵やサラダチキンが向いています。
筋トレ後に食事をなしにはしていい?
筋トレ後は食事をなしにすることは避けたいものです。なぜなら、トレーニング後の体はエネルギーがなくなっているだけでなく、酷使された筋肉が損傷しているためです。
激しい筋トレをした後は食欲が湧かないこともあるでしょう。また、筋トレ後の予定によっては十分に食事の時間をとることが難しいこともあります。しかし、トレーニング後に栄養が不足していると筋肉が分解されてエネルギーとして使われてしまうのです。筋肉が分解されてしまうと、修復が遅れて疲労が蓄積されてしまいます。食後すぐに栄養補給することで、グリコーゲンやアミノ酸といった栄養素が筋肉の合成に使われて、身体の回復をサポートしてくれるのです。
疲労や暑さによって筋トレ後すぐに食欲が湧かないときには、食べやすい食品を選びましょう。糖質とタンパク質を多く含んだゼリー飲料やバータイプの栄養補助食品などがおすすめです。プロテインを飲むのも一つの方法といえます。一度に沢山食べられないときには少量ずつ分けて食べてみましょう。
運動後の身体の状態、注意点
運動後は、身体の中で貯蔵されていたエネルギーがなくなっています。筋肉や肝臓に貯蔵されていた糖であるグリコーゲンが運動のエネルギーとして使われるためです。
運動によって使われた筋肉は細胞が損傷されています。
運動によって汗をかくと、汗と一緒にマグネシウムやカリウム、ナトリウムなどのミネラルが体の外に流れてしまいます。
エネルギーがなくなり、筋肉が損傷しているため、疲労した身体を回復させるために食事をとることが大切です。
筋トレ後の身体の状態や注意点
筋トレ後は筋肉が損傷されています。トレーニングによって筋肉に負荷がかかると一時的に筋繊維がダメージを受けます。損傷した筋肉は運動後に修復されます。修復するときに、より強い筋肉がつくられるのです。
修復されるときに食事を摂ることで損傷された筋肉が速やかに修復されます。
運動全般で、運動した後におすすめの食事や栄養素
運動全般で、運動した後に摂りたい栄養素は、タンパク質と糖質です。
運動によって傷ついた筋肉を回復させるために、タンパク質と糖質が必要です。特に強度の高い運動を行った後はタンパク質を意識して摂るようにしましょう。
炭水化物は疲れた身体にとって必要なエネルギー源です。運動中は筋肉や肝臓に貯蔵していたグリコーゲンをエネルギーとして使います。消費されたグリコーゲンを補給するために素早く吸収される糖質を選びましょう。
さらに、タンパク質や糖質の代謝に必要なビタミンB1、ビタミンB2などのビタミン補給も必要です。汗で失われたミネラルも補給しましょう。
トレーニング後は吸収が速く、胃腸に負担がかからないような食品を選びましょう。
内臓も疲労しているため、消化が良く食べやすいものにします。
タンパク質であれば、豚バラ肉や鶏もも肉より豚もも肉や鶏むね肉を選びましょう。
糖質は、白米や食パンがおすすめです。玄米やオートミールは食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富ですが、消化吸収に時間がかかるのでグリコーゲンの合成に時間がかかってしまいます。
脂質も必要ですが、吸収が遅く、内臓に負担がかかってしまうため、揚げ物は避けるようにしましょう。どうしても食べたいときには、油の吸収が少ないものを選びます。ポイントは衣が薄いものを選ぶことです。パン粉を使ったトンカツやフライよりもから揚げや素揚げのように衣が薄いものの方が油の吸収が少ないです。
運動後に食欲が湧かないときは食べやすい食品を選ぶようにします。
パンやご飯が食べにくいときは喉越しの良い麺類を選んでみましょう。ただし、ラーメンは塩分と脂質が多いため、内臓に負担がかかってしまいます。うどんやそうめん、そばなどがおすすめです。麺類だけではタンパク質が不足してしまうため、タンパク源となる肉や魚、卵などのおかずを合わせて食べましょう。
筋トレした後の食事や必要な栄養素、メニュー
筋トレ後の食事において必要な栄養素やメニューについて解説します。筋トレの目的に応じて食事の内容やメニューを選んでいきましょう。
目的別栄養素:筋肉量を増やしたい方
筋肉を増やしたい方は、タンパク質を中心に取り入れましょう。タンパク質を摂る目的は、筋肉をつくり、筋肉を維持することです。
運動終了後には、体内におけるタンパク質の合成能力が高まっています。筋肉を増やすためには、筋トレ後のタンパク質摂取がカギです。
筋肉増強のために沢山タンパク質を摂りたいと思う場合もあるでしょう。しかし、1回の食事で効率よく吸収できるタンパク質の量は20~30gとされています。タンパク質は摂りすぎると内臓が疲れてしまいますので、筋肉を増やしたい場合も体重1㎏あたり2.0gを1日の目安量としましょう。
糖質もタンパク質と同時に摂取しましょう。トレーニング中にはエネルギーが消費されています。体内においてエネルギーが足りない状態では、筋肉が分解されてしまうのです。糖質オフが話題になっていますが、極端な糖質制限は筋肉を増やすことを妨げてしまうでしょう。筋肉の分解を抑えて、摂取したタンパク質が筋肉の合成と修復に効率よく使われるようにするためにも、筋トレ後は糖質も大切な栄養素です。
筋肉の合成に必要なビタミンB6も合わせてとるようにしましょう。ビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートするビタミンです。タンパク質は体内に入るとアミノ酸に分解され、その後筋肉など必要な形に合成されます。合成するときにビタミンB6が必要です。
取り入れたい食品は、少量でタンパク質が豊富なものです。効率よく吸収されるものを選びましょう。鶏むね肉は脂質が少なく、吸収の良いタンパク質です。ミンチ状のものはより素早く吸収されます。
ツナ缶はタンパク質だけでなく、1缶あたり0.21gのビタミンB6が含まれています。
目的別栄養素:体力・持久力をつけたい方
体力や持久力をつけたい方であれば、糖質を中心に補給しましょう。糖質はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられ、長時間運動を続けるためのエネルギー源となります。糖質の代謝を助けるビタミンB1を合わせて摂りましょう。
持久力をつけたい方は、酸素を運搬するために必要な鉄分と、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを意識して摂ります。
取り入れたい食品はビタミンB1が豊富なものです。豚もも肉は100gあたり0.96gのビタミンB1が含まれています。
レバーなど動物性食品に含まれる鉄分はヘム鉄と呼ばれ、吸収の良い鉄分です。小松菜など植物性食品に含まれる鉄分である非ヘム鉄は、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ることで効率よく吸収されます。ビタミンCが豊富な果物と合わせてとると良いでしょう。キウイフルーツは1個あたり60㎎のビタミンCが含まれています。
目的別栄養素:ダイエット中の方
ダイエット中の方で筋トレ後に必要な栄養素は筋肉をつくるタンパク質です。
ダイエットとして筋トレをしている方も、筋トレ後の食事が重要です。筋トレによってエネルギーが不足すると、ひとは筋肉を分解してエネルギーとして使います。
筋肉の量が減ると、痩せにくくなってしまう理由は基礎代謝の低下です。基礎代謝とは、安静にしていても消費されるエネルギーのことです。基礎代謝は筋肉の量が多いほど高くなります。そのため、基礎代謝が下がると瘦せにくい体になってしまうのです。
糖質も必要ですが、摂りすぎるとダイエットにつながらないため、量を抑えましょう。
摂取カロリーが運動によって消費したカロリーを上回らないようにしましょう。高タンパクで低脂質のものを選びます。鶏むね肉や豚もも肉がおすすめです。鶏肉の皮部分には脂質が多いので取り除きましょう。黄色い脂肪の部分も取り除きます。
腹持ちの良い食品を選ぶと食べ過ぎを防ぐことができます。高野豆腐は腹持ちの良い食品です。
消化を助け、食べ過ぎを防ぐためにもよく噛んで食べましょう。ごぼうなどの根菜はよく噛める食材です。調理するときは大きめにカットしましょう。
コンビニで買える筋トレ後に食べる食品のおすすめ
筋トレ後の食事にはコンビニの食品も活用しましょう。
筋トレ後にすぐ食事ができるようにと、家で手作りした食事を持参する方法もありますが、調理の負担がかかります。食中毒に気をつける必要もあるでしょう。トレーニング場所に近いコンビニを使うことで、筋トレ後すぐに食事ができます。
筋トレ後に適しており、コンビニで買えるおすすめの食品を紹介します。
タンパク質源となるものは、サラダチキン、ちくわ、チーズ、焼き鳥などです。
炭水化物が豊富な食品は、おにぎり、パン、そば、うどん、パスタなどがあります。
冬であれば、肉まんやおでんも活用しましょう。肉まんは、タンパク質と炭水化物が一緒に摂れます。皮の部分に脂質が少ないので、消化の負担にならない点も魅力です。おでんはちくわやはんぺんなどの練り製品や卵を選びましょう。
有酸素運動後の食事や栄養素
有酸素運動後も、45分以内に食事を摂ることが望ましいでしょう。筋肉の修復のために必要なタンパク質と糖質を補給します。汗で失われたミネラル類も補給しましょう。
有酸素運動の中でもランニングした後の食事や栄養素
有酸素運動の中でも、ランニング後の食事は、消化吸収がよく、食べやすいものを選びましょう。
内臓が疲労しているため、胃に負担がかからないようにすることが大切です。
グリコーゲンが消費されているため、糖質を中心に食べます。運動後は筋肉のグリコーゲンの再合成が最も活発になるため、運動後は早めに糖質を補給しましょう。ランニング後でも食べやすいおにぎりやバナナなどの果物がおすすめです。ゼリー飲料を選ぶ場合は、糖質が多いエネルギー補給が目的のものを選ぶと良いでしょう。
ダイエット中の運動後の食事や栄養素
ダイエット中も運動後に食事をとるようにしましょう。
しかし、ダイエット目的であれば高カロリーの食品に注意しましょう。筋肉の修復に使われるタンパク質を補うことが大切です。プロテインが人気ですが、タンパク質も摂りすぎると中性脂肪として蓄えられてしまいます。プロテインの摂りすぎには注意しましょう。プロテインはタンパク質が豊富ですが、ビタミンやミネラルなどその他の栄養素の量が少ない製品もあるため、食事の代わりではなく補助として飲むことが望ましいです。
まとめ
筋トレ後の食事のポイントについて紹介しました。筋トレ後は筋肉の修復のためにも45分以内に食事をとることが望ましいです。筋肉を増やしたい場合はタンパク質と糖質、ビタミンB6を意識してとりましょう。体力や持久力をつけたいときは糖質を中心に、ビタミンB1や鉄分を補給します。ダイエット目的の場合は高タンパクで低脂質な食品を選ぶようにしましょう。
シーンに合わせてコンビニの食品なども活用します。有酸素運動後も筋肉の修復に必要なタンパク質と糖質の摂取が必要です。
紹介したメニューを参考に、筋トレの目的に合った栄養素や食品を選びましょう。
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