
離乳食の進め方と各時期での食べさせるものの特徴の解説
母乳や育児用ミルクは、産まれたばかりの赤ちゃんにとって必要な栄養成分が整っています。しかし、成長していくにつれて母乳や育児用ミルクでは補いきれない栄養を補充するために離乳食は大切な役割があります。
この記事ではどのように離乳食を進めていけばよいのかを解説いたします。
離乳食はいつからはじめる?開始の時期について
なめらかにすりつぶした状態の食べ物を、赤ちゃんに初めて与えた時が離乳食の開始となります。その時期は概ね生後5~6カ月頃とされています。
「厚生労働省[平成27年乳幼児栄養調査](2016)」によると、開始時期は生後6カ月の割合が44.9%と最も高くなっており、生後4カ月で開始した割合は2.1%にとどまっています。
周囲が早くから離乳食を開始していると、焦ってしまったり心配してしまうかもしれませんが、基本的には生後6カ月頃からで心配ありません。
その目安として、
- 首がしっかりしており、寝返りができること
- 5秒以上座れること
- スプーンで口に入れても舌で押し出すことが少ないこと
- 食べ物に興味を示すこと
以上の4点が挙げられます。
子どもの発達には個人差がありますので、子どもの様子をよく観察しながら進めましょう。
<h2>そもそも離乳とは 離乳食の目的</h2>
産まれたばかりの赤ちゃんは、母乳や育児用ミルクを飲んで育つため、他の食べ物は必要ありません。しかし成長して体が大きくなってくると、だんだん母乳や育児用ミルクだけでは栄養が足らなくなってきます。
離乳とは、成長に伴って母乳や育児用ミルクだけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、幼児食に移行する過程のことをいいます。そして、その時に与える食事のことを離乳食といいます。
離乳食では、母乳や育児用ミルク以外の食べ物から栄養が摂れるようにならなくてはいけません。大人と同じように固形物の食べ物を食べられるようにするために、噛む力や飲みこむ力を身につけることが必要となります。
食べる意欲と好奇心を育みながら、生活リズムを整えましょう。
離乳食の早見表と各時期について
離乳食の時期によって子どもの状態や食事の回数は異なりますので、それぞれの時期についてご紹介いたします。
離乳食初期
離乳食の回数 … 1日1回
母乳や育児用ミルクは子どもが欲しいだけ与えてよいです。
赤ちゃんの状態… 生後5カ月~6カ月頃は、舌を前後に動かすことができ、6カ月頃になれば唇を閉じて食べ物を前から後ろへ送り込むことができます。
離乳食を飲み込むことや、その舌ざわり、味に慣れることが目的となります。
与える食品…つぶし粥から始め、すり潰した野菜なども試してみましょう。
少し食べることに慣れてきたら、潰した白身魚・豆腐・卵黄などを与えてみても良いでしょう。
注意点 … 離乳食のスタート時は、初めて与える食材の時は特にアレルギー反応に注意が必要です。初めて与える食材は1さじ程度にし、食後の子どもの状態をよく観察してみることが大切です。
離乳食中期
離乳食の回数 … 1日2回(生活リズムを確立していきましょう)
母乳や育児用ミルクは離乳食後に与えます。他に授乳のリズムに沿って子どもの欲しがるだけ与えましょう。(ミルクは1日3回程度)
赤ちゃんの状態… 生後7カ月~8カ月頃は、舌は前後に加えて上下にも動くようになります。平らなスプーンを下唇にのせ、上唇が閉じるのを待ちましょう。そして、口をもごもご動かした後に飲み込むのをきちんと確かめましょう。
与える食品 … 舌で噛みつぶせる固さのものを与えましょう。
- 全粥50~80g
- 野菜・果物20~30g
- 魚10~15g
- 肉10~15g
- 豆腐30~40g
- 卵黄1~全卵1/3
- 乳製品50~70g
注意点… 食事以外にも様々なことに興味を持つ時期。急に離乳食を食べなくなったりするかもしれませんが、食事は1日2回という生活リズムは崩さずにしましょう。食べたがらなければ無理に与えなくても大丈夫です。
離乳食後期
離乳食の回数 … 1日3回(食欲に応じて離乳食の回数を増やしましょう)
母乳や育児用ミルクは離乳食後に与えます。他に授乳のリズムに沿って子どもの欲しがるだけ与えましょう。(ミルクは1日2回程度)
赤ちゃんの状態… 生後9カ月~11カ月頃は、舌を上下左右にも上手に動かせるようになってきます。前歯も生えてくる時期なので、歯や歯ぐきで潰して食べられるようになります。離乳食に使うスプーンは丸みを帯びた(くぼみのある)スプーンにしてみましょう。
与える食品… 歯ぐきで潰せるくらいの固さのものを与えましょう。
- 全粥90g~軟飯80g
- 野菜・果物30~40g
- 魚15g
- 肉15g
- 豆腐45g
- 全卵1/2
- 乳製品80g
注意点… 舌の動きが活発になる時期です。そのため、唇を動かさずに飲めるストローやマグはあまり使わずにしましょう。
1歳になる頃にはコップで飲み物を飲めるように練習していくことが大切です。
離乳食完了期
離乳食の回数 … 1日3回、その他に1日1~2回の捕食を必要に応じて与えましょう。
(母乳や育児用ミルクは子どもの離乳の進行状態に応じて与えましょう。)
赤ちゃんの状態… 生後12カ月~18カ月頃は、上手に口を動かして食べ物を噛んで食べられるようになります。離乳食完了期後半には、上下4本の歯も生えて、食べ物を嚙み切れるようになります。エネルギーや栄養の大半を食べ物から摂取できるようになる頃です。
与える食品 … 大人と同じように、形のある食べ物も嚙み潰すことができるようになります。(咀嚼力はまだ弱いので固いものは注意を)
- 軟飯90~ご飯80g
- 野菜・果物40~50g
- 魚15~20g
- 肉15~20g
- 豆腐50~55g
- 全卵1/2~2/3
- 乳製品100g
注意点… この時期になると様々な食べ物が食べられるようになりますが、味の濃いものには注意が必要です。濃い味に慣れてしまうと薄味に戻すことはとても大変なため、大人と同じ食事を分け与える場合は2倍以上薄めましょう。また、咀嚼力も弱いので固いものには十分注意をしましょう。
離乳食の1日の回数
始めたばかりの頃の離乳食の回数は1日1回与えます。
はじめての離乳食は不安があるかもしれませんが、消化吸収が良くアレルギーの心配が少ないお米(お粥)からスタートしてみましょう。
はじめは赤ちゃんの機嫌の良いときに与えることが大切です。授乳タイム1回分を離乳食タイムにし、授乳や育児用ミルクを与える前に、スプーン1さじずつ与えます。
量は、子どもの様子を見ながらゆっくりと1さじずつ増やしていくのが基本で、2日目も1さじ、3日目になったら2さじといった具合に1さじずつ増やしていきましょう。
2週間経てば、子どもの好きなだけ与えてあげましょう。
栄養バランスや食事の時間については、この時期は気にしなくてもよく、母乳や育児用ミルクは食後に好きなだけ与えて大丈夫です。
離乳食を始めてから1~2カ月経ち、ごっくんと飲むことにも慣れてきたら、1日2回食に移行していきましょう。
離乳食のあげかた
離乳食に与える食べ物は、子どもの成長と発達具合に応じて食べ物の種類や量を増やしていきましょう。
まずはお粥から始め、慣れてきたらニンジンやじゃがいもなどの野菜や果物を与え、それらも慣れてきたら白身魚や豆腐、固ゆでした卵黄などと種類を増やしていきます。
白身魚からスタートした魚は赤身魚や青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へと移行します。肉類は脂肪が多いので控えめが良いでしょう。ヨーグルトや塩分と脂肪の少ないチーズは与えても大丈夫です。はじめての食材を与える場合には、必ずスプーン1さじから与え、様子をみます。
1日2回の離乳食がリズムに乗り出したら、主食、副菜、果物、タンパク質性食品を組み合わせてご飯をつくることが大切となります。
離乳食を作る際の注意点
離乳食初期は舌触りがなめらかなとろとろ状態の食べ物ですが、離乳食完了期には大人と同じものが食べられるようになってきます。子どもの成長具合をよく観察し、確実に口の中で押しつぶせる固さになるように調理をしましょう。
離乳食のスタート時は、アレルギー反応にも特に注意をしましょう。はじめて与える食材は1さじから始め、食後に下痢や発疹など体調を崩していないかをよく観察をします。
離乳食初期から完了期までの調理の注意点について下記に記します。
離乳食初期は、まだまだ消化吸収機能が発達していませんので、消化の良い食材をなめらかになるように調理をしてから与えましょう。
離乳食中期は、少しずつ上手に飲み込めるようになってくるので、初期のころよりもやや水分量を少なくして、食材の形を少しずつ残していきましょう。
離乳食後期は、離乳食も1日3回になり、歯ぐきを使って食べ物を潰すようになってきます。そのため、そのまま飲み込むことがないように食材の大きさと、固さに注意をして調理しましょう。
離乳食完了期は、大人の食べる固さに近づけていきましょう。しかし咀嚼力はまだ弱いので、あまりに固いものは注意が必要です。固すぎないミートボールが一つの目安となります。
離乳食をあげる際の注意点
離乳食をスプーンにのせて子どもに与える場合には、無理やり口の中へ食べ物を流し込むのはよくありません。
スプーンの先を下唇にトントンと触れさせ、口を開けたらゆっくりスプーンをいれます。上唇が閉じて食べ物を取り込んだら、ゆっくりとスプーンを水平に引きましょう。
もし口から出してしまっても、スプーンですくってもう一度口元へ戻します。そうすることでだんだんとよだれと混ざっていき食べやすくなります。子どもが自分で食べ物を取り込める練習をしていくことが大切です。
また、発達を促す食べさせ方に、手づかみ食べがあります。手づかみ食べは周りが汚れるから大変かもしれませんが、食べ物を触ったり握ったりすることで、食べ物の形や固さを触って学んでおり、食べ物の関心へとつながってゆきます。
お粥で比べる離乳食の時期とメニュー
離乳食初期のお粥
10倍つぶし粥から始めます。
10倍つぶし粥とは、米1に対して水10で炊いたお粥のことで、さらにお米のツブツブ感をなくしとろとろ状態にしたものです。慣れてきたら、10倍つぶし粥から、10倍粥(少しずつお米のツブツブ感を残していきます)へと移行していきましょう。
離乳食中期のお粥
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」では、全粥を推奨しています。全粥とは5倍粥のことで、米1に対して水5で炊いたお粥のことです。
初期の10倍粥から突然5倍粥にするには抵抗がある場合には、7倍粥からスタートして食べる様子を観察しながら徐々に水分を減らして5倍粥に近づけていってもよいでしょう。
1回あたりのお粥の量は50~80gが目安です。
離乳食後期のお粥
全粥(5倍粥)90g~軟飯80gが目安です。
はじめは全粥からスタートして、徐々に軟飯へと移りましょう。
軟飯とは米1に対して水3~2で炊いたお粥で、離乳食後期から完了期にかけて食べられます。普段大人が食べているご飯にだんだん近づいてきました。
離乳食完了期のお粥
離乳食完了期は、1回あたり軟飯を90gほど食べることができます。この軟飯をしっかり噛んでごっくんできるようになったら、普通のご飯へと挑戦してみましょう。ご飯の量は1回あたり80gが目安です。
まとめ
離乳食は生後5~6カ月頃から始まり、なめらかにすりつぶした状態の食べ物から与えます。子どもの成長とともに食べ物の種類や固さも変わっていきます。お粥でいうならば、とろとろにした全粥からスタートしたものも、徐々にお米と水の割合を変えていき離乳食の完了期には大人と同じ固さのご飯が食べられるようになるでしょう。
母乳や育児用ミルクだけで栄養を摂っていた子どもも、次第に食べ物から栄養が摂れるようになります。そのために、噛む力や飲みこむ力を身につけることが大切です。
子どもの成長には個人差はありますが、食べる意欲と好奇心を育み、生活リズムを整えていきましょう。
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