妊娠糖尿病とは 食事の際に気をつけるべきことも合わせて解説
糖尿病は生活習慣病の一つですが、比較的高齢の方に多い疾患というイメージがあります。確かに最も罹患者の多い2型糖尿病は40代以上からの発症率が増え、70代男性になると4人に1人が糖尿病もしくは糖尿病の強い疑いがあるとのデータも出ています。
しかし、妊娠中の女性も食事のあとは高血糖になりやすい状態です。妊婦の12%は妊娠糖尿病に罹患することも明らかになっているため、妊娠糖尿病は妊婦にとって決して珍しい病気ではないと言えるでしょう。妊娠糖尿病は、放っておくと母体にも胎児にも影響が出る怖い疾患です。
ここでは、妊娠糖尿病と診断されたら食事はどういったことに気を付ければ良いのか、血糖をコントロールするためにはどんなことが大切なのかを解説いたします。
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病とは4種類ある糖尿病の種類の中の一つで、妊娠中に血糖値のコントロールがうまく出来なくなってしまう糖代謝異常を引き起こす病気のことです。
「糖尿病」という名前がついているため誤解されやすいのですが、妊娠糖尿病は糖代謝の異常であり、1型や2型の糖尿病とは少し違います。そのため血糖値も糖尿病の患者ほどは高くありません。しかし、高血糖の状態が続くと、母体にも胎児にも良くない影響が出てしまいます。また、出産後も母親が糖尿病になりやすくなってしまうと言われていますので、適切な血糖のコントロールをしていくことが必要です。
また、妊娠糖尿病は、妊娠中の疾患としては珍しいものではなく、比較的罹患率が高いものだと言われています。これは妊娠中の女性の12%(8人に1人)という確率ですので、妊婦にとって決して他人事ではない病気だと言えるでしょう。
妊娠糖尿病の原因は、胎盤から分泌されるホルモンや酵素が血糖をコントロールしてくれるインスリンの働きを抑えてしまうことにあります。このホルモンや酵素は、胎児へよりたくさんの栄養を送るために分泌されるものなので、けっして悪いものではありません。しかし必要以上に発生してしまうと、結果的にうまく血糖値を抑えることができなくなるために妊娠糖尿病を発症してしまうのです。また妊娠中は脂肪がつきやすく、脂肪組織はサイトカインというインスリンの働きを抑える物質を分泌するため、なおさら糖尿病のリスクが高まってしまいます。
特に妊娠糖尿病のリスクが高いのは、家族に糖尿病の方がいる方、太っている方、35才以上の高齢出産、妊娠してからの体重増加が多すぎる方などです。
妊娠糖尿病の症状は特になく、高血糖になっていても気づくことはありません。そのため、妊婦健診の際にスクリーニング検査をし、糖尿病と診断された方には適切な治療を行っていくことになります。
妊娠糖尿病が胎児へ及ぼす影響
妊娠糖尿病は母体だけでなく、お腹の中の胎児にも影響を及ぼします。特に重篤なのが胎児の奇形で、妊娠中に血糖を適正にコントロールできなかった時間が長いほどリスクが上がると言われています。また、血糖値が上がると母体と胎児をつなぐ血管に悪影響が出ることも分かっており、流産の危険や巨大児、胎児仮死など色々な合併症を引き起こすこともあるのでしっかりと治療をしていかなければなりません。
また、生まれてからの新生児期のリスクとして、心臓の肥大、低血糖、多血症、電解質異常、黄疸などになる可能性もあります。こういった子供は成長してからも肥満や糖尿病になるリスクが高いと言われており、それを防ぐためには妊娠中から母体がしっかりと血糖コントロールを行うことが大切です。
もし母体が適正に血糖コントロールをできない状態が続くと、医師から妊娠の継続が危険であることが伝えられることもあります。
妊娠糖尿病の時の食事のとり方
妊娠糖尿病の治療の基本は、血糖をコントロールするための食事療法が基本となります。単に食事の量を制限するということではなく、適切な栄養を含んだ食品を適切な量、適切なタイミングでバランスよく摂るということが大切なのです。
また、生活リズムを整え、ちゃんと毎食を決まった時間に摂取することも大切です。最近は妊娠中でもお仕事を続ける方もたくさんおられますが、つい忙しくて朝食を抜いたり、夜遅く食べたりすることは血糖値を不安定にしてしまいますので控えましょう。
ここでは妊娠糖尿病の際の詳しい食事のとり方やポイントなどをいくつかご紹介いたします。
食べる順番に気を付ける
食事をするときは、まず生野菜のサラダや温野菜から箸を付けるようにしましょう。野菜に含まれる食物繊維が血糖の上昇を防ぎ、糖質が入ってきても吸収されにくい環境を作ります。生野菜や温野菜以外に海藻やキノコ類でも同様の効果があるとされています。まず食物繊維を小腸に入れておくことが大切です。
その次におかず(肉、魚、卵、大豆製品など)を食べ、食べ始めてから10分程度経過した時点で炭水化物(ごはん、麺類、パンなど)を食べましょう。また、早食いをしてしまうと効果がありません。ゆっくり食べることにより、糖質の吸収もゆっくりになります。よく噛むことで満腹中枢も刺激され、自然と食べ過ぎ予防ができますので、食べる順番と早さを意識することを心掛けてください。
妊娠中はどんな方でも食後に高血糖になりがちです。妊娠糖尿病の方は特に、血糖値を急上昇させないための食べ方が大切になります。食べるものを変えるのではなく、順番を変えるだけですので簡単にいつからでも始められます。妊娠中の方は、糖尿病でなくても気を付けてみるとよいかもしれません。
低GI食品を選ぶ
GI値とはグリセミックインデックス(Glycemic Index)の略で、食後に血糖値がどのくらい上がるかを示した数値です。つまり、低GI食品とは食べても血糖値を上げにくい食品のことを表しています。
ごはんやパン、砂糖などは食後の血糖値が急上昇しやすいですが、同じ主食でもブランパンやライ麦パン、そばなどは血糖値が上がりにくいのです。
これは含まれる食物繊維の量によって変わり、食物繊維を多く含むものほどGI値が低いということがわかっています。
中でもブラン(小麦のふすま)は特に食物繊維を多く含み、糖質量も少ないので、特に血糖値に影響しにくい食べ物の一つです。パンを食べたいときには、ブランパンを選ぶのがおすすめです。最近ではコンビニなどでも市販されており、手に入りやすくなっています。
また、サツマイモも繊維が豊富で低GI食品に分類されます。しかし、糖質も高い野菜ですので、間食などの時には中くらいのもの3分の1程度に抑えるのが良いと言われています。
食物繊維を多く摂取する
前述したとおり、食物繊維には血糖の上昇を緩やかにする効果があります。また、便秘の改善、コレステロールの排出をうながす効果など、妊娠糖尿病の方にとってはとても有効で、ぜひたくさん摂取するべき栄養素だと言えます。しかし最近では、食の欧米化に伴い、食物繊維摂取量が減ってきていると言われています。1日に必要な食物繊維の量を知り、それをしっかり摂ることで、うまく妊娠糖尿病をコントロールしていきましょう。
女性では、1日18gの食物繊維を摂ることが望ましいとされています。これは食物繊維の含まれる野菜350g以上に相当します。しかし毎回野菜を計量して食事をとるのは難しいので、野菜料理5品を目安に摂取してください。(小鉢70gで計算しています)注意点としては調理方法が重ならないということが大切です。いろいろな種類の野菜のおかずを摂取するようにしましょう。
まとめ
妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発症する血糖値のコントロールがうまく出来なくなる病気です。高血糖の状態を改善せずに放置すると、母体はもちろん、胎児にも奇形や流産リスクなど、たくさんの危険な状態を引き起こしてしまいます。
妊娠糖尿病を発症してしまった場合、食事療法によって血糖値のコントロールをすることにより母体、胎児ともにリスクを減らすことができるので、無理のない適度な運動と、医師の指示に従った適切な食事を心がけましょう。
食事を摂取するときは野菜から食べることや、低GIの食品を選ぶこと、食物繊維を多く含むものを選んで食べることは実践しやすいことですので、妊娠糖尿病と診断されたらその日からしっかりと食事改善に取り組むことが大切です。
妊娠糖尿病は、出産すると改善することが多い病気ですが、発症した方はそうでない方に比べて、出産後も糖尿病になりやすい体質であるということがわかっています。出産後に妊娠糖尿病が改善した方であっても、定期的に検査を受けたり、食事に気を付けたりすることを心がけてください。
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