
高血圧時の飲酒注意点 適量はどのくらいか解説
高血圧になったらお酒は飲まないほがよいとはわかっていても、きっぱりと飲酒をやめるのはなかなか難しいものです。血圧が気になるけれどお酒を飲むことも好き、そんな人にとって血圧とお酒の関係はとても気になることのひとつではないでしょうか。
この記事では、高血圧を気にする人がお酒を飲むときの注意点や、飲んでも大丈夫なアルコールの量を中心に解説します。ルールを守れば血圧が高くてもお酒を飲むことに問題はありません。自分のお酒の適量や飲み方を正しく理解して、健康を維持しながらお酒を楽しめるようになりましょう。
高血圧の原因・高血圧とはどれくらいの数値?
高血圧とは、血圧が一定の数値を超えていることをいいます。血圧とは血液が血管壁に与える圧力のことで、わかりやすくいうと心臓から流れてくる血液が血管を押す力です。
心臓はぎゅっと収縮して血管に血液を送り出しますが、このときに血液が血管に与える圧力が最大になり、このときの数値が「収縮期血圧」です。反対に心臓が拡張して血管に加わる力が最小になったときの数値が「拡張期血圧」です。血圧をあらわすときに「上の血圧、下の血圧」というのは、上の血圧=収縮期血圧、下の血圧=拡張期血圧、ということです。
収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上になると高血圧症と診断されます。高血圧症は程度よってⅠ度(軽度)~Ⅲ度(重度)に分けられます。
- Ⅰ度高血圧 収縮期血圧:140~159 かつ/または 拡張期血圧:90~99
- Ⅱ度高血圧 収縮期血圧:160~179 かつ/または 拡張期血圧:100~109
- Ⅲ度高血圧 収縮期血圧:180以上 かつ/または 拡張期血圧:110以上
高血圧には、心臓や血管に異常があるなど原因がはっきりしている「二次性高血圧」と、原因が特定できない「本態性高血圧」があり、日本人の高血圧の約80~90%が本態性高血圧にあたります。
本態性高血圧の原因は遺伝や生活習慣にあるといわれますが、遺伝というのは高血圧そのものではなく、高血圧になりやすい体質が遺伝するということです。もともと高血圧になりやすい体質を持った人がよくない生活習慣を続けることで、より高血圧を引き起こしやすくなるのです。
生活習慣による高血圧の要因には次のようなことが考えられます。
- 肥満
- 塩分の取り過ぎ
- 喫煙
- 過度の飲酒
- ストレス
- 運動不足
実際にはこの中のひとつではなく、複数が重なり合って血圧の上昇を引き起こします。血圧は高くても自覚症状がないことが多く、気づかずに放置すると動脈硬化を起こすなど体に影響が出てきます。定期的に血圧測定をして、数値が高い場合には生活習慣を見直すことを心がけましょう。
高血圧時に飲酒はできる・注意点
血圧が高い人はお酒の量を控えめにする必要がありますが、一滴も飲んではいけないのかというとそうではありません。飲む量や飲み方に注意をすれば、お酒を楽しむこともできるでしょう。
高血圧になったらお酒と塩分を控えなさいというのはよく聞くことで、お酒を一滴も飲めなくなるのかと、お酒好きな人は心配するのではないでしょうか。もちろん過度な飲酒は血圧を高くし、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしやすくリスクがありますから、飲み過ぎには気をつけなければいけません。しかし、ルールを守って節度のある飲み方をすれば少量の飲酒であれば問題ありません。
アルコールには血管を膨張させる作用があるので、お酒を飲んだすぐあとは一時的に血圧が下がります。しかし、翌朝の起きたときには血圧が高くなります。
また、常習的にアルコールを多く飲み続けている人は、血圧の平均値が上がって高血圧症を発症するリスクが高くなることが分かっています。血圧を正常に保つためには「お酒はほどほどに」を守ることが大切です。
お酒を飲むときには、適量を超えて飲酒しないというほかにも、守りたいことがあります。
ひとつは飲酒の頻度です。適量を守った飲酒だとしても、最低でも週に1日、できれば2日はアルコールをまったく飲まない日、いわゆる休肝日を設けるようにしましょう。特に中高年になると体内でのアルコールの代謝機能が低下しますので、飲酒量を基準値よりもう少し減らしたり、休肝日を多めに設けるなどの工夫も必要でしょう。
ふたつめはお酒を飲むときのおつまみの食べ過ぎに気をつけることです。空腹時にお酒を飲むとアルコールの吸収が早まるので、すきっ腹にお酒だけを飲むことはおすすめできませんが、おつまみを食べ過ぎることによるカロリー過多や、塩分のとり過ぎには注意しなければなりません。
お酒には脂っこいものや塩辛いものが合うので、ついついたくさんつまんでしまわないように気をつけましょう。
みっつめは高血圧の治療で降圧薬を服用している人は、アルコールによって効き目が強くなりますから注意が必要です。飲酒によって血管が広がり血圧が下がるので、降圧薬の作用と重なることで血圧が下がり過ぎてめまいや吐き気がすることがあります。降圧薬を服用している人の飲酒に関しては、主治医の指示に従ってください。
高血圧の際に飲酒の適量とは
お酒を飲み過ぎると血圧が高くなることが分かっていますが、血圧を正常に保つことを意識した適度なアルコールの適量とはどれくらいなのでしょうか。
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、1日に摂取するアルコールの量を、男性で20~30ml、女性で10~20ml以下に控えることを推奨しています。
アルコール量20mLをアルコール飲料に換算すると次のようになります。
- ビール(アルコール度数5%):500ml(中瓶1本)
- 缶チューハイ(アルコール度数5%):500ml(ロング缶1本)
- 日本酒(アルコール度数15%):180ml(1合)
- 焼酎(アルコール度数25%):110ml(0.6号)
- ウイスキー(アルコール度数43%):60ml(ダブル1杯)
- ワイン(アルコール度数14%):180ml(1/4本)
また、適量とされるアルコール量までの飲酒であっても休みなく毎日飲み続けることは避け、週に1日~2日はお酒を飲まない休肝日を作るようにしましょう。
まとめ
高血圧は生活習慣病のひとつとされ、過度な飲酒、喫煙、塩分の取り過ぎ、運動不足などの食習慣、生活習慣がおもな発症要因と考えられています。血圧が高い人は、塩分を控えた食事を心がける、過度な飲酒は控える、煙草をやめる、適度な運動を取り入れるなど、日々の生活習慣を見直していく必要があるでしょう。
過度な飲酒は高血圧を引き起こす原因のひとつとなりますが、適量と頻度を守れば少しの飲酒は問題ありません。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインなら1/4本を1日の飲酒量の目安としましょう。
また、適量を守っての飲酒であっても、週に1日~2日はお酒を飲まない休肝日を設けることも大切です。特に中高年を過ぎると体内でのアルコール代謝機能が低下しますから、より一層気をつけていくことが必要になります。
ルールを守れば高血圧でもお酒を楽しみながら生活することができます。自分の適量を知ってお酒と上手く付き合っていきましょう。
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