うにと痛風の関係 痛風を予防する食事とは
痛風は、尿酸という物質が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う発作を起こす病気です。男性の罹患率が非常に高く、患者の98％が男性であるというデータも発表されています。痛風の発作が起こるとある日突然足の親指の付け根が腫れ、歩くことも困難なくらいの痛みに襲われます。1週間から10日ほどでだんだん痛みは引くため、湿布などを貼ってなんとなくやり過ごしてしまう人もいるようです。しかしこの状態を放置しておけば半年～1年の頻度で発作は再発し、だんだんと間隔も短くなっていきます。痛風の原因は尿酸値が高いことですので、尿酸値を改善しなければこの病気の根本的な解決は望めません。放置すれば悪化し、心筋梗塞や脳梗塞など恐ろしい病気につながる可能性もあるのです。尿酸値を下げるためには食生活の改善がとても大切になってきます。以前は痛風と言えば「ぜいたく病」と言われ、高級な食材をたくさん食べている人がなるイメージの病気でした。お寿司や肉など美味しくて高級な食べ物はいかにも痛風に悪影響を与えそうですが、今回はその中でも「ウニ」に焦点を当てて解説いたします。
痛風の原因とプリン体
前述したとおり、痛風の原因となる物質は尿酸です。尿酸はどんな人の体内にも存在し、血液中に溶けていますが、7.0mg／dlを超えると溶けることができず、徐々に関節に沈着してしまいます。尿酸が高い状態を高尿酸血症と呼び、痛風の予備軍であると言えます。
尿酸はプリン体という物質が肝臓で分解されて生じる老廃物です。高尿酸血症の原因は、プリン体の多く含まれる食事（肉類や魚介類など）やビールなどのアルコールの摂取、また果糖の過剰摂取など、食生活が大きな要因であると考えられています。また、激しい運動をしている人や肥満の人、仕事などで大きなストレスを抱えている人なども痛風のリスクは高いと言えるでしょう。これらは働き盛りの多くの男性に当てはまることです（実際30代男性の30％は尿酸値が高いと言われています）ので、尿酸値が高いと言われたら、食生活を見直し尿酸値を下げることにより痛風のリスクを減少させることが大切です。
ウニを食べると痛風になるのか
高級な海産物の代表であるウニ。ウニには100gあたり137.3㎎ものプリン体が含まれており、痛風の方や高尿酸血症の方にとってはあまりおすすめできない食材であると言えます。同じくプリン体が多そうなイクラとお寿司約1貫分である20gを目安に比較してみましょう。イクラ20gあたりプリン体0.7㎎であるのに対し、ウニには27.46mgものプリン体が含まれているのです。これはイクラの約40倍にもあたることから、ウニのプリン体の多さがよくわかるのではないでしょうか。なぜこれほどにも差があるのかというと、プリン体が生物の細胞一つ一つに入っているということがポイントになります。イクラは一粒が一つの細胞になっています。しかしウニはとても粒が小さく、その一つ一つにプリン体を含有しているため、自然とプリン体の量が多くなってしまうのです。プリン体の少ない食事を心がけないといけない痛風や痛風予備軍の方には、やはり危険な食材ですので、お寿司などを食べるときはそれぞれのプリン体の含有量を意識して選ぶことが大切です。
痛風を予防する食事のポイント
痛風にならないためには、尿酸値を上げないような食事を心がけましょう。尿酸値を上げないためにはいくつかのポイントがあるので解説いたします。
・プリン体を多く含む食べ物を減らす
プリン体を多く含む食べ物を食べると体内で尿酸が増え、結果的に高尿酸血症を招きます。プリン体を多く含んでいるのはレバーや白子などの動物や魚介類の内臓、エビやイワシ、ウニといった魚介類、牛肉のヒレなどです。また、プリン体は水溶性ですので、魚介や肉を煮たスープや、カツオや煮干しなどでとった出汁などにも多く含まれます。食事の際、出汁や煮汁を美味しいからと言って飲み干したりするのはプリン体を大量に摂取してしまうことにもつながるため控えた方が良いでしょう。
食事の量を減らす
肥満やメタボリックシンドロームは尿酸を上げる原因の一つとなります。自分に合った適正な量を把握し、エネルギーの摂りすぎにならないように気を付けましょう。ストレスが溜まっていると早食い、ドカ食いなど無理な食べ方をしがちです。1日３回、規則正しく主菜、副菜を組み合わせ、腹八分目を心がけてください。
水分の摂り方を考える
尿酸を体内から排出するためには、水分をたくさん摂って尿量を増やすことも有効です。１日約２Lを目安に補給しましょう。一気に飲むのではなく、起床時や就寝前、入浴後、空腹時などこまめに摂ることをおすすめします。また、アルコールは水分とはいえ、尿酸値を上げる作用があり、利尿作用もあるので尿酸を濃縮してしまいます。そのため飲酒はできるだけ控えるのがおすすめです。もしアルコールを摂取するなら量は少なめに、プリン体の少ないもの（ウイスキーや焼酎）を選び、同時に水などほかの水分も摂るようにしてください。
まとめ
痛風の予防、改善には尿酸値を上げないことがとても大切です。尿酸はプリン体から生成されます。魚介類や肉類にはたくさんのプリン体が含まれていることが知られています。プリン体は食べ物の細胞一つ一つに含まれており、高級食材のウニはとても粒が小さい集合体のため、プリン体の含有量も多く、痛風の方にとってはあまりおすすめできる食材ではありません。痛風予防のために、食事の時はプリン体の少ない食べ物を選んで摂取しましょう。ほかにも予防策としては、食事の量を見直し、早食いやドカ食いをしないことや、アルコールの摂取を減らし、お茶や水などの水分をたくさん摂ることを推奨します。痛風と食事はとても密接に関係していますので、適切な食事の内容やバランスを知り、尿酸値をコントロールできるように心がけてください。
この記事を書いたライター
シェアダイン編集部
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